ジョー・エリオット、デフ・レパードに加入できたのは「可哀そうに思われたからだろうね」

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ジョー・エリオットは、1977年、結成されたばかりのデフ・レパードと初めてセッションを行ったとき、上手く歌えなかったそうだ。それでも、バンドに残ることを許されたのは、他のメンバーたちが彼を可愛そうに思ったからに違いないという。

エリオットは、スパンダー・バレエのゲイリー・ケンプとベーシストのガイ・プラットによるポッドキャスト『The Rockonteurs』のインタビューで、バンドの初期についてこう振り返っている。「ピート・ウィルス(G)とリック・サヴェージ(B)、それにオリジナル・ドラマーはトニー・ケニングの3人だけだった」「(リハーサルの場所として見つけたのは閉鎖された工場で)ヴィクトリア時代の建物でゴミ捨て場みたいになってた。汚くて、薄暗く、どうしようもないとこだったけど、1977年、バンドにとっては最適な場所だった」

彼らは壁を塗り替え、ポスターを貼ったり、拾ってきたラグを敷きソファを置くなどして、その場を整えたそうだ。そして、いざ演奏してみようとなったとき……。

「俺は、すでにこのバンドに6週間いたことになるが、それまで一音も歌っていなかった。とうとう…、プレッシャーはなかったが、歌わなきゃいけなくなったわけだ。俺ら、“Stairway To Heaven”をやってみることにした。俺にはできなかった。1オクターブ下で歌ってた。俺はレッド・ツェッペリンをよく知らなかったんだ。俺には音楽を紹介してくれる兄なんていなかったからね。俺はT・レックスのファンだった。だからツェッペリンやサバス、ディープ・パープルの大半はシングルを除けば、得意ではなかった」

続いて、デヴィッド・ボウイの「Suffragette City」をプレイしてみたところ、「Stairway To Heaven」よりは良かったというが、エリオットは、それでバンドに残れることになったのではないと考えているそうだ。

「彼らは、俺を可哀想だと思ったんだろうよ。“彼はすでにここにいるわけだし、リハーサルの場所をきれいにするのを手伝ってくれた。残しておいたほうがいい…”って感じだろ。他に歌う奴は誰もいなかったしな。それが問題だった」

ジョー・エリオットは以前、バンドに加入することになった経緯について「ある日、仕事帰りにピート・ウィリスに出くわしたんだ。彼からバンドを結成するとこだって言われて、俺は飛びついた。“試しにやってみる”って言ったんだ。彼ら、俺の素晴らしいレコード・コレクションを見た。それに俺は背が高かったから、その役をゲットできた!」「もし俺がその夜、バスに乗り遅れていなかったら、ピート・ウィリスには会わず、俺はいまここにいなかっただろう」と話していた。


Ako Suzuki
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