【速レポ】<中津川ソーラー>ComplianS+Afro Begue、ジャンベのリズムに広がるダンス空間「忘れないで。今日はじまったばかりですよ」
<中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2023>の2日目がスタートした。RESPECT STAGE開演直前にステージMCの中村貴子とともに、「俺も出るわ」と出てきたのはこのフェスのオーガナイザーである佐藤タイジ。
◆ライブ写真
「昨日楽しかったですね、天気もよかったし。パーフェクトSOLAR BUDOKANやな」と晴れ男・佐藤タイジ自らお墨付きを与えたところで、自らもメンバーであるRESPECT STAGEのトップバッターComplianS+Afro Begueを迎え入れ、メンバーを順に紹介していった。
この<THE SOLAR BUDOKAN>にさまざまな形態で出演している佐藤タイジ(Vo, G)と、KenKen(Vo, B, Per)によるComplianS。今年はおなじみのジャンベ奏者オマール・ゲンデファル(Vo, Djembe)率いるAfro Begue(読み方:アフロベゲ)──津田悠佑(G)、佐々木俊之(Dr)、Naoto(Key)を迎えてのステージとなる(KenKenは両バンドに所属)。
冒頭で佐藤は、オマールはセネガルの音楽伝承・伝達伝導者であるグリオの家系に生まれたと言う。「オマール、お清めの一発、お願いしますよ!」(佐藤)というと、オマールは高らかにジャンベを打ち鳴らし、太陽がさんさんと降り注ぐRESPECT STAGEを幕開けると、集まった観客は大きな歓声で応えた。
1曲目は、「Gri Taiyo」。ゆったりと紡ぎ上げていくアンサンブルから、ジャンベを合図にグルーヴィなスピードに乗っていく、アンセミックな「Gri Taiyo」はまさに<THE SOLAR BUDOKAN>のことを歌ったような曲で、のちのMCでその理由もわかるのだが、KenKenやオマールが太陽を指差すようにして歌い、踊り、大いに盛り上がって行く。
そこから、これぞComplianSというファンキーなテーマソング「Funky Messiah」へと突入すると一気にダンス空間が広がる。自然と体が動いてしまうドラムビートやジャンベのリズム、気持ちのいいギターのフレーズやカッティング。観客に軽やかにステップを踏ませるベース、ファンキーさを上げていく鍵盤の音色で、のっけから熱い。
「楽しいねえ。いいやろ? 最高やんな。これを最高と言わず何を最高というのか」と日差しのもとで楽しそうに踊る観客や、自由に楽しんでいる観客に笑顔で語りかける佐藤。KenKenが「この人、アフリカでも<THE SOLAR BUDOKAN>やろうと企んでるんですよ?」というと、佐藤は1曲目にやった「Gri Taiyo」はそのテーマソングだと語り、「みんなでアフリカ行こう、オマール、絶対行こう」と誘う。冗談めいてもいるけれど、近い将来にでも実現してしまってるんじゃないかと、毎回このフェスで走り回っている佐藤タイジ氏を見ると思う。
続く曲は最近作ったという「Jant Bi」。ソウルフルなギターフレーズと情熱的なジャンベが絡み、オマールのボーカルでさらにサウンドの温度をあげていくこれもまたグルーヴィなナンバーだ。ループが心地よいサウンドに観客も程よく酔っ払った感じで、自由に踊る。KenKenとオマールが向き合って白熱したプレイを見せると、アンサンブルの密度がぐんぐんと上がっていって、観客の歓声も飲み込んでいった。
コロナ禍の制限もなくなり、こうしたフェスはもちろん各地の祭りも戻ってきたと語るKenKen。次の曲「Zomeke」は、佐藤の故郷、徳島の阿波踊りのお囃子のことで、“騒く”と書き浮かれさわぐという意味があるそうだ。そんなタイトルを冠した「Zomeke」は、エネルギッシュで賑やかなロックチューンだ。会場中で“騒く”姿が見られたことはまちがいない。
そんな光景を見ながら佐藤はこのトップバッターのステージですでに何度言ったかわからない「楽しい!」を連発する。「楽しいぞー中津川!」(佐藤)という声でスタートしたのは、Afro Begueの曲「Fallo Fall」。津田のギターとオマールのジャンベがリズミカルに掛け合って引っ張っていくこの曲では、全員が互いにアイコンタクトをし、仕掛けあいながらグルーヴの密度を上げていく。観客もともに歌い、気持ち良さとスリリングさが入り混じり、何段階にもクライマックスを超えていくサウンドがRESPECT STAGEを揺らしていった。
続く曲でラストの予定だったが、もう1曲いけそうだということで「今日らしい曲をもう1曲」と、「Diogal Dawal」を追加してグッと会場のテンションを上げたところで、ラストはPrince and the Revolutionのカバー「I Would Die 4U」。「素晴らしい景色ですよ、中津川。みんなで踊ろう、みんなで体動かそう」と4つ打ちのキックにのせ、佐藤はギターを奏でエモーショナルなボーカルで歌う。津田の気持ちのいいギターカッティングにジャンベが映え、そこに灼熱の佐藤のギターフレーズが絡んでいくとサウンドの熱量が高まる。英語詞を中心に、《死ねるかもしれない、あなたのためなら》という日本語詞を織り交ぜながら、叫びをあげるように歌いあげると観客は高くコブシを突き上げ、そして音を全身に浴びるようにジャンプして音に乗っていった。
「忘れないでください、今日、はじまったばかりですよ」とKenKenは笑顔で言ったが、2日目を幕開けたばかりとは思えない最高潮のステージとそれに応える最高の観客の熱量で、RESPECT STAGEには再び真夏がやってきたようだ。
取材・文◎吉羽さおり
撮影◎三浦麻旅子
■セットリスト
2. Funky Messiah
3. Jant Bi
4. Zomeke
5. Fallo Fall
6. Diogal Dawal
7. I Would Die 4 U
■<中津川THE SOLAR BUDOKAN 2023>
9月23日(土) 岐阜県中津川公園内特設ステージ
9月24日(日) 岐阜県中津川公園内特設ステージ
open10:00 / start11:00 ※予定
岐阜県中津川市茄子川1683-797
▼出演
【9月23日(土)】androp / BREIMEN / Caravan / 地球三兄弟(YO-KING / 桜井秀俊 / 奥田民生) / DURAN / HEY-SMITH / HY / 韻シスト / いとうせいこう is the poet / JUN SKY WALKER(S) / 清春 / Major in Body Bear (from台湾) / NakamuraEmi / OAU / PLECTRUM / ROCKIN’ QUARTET (大木伸夫, ホリエアツシ, 村松拓, TOSHI-LOW, 内澤崇仁) / ROCK’N’ROLL GYPSIES (花田裕之, 下山淳, 池畑潤二, 市川勝也) / SOIL&“PIMP”SESSIONS / 10-FEET / 打首獄門同好会 / うじきつよし / ヤバイTシャツ屋さん / DUCK HOUSE
【Village Of illusion】ermhoi / Kaoru Inoue / DJ KENTARO / 武藤昭平 with ウエノコウジ / OBRIGARRD / Rei / TOMOYUKI TANAKA (FPM)
【9月24日(土)】シアターブルック w/ 河村隆一 / ACIDMAN / a flood of circle / the band apart / ComplianS+Afro Begue (佐藤タイジ, KenKen, Omar Gaindefall, 津田悠佑, 佐々木俊之, Naoto) / FIVE NEW OLD / FLYING KIDS / 吉川晃司 / 木村カエラ / LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS / STOCKMAN / NONA REEVES / Nothing’s Carved In Stone / Nulbarich / 奥田民生 Solar Session / Omoinotake / Original Love / リーガルリリー / サンボマスター / ストレイテナー / 土岐麻子 feat. 堀込泰行 / うじきつよし
▼チケット
・2日通し入場券 15,900円
・9月23日(土) 入場券 9,800円
・9月24日(日) 入場券 9,800円
【各プレイガイド】
▼イープラス
https://eplus.jp/ntsb23/
▼チケットぴあ
https://w.pia.jp/t/solarbudokan-23/
Pコード:2日通し入場券:780-841 / 1日入場券:248-631
▼ローチケ
https://l-tike.com/solarbudokan/
Lコード:42780
▼サンデーチケットセンター
https://www.sundayfolk.com/go/ntsb2023/
▼プレイガイドぎふ
https://www.cnplayguide.com/gifu-np/
※キャンプ券・駐車場券はイープラスのみ受付
【往復シャトルバス乗車電子チケット】
中津川駅(にぎわい広場)⇆ 会場(中津川公園)
http://solarbudokan.com/2023/access/index.html#sec-4
【フード&フリマ出店】
http://solarbudokan.com/2023/area/shop/
【オフィシャルグッズ】
http://solarbudokan.com/2023/goods/
【公式アプリ】
アーティストの出演日程やタイムテーブルに加え、プレイリストを試聴できるなどの機能を搭載
・iOSアプリ:https://apps.apple.com/us/app/id1466179992
・androidアプリ:https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.eplus.solarfes
主催:中津川 THE SOLAR BUDOKAN 実行委員会
■“こどもソーラーブドウカン2023”コンテンツ紹介
▲うじキングダム こどもパレード
▲内澤崇仁(androp)
出演:うじきつよし、内澤崇仁(androp)、辻コースケ、伊地知潔(ASIAN KUNG-FU GENERATION / PHONO TONES)…and more
【HY HeartY Village@こどもソーラーブドウカン】
▲HY HeartY Village
※申し込み方法など詳細は後日発表
【ドラムであそぼう】※協力:パール楽器製造株式会社
▲こどもドラム教室
【水素で動かせ!ミライのクルマ実験教室】※協力:トヨタ自動車株式会社
未来のエネルギー水素の特長を「作る」「貯める・運ぶ」「使う」の3つのシーンで学び、みんなで実際に水素を作る実験をします。作った水素で燃料電池自動車「MIRAI」の模型を走らせてみよう。
【RAV4で快適キャンプ体験】※協力:トヨタ自動車株式会社 ✕ KEEN
▲伊地知潔(ASIAN KUNG-FU GENERATION / PHONO TONES)
▲NAOTO
出演:伊地知潔(ASIAN KUNG-FU GENERATION / PHONO TONES) ✕ NAOTO(Violinist)
【みんなで作る「太陽のステージ」】※画家 近藤康平 ✕ 木こりの熊さん 監修
▲木こりの熊さん
【TOYOTA こどもソーラー食堂 BY 伊地知潔】
▲水素で動くFCキッチンカ
【中津川少年少女合唱団 SOLAR CHILDREN スペシャルステージ】
▲中津川少年少女合唱団
【Moving eによる「こどもソーラーブドウカン」への電力供給】
▲Moving e
■クラウドファンディング“ソーラーサポートプロジェクト”
▼受付サイト
クラウドファンディングサービス“Fanpla Action”
https://action.fanpla.jp/tsb2023
▼参加受付期間
9月5日(火)19:00~9月30日(土)23:59
※印の下記コースはリターン品発送の都合上、9月13日(水)23:59まで
▼サポートコース一覧
・ソーラーサポーター コース:1,000円(税込)
・エコバッグ コース(※):2,500円(税込)
・もみ殻リユースカップ コース(※):3,000円(税込)
・Tシャツ コース(※):4,500円(税込)
・サイン入りTシャツ コース(※):10,000円(税込)
・バックステージツアー コース(※):10,000円(税込)
・アフタートーク コース(※):10,000円(税込)
▼サイン入りTシャツ参加アーティスト(順不同)
・LOW IQ 01
・a flood of circle
・JUN SKY WALKER(S)
・the band apart
・NONA REEVES
・Omoinotake
・土岐麻子 with 堀込泰行
・Nothing's Carved In Stone
・ストレイテナー
・androp
・佐藤タイジ
関連リンク
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