【インタビュー】OverTone、1stフルアルバムは「今のOverToneを最大限に引き出せた作品」
4つの声が一つの美しいハーモニーを奏で、4つの個性が一つの素晴らしい世界を創る。ベリーグッドマンが設立したTEPPAN MUSICから2022年デビューを果たしたOverToneは、コロナ禍からのライブ規制緩和を待っていたように、活発なリリースとライブ活動を重ねて猛スピードで進撃中。6月7日にリリースされた1stフルアルバム『OverTone』を引っ提げて、7月30日まで続く全国ツアー<This is OverTone>も絶好調だ。
◆OverTone 動画 / 画像
次世代ポップスの代表格を目指して挑み続ける4人は、今何を見て何を考えているのか。アルバムについて、ライブについて、メンバーの関係性について、今後のビジョンについて、メインボーカルの八上和希とメインソングライターのGUCCHIに、本音をたっぷりと語ってもらおう。
◆ ◆ ◆
■完成度は過去イチ
■今のOverToneを最大限に引き出せた作品
──ちょうど今はツアーの真っ最中。今回のツアーはどんなコンセプトでやってるんですか。
八上:タイトルが<This is OverTone>なんですけど、アルバムタイトルも『OverTone』で、OverToneは結成6年目ですけど、コロナの時期をカウントせず、あらためてここが結成年のつもりで頑張って行こうということで、このタイトルにしました。だからCDジャケットも、歩き出しているようなシルエットになってるんですけど。
──ああー。確かに。
八上:でもツアーはまた別で、いろんなことがあった6年間の集大成というか、「これが今一番いい状態のOverToneです。過去イチのライブをしますよ」というコンセプトですね。今まではバラードをしっとり歌うコーナーが長かったり、ミディアムでゆったり乗れる曲も多かったんですけど、今回のアルバムはアッパーな曲が多いので、めちゃめちゃ上げていくパートが多いツアーになってます。
──毎回、新しいチャレンジをしてますよね。前回のツアーだったら、振付やダンスを取り入れたり。そういう新しい何かは今回ありますか。
GUCCHI:今回は何やろ?
八上:強いて言うなら、初めてスタンドマイクを使ってます。ちょっと大人な雰囲気を出せたらいいなというか、もう三十路やし、色気出して行こうかなと(笑)。
▲八上和希
──あらためて、先月リリースされたばかりのファースト・フルアルバム『OverTone』について。どんなカラーのアルバムになったと思いますか。
GUCCHI:今回はちょっとテンポの速い曲が多いというのも、僕の中でライブを想定したくて。フルアルバムやし、これでツアーを回ると考えた時に、やっぱり盛り上がりというものが必要かなと思って、単純にテンポの速い曲で、かつ音源として聴いても気持ち良くて、いい曲と思えるものを目指して作りました。
八上:完成度は過去イチじゃないかと思います。音楽の歴を重ねるごとに、それぞれのスキルもどんどん上がっていく中で、歌える曲の幅も増えて行き、それをライブでパフォーマンスする能力も培われてると思うんで。今のOverToneを最大限に引き出せた作品じゃないかなと思います。たぶんこのアルバムの曲順通りのセトリで歌っても、いい感じになると思うんですよ。
──そうですね。すごく流れがいい。
八上:しかも「低空飛行」とか「マジョリティズム」とか、ちょっと妖艶な感じの曲は今までなかったんで、こういう曲も歌えるようになってきたという感じはしますね。かと思ったら、「ハイウェイミュージック」の、初期のOverTone感というか、そういうのもありつつ。
──バラエティに富んでますよね。その中でも注目は、大先輩のバンド・UNCHAINが3曲に参加している、これはどういう経緯で?
GUCCHI:最初に「バックナンバー」という曲をシングルで出した時に制作に携わってもらって、アルバムのタイミングで「これとこれもお願いします」みたいな感じですね。
八上:(TEPPAN MUSICが所属する)クラウンレコードのレーベルメイトなんで、「むっちゃかっこいいバンドがいるからぜひ」という感じだったんですけど。一緒にやらせてもらって、谷川正憲(Vo, G)さんはほんまに死ぬほど音楽が好きなんやなって思いました。こんな若手の、ジャンルも違うグループなのに、こっちのイメージに寄り添ってくれて、曲の構成までいろいろ提案してくれたりとか。ほんまにいいものを作ってくれてることが伝わって来て、愛のある人やなと思いました。レコーディングも大阪まで来てくださって、「こういう歌い方はどうだろう」とか、アイディアをたくさん出してくれたんです。
GUCCHI:楽器のレコーディングは、僕がひとりで東京まで来て立ち会わせてもらったんですけど。その時も「ギターの音色はどっちがいいかな」とか、何回も聞いてくれたりとか。僕、エレキギターを触ったこともないのに。
八上:それはええやん(笑)。好みを言うたらええやん。
GUCCHI:そんな奴に、ちゃんと毎回「どっちがいいかな」って聞いてくれる。ありがたかったし、全ての楽器がすごかったです。
八上:バンドサウンドのレコーディングは、打ち込みとは違って、テンションが上がって来る感じが、僕自身はあったんで。歌ってる時に調子に乗っちゃうというか、イキっちゃうぐらい、楽しかったですね。
──ほかにもトラックメイカーのSHIBUさん、DJ ROVER( ROYALcomfort)さん、NAOKI-Tさんが参加してます。いろんな人にアレンジを任せた方が、より幅が広がるというイメージですか。
GUCCHI:という人としか、まだ出会ってないって感じです。「しっくりけえへんな」みたいな人には出会ったことないです。
八上:恵まれてるよな。
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