【俺の楽器・私の愛機】1268「マスターとお爺さんが導いてくれたギター」
【YAMAHA SG 1000】(埼玉県 koniyan 5歳(+51歳))
1187でギターを紹介していただいたものです。また1202のtamapiさんとは仲良くして頂いており、彼の超絶テクニック、素晴らしい音色は良く知っています!
今回は私の世代では若いころ憧れのギターだったという方も多いであろう(もちろん私もその一人です。)ヤマハSGを紹介させて下さい。
私は2回、香川県高松市に転勤したことがあります。1回目の転勤は今から15年前のことでした。その時高松市中心部の小さなLive Houseのマスターにとても可愛がって頂き2年間楽しい高松Lifeを過ごしました。2回目の転勤は2020年、コロナ禍での転勤でした。残念だったことはLive Houseのマスターが闘病で入院中だったことと、コロナで思うような活動ができないことでした。
そんな私の楽しみは休日、近所のリサイクルショップや中古楽器屋さん巡りでした。ある日、リサイクルショップでアコギを試奏していると70歳半ば位のお爺さんがじっと僕を見ていて、話しかけてくれました。
「良いギターはありましたか?私は昔ヤマハでギターを作っていたからギターのことは良く知っているよ。」とのこと。「僕、単身赴任でこちらに来ているのですが、ギブソン系のギターを持って来てなくて、高中さんファンですし、本当はヤマハのSGが欲しいんですけどね。」と答えたところ、昔のヤマハは本当に良い材を使って作っているので(今もだと思いますが)ネックまわりに問題が無いギターだったらお薦め、SGが好きなら絶対買った方が良いと熱弁していただきました。
その夜、なかなか頻繁には行けていなかった小さなLive Houseに普段なら自分のギターを持っていくのですが、手ぶらで顔を出し、マスター所有のビンテージのストラトを弾いたところ、フロントピックアップの止ビスが外れて、全然サイズが違うビスで無理やり止めてありました。
翌日マスターへの恩返しと思い、ビスを手配しようと近所のリペアショップ兼中古楽器屋に行き、店内のギターを見ていたらなんとヤマハSGが!昨日のお爺さんの言葉を思い出しながら手に取ってみるとネックまわりはばっちり、物凄く良質そうな黒々としたエボニー指板、リペアショップでしっかり調整してあり、しかも相場よりかなりお安い値段!マスターのストラトの不調に気が付かなければ巡り合わなかったギターです。
まるでマスターとお爺さんが導いてくれたようなギターということで、Holdして慌てて家に帰り、あまり使っていなかったギターを買い取ってもらい我が家に連れて帰りました。
括りとしてはレスポール系のギターということになると思いますが、僕が持っているレスポールと比べ(こちらもまたの機会に紹介させて下さい)やはりフュージョン寄りのサウンドというか、パワーがあり少し高域に寄ったサウンドがするように思います。良く観察してみると例えばブリッジが大きくてサドルの可変幅が多くとれるので、よりシビアにオクターブ調整ができたり、ボリュームやトーンの目印となるポインター?が鋭利なものではなく、裏から打ち出しのものであったりと良く考えられたギターだと思います。バイサウンドシステムもとても便利です。
激重いのもこのギターの特徴というか、伸びやかなサウンドのためには一役買っているのだと思います。Live Houseのマスターは残念ながら2021年2月に天国へと旅立ちました。そして私は昨年の6月に高松での勤務を終え関東に戻ってきましたが、マスターとお爺さんが導いてくれたこのギター。これからも末永く大切にしていきたいギターです。前回同様、長文となり失礼しました。
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いいですね。ギターとの出会いは、まさしく人との出会い。いろんなご縁があるわけですが、その運命的な出会いに気付き感謝の念を抱くことこそが、日本人の美徳なんだと思っています。何かを察することもなくなんの因果も感じないままに日々を過ごすのか、あるいは吹かれる風に誘われて天命に導かれるのか…そこには人生の大きな岐路が隠されているような気がします。これは特別なSG1000ですね。そもそもYAMAHA SGって、きっちりとした設計と作りで、日本人の几帳面さと勤勉さ・心遣いが結実したギターですもん。(JMN統括編集長 烏丸)
★皆さんの楽器を紹介させてください
(1)投稿タイトル
(例)必死にバイトしてやっと買った憧れのジャガー
(例)絵を書いたら世界一かわいくなったカリンバ
(2)楽器名(ブランド・モデル名)
(例)トラヴィス・ビーン TB-1000
(例)自作タンバリン 手作り3号
(3)お名前 所在 年齢
(例)練習嫌いさん 静岡県 21歳
(例)山田太郎さん 北区赤羽市 X歳
(4)説明・自慢トーク
※文章量問いません。エピソード/こだわり/自慢ポイントなど、何でも構いません。パッションあふれる投稿をお待ちしております。
(5)写真
※最大5枚まで
●応募フォーム:https://forms.gle/KaYtg18TbwtqysmR7
「楽器人の投稿がmusic UP'sに掲載されます」
※毎月の掲載数は2~4件ほどの予定です。選出はBARKS編集部で行ないます。
※掲載の選出対象は【俺の楽器・私の愛機】コーナーにて2022年5月30日以降に掲載された投稿が対象となります。
引き続き【俺の楽器・私の愛機】をお楽しみください。今後ともBARKS楽器人をよろしくお願いいたします。
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