【ライブレポート】G-FREAK FACTORY、結成25周年記念ワンマンに輝く笑顔「未来と一緒に、日比谷野音に立ちました」
G-FREAK FACTORYが10月23日(日)、日比谷野外大音楽堂にて結成25周年記念ワンマン<G-FREAK FACTORY 25th ANNIVERSARY ONE MAN LIVE>を開催した。彼らにとって特別なこのワンマンライブを祝うように、この日は朝から秋晴れ。開演が差し迫った夕刻の日比谷野外大音楽堂を、温かくておだやかな空気が包み込んでいた。
◆G-FREAK FACTORY 画像
18時、ステージに青い光が灯り、静かに登場したメンバーの姿をシルエットに浮かび上がらせた。まるで自然に呼吸をするかのように原田季征(G)の奏でるギターフレーズが、吉橋“yossy”伸之(B)のベースフレーズが、渡部“PxOxN”寛之(Dr)のドラムフレーズが絡み合いながら、ライブは「大地の勇者たち」から始まった。この日のチケットはソールドアウト。会場をギッシリと埋め尽くしたオーディエンスからは自然にハンドクラップが起こり、G-FREAK FACTORYの音と重なり、そして溶け合っていく。祝福の拍手であり、G-FREAK FACTORYと出会えた喜びの拍手であり、感謝の拍手。ライブならではの凝った仕掛けや特効などはいらない。相思相愛の者同士だからこその愛情に満ちた光景が広がる野音でもある。そしてバンドの演奏が熱さを徐々に高めていく中、最後にステージに姿を現わしたのは茂木洋晃(Vo)。
「2022年10月23日、群馬 G-FREAK FACTORY、日比谷野音。また迎えることができました、よろしく」──茂木洋晃
G-FREAK FACTORYの旗をマントのように肩から掛けた茂木は、挨拶代わりにそう語った。直後、勢いある「SOMATO」へ突入。コブシが突き上がり、ジャンプしながら音とひとつになっていくオーディエンス。そんなFREAKY (G-FREAK FACTORYのファン)の姿を改めて見渡し「よう来たな、日比谷。一緒にいこうぜ!」と大歓迎。躍動感あるベースのスラップフレーズが貫かれた「乞え-KOE-」、バンドの地元である“グンマー帝国”のことを歌う「REAL SIGN」など、ラスタカラーの照明で染まったステージで、4人は熱量高い演奏とパフォームを繰り広げていった。
「帝国が誇る寂れた空気を、ここ、コンクリートジャングル、大都会、東京、一等地に持ってきました。見てのとおりヴィジュアル系バンド、我らがG-FREAK FACTORYです。今日も本当にカッコ良くてすいません。この時期にライブに行く、フェスに行く。なかなか難しい。それを超えてまで今日はここに集まってくれて、本当にありがとうございます」──茂木洋晃
いつもの決めゼリフで笑いも誘いながら、ライブに来たFREAKYに感謝する茂木。
「気づいたら25年もやっていたみたい。強いから残ったんじゃなくて、残ったから強いんだろ。そうだろ! 存分に遊ばせてもらいます」──茂木洋晃
笑顔と共にそう語り掛けた茂木。ピースフルなナンバー「日はまだ高く」でFREAKYを酔わせ、さらに続く曲の数々で全身をグルーヴさせたり、心地よくさせたりと、G-FREAK FACTORYのライブは快感に満ち溢れている。
また様々なフェスでもG-FREAK FACTORYを観ているから思うのだが、フェスのステージでは尖った気持ちの彼らの姿を目にすることも多い。しかし今日は違った姿がステージにあった。事あるごとに、というか事があろうがなかろうが、客席に広がるFREAKYの嬉しそうな姿を見ては笑顔をこぼし、客席のあちこちに視線も送りながら、FREAKYらとアイコンタクトをするような様子も。また茂木の歌も、より一層の温かさをまとっている。もちろんG-FREAK FACTORYの歌には、怒りや悲しみなどを込めたものもあるが、今日はネガティヴィティの類は全て幸せによって包み込まれ、怒りや悲しみの先には絶対に明るい未来や光があるような、そんな感触である。25周年のめでたき日を迎えたメンバーの心境や心情が、まさにリアルタイムで表現されていく。11曲目「アシアトカゼノオト」を歌い終えたとき、茂木は「こんなに気持ち良かったっけ、野音って」と笑顔を輝かせた。
「今日はここにG-FREAK FACTORYを観に来てくれているんだと思います。この場だけはリスペクトとリスペクトでいきたい。もし勢いあまって声を出してしまったヤツがいたら、今日だけは許してやってほしい。静かに聴きたいヤツがいたら、声を出してしまったヤツは、ちょっといたわってほしい。そうやってリスペクトを作っていってほしい。だけどライブを壊すヤツがいたら、容赦なくブッ飛ばします。そういうルールでどうだ」──茂木洋晃
互いを思いやる心。そう説きながら「Dandy Lion」で始まったライブ後半。FREAKYらの気持ちはさらに強く結びつきながら、温かさを帯びながらライブは盛り上がり続ける。心の歌声や感情が無意識のうちにあふれ出てしまう場面はあるものの、互いに笑顔で許し合いながら全員がひとつになってG-FREAK FACTORYの曲や歌に飛び込んでいった。
「25年やってきたつもりも実はなくて、気づいたら、夢中になって過ごしていた時間が25年。通過点でしかないと思っています。最初の5年ぐらい、バンドブームだったが、音楽をやり続けていることで、人に笑われて。10年経ったら、まだやっているのか?って、あきれられて。15年経ったら、羨ましがられて。20年経ったら、頼んでもいないのに、そいつらが勝手に宣伝してくれるようになった。長くやったつもりはねえけど、25年を迎えられている。たくさん生きるとしたら、4分の1をバンドというものに興じられて。転んで走ってぶっ壊れて、それでもまたこうやってステージに立って、みんなからエネルギーもらって。その倍返してやると思って…。そんなことを繰り返していたら、あっという間の25年。残念ながら、未だにやめるつもりはねえ!」──茂木洋晃
その力強い宣言は、FREAKYらも勢いづかせた。冒頭とは比べものにならないほどの力強いコブシやハンドクラップと抑えきれない感情が起こり続ける。そうしたエネルギーを浴びながらG-FREAK FACTORYのライブもプレイも、やはり勢いづくばかりだ。また今日は、親子連れのFREAKYも多いが、子供たちの無邪気な声も聞こえてくるようだ。そんな子供たちとも熱いコミュニケーションしながら、「音楽は非力だけど、無力ではない。未来と一緒に、日比谷野音に立ちました。未来チルドレン、ヤーマン!」と感謝。
本編ラストを締めくくったのは「GOOD OLD SHINY DAYS」だった。過ぎ去ったあの頃のことへ思いを馳せながら、しかし、答えを探すために旅を続ける歌。過去よりもいい日々があるというポジティヴなメッセージもこめられた歌。それをFREAKYらと共に響かせながら、G-FREAK FACTORYの4人は最高の笑顔を見せていた。
「日比谷野音、2022年10月23日、25周年。この日を俺達は忘れることはないだろう。みんなありがとう!」──茂木洋晃
迎えたアンコール。ダルマの名産地=群馬出身のG-FREAK FACTORYに、FREAKYの寄せ書きが施されたダルマが事前にプレゼントとして届いていたという。今日のライブの成功を祝して、そのダルマに茂木が目玉を入れる儀式も。そして四半世紀の感謝を込めて曲を鳴らしながら、茂木は思いの丈を言葉にしてFREAKYたちに浴びせかけていった。そこには“大丈夫”や“きっと輝く”といった幸せになる言葉の数々が。
「30周年に向けて驀進します。ローカルバンドの最高傑作、G-FREAK FACTORY。ありがとう!」──茂木洋晃
頼もしい約束と共に25周年記念ライブはエンディングを迎えた。同時にG-FREAK FACTORYの新たな旅は再び始まった。G-FREAK FACTORYは、間もなく<G-FREAK FACTORY “Dandy Lion” TOUR 2022>をスタートさせるほか、12月3日には群馬・高崎芸術劇場で<山人音楽祭2022>を開催する。
取材・文◎長谷川幸信
撮影◎上坂和也
■<G-FREAK FACTORY 25th ANNIVERSARY ONE MAN LIVE>2022年10月23日(日)@東京・日比谷野外大音楽堂 セットリスト
02. SOMATO
03. 乞え-KOE-
04. REAL SIGN
05. 日はまだ高く
06. SOUL CONNECTION
07. WHEN THE COUNTRY WAS YOUNG
08. チャンダンの香るこの部屋から
09. EVEN
10. Unscramble
11. アシアトカゼノオト
12. Dandy Lion
13. らしくあれと
14. HALF-DONE
15. Fire
16. Too oLD To KNoW
17. ダディ・ダーリン
18. GOOD OLD SHINY DAYS
encore
en1. STAY ON YOU
en2. 島生民
en3. Sunny Island Story
■<G-FREAK FACTORY “Dandy Lion” TOUR 2022>
11月04日(金) 福岡・FUKUOKA BEAT STATION
11月05日(土) 広島・SIX ONE Live STAR
11月19日(土) 京都・KYOTO MUSE
11月20日(日) 大阪・umeda TRAD
11月23日(水・祝) 石川・金沢AZ
11月26日(土) 新潟・新潟GOLDEN PIGS RED STAGE
11月27日(日) 宮城・Rensa
12月04日(日) 群馬・高崎芸術劇場 大劇場 ※ツアーファイナル
▼チケット
前売り¥3,800 (税込 / ドリンク別) ※全会場
発売:2022年8月27日(土)10:00〜
※ツアーファイナル:前売り¥4,300 (税込) ※指定席
■<山人音楽祭2022>
open15:00 / start16:00
出演者(五十音順):岩崎有季 / G-FREAK FACTORY / 10-FEET / どんぐりず / FOMARE / BRAHMAN / THA BLUE HERB
MC:NAIKA MC
▼チケット
大劇場:指定席 ¥7,000(税込)
スタジオシアター:全自由 ※大劇場のチケットをお持ちの方のみ入場可能 ※入場規制が行われる場合がございます
一般発売:2022年11月5日(土)10:00~
(問)DISK GARAGE 050-5533-0888
https://info.diskgarage.com
【山人音楽祭2022 オフィシャルHP2次先行受付】
受付期間:2022年10月14日(金)12:00〜10月23日(日)23:59
https://w.pia.jp/s/yamabito22hp2/
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