【速レポ】<中津川ソーラー>DAY1、ザ・クロマニヨンズ「雨以外、すべて予定通りです。バッチリやります」
すっかり辺りも暗くなり、照明がきらびやかに輝く時間帯。豪雨の中、スタート前にも関わらず、誰かが先導するわけでもないのにそこら中から拍手が湧く。それだけ、ひとりひとりがザ・クロマニヨンズによる痛快なロックンロールショウを待ちわびているのだ。
◆ザ・クロマニヨンズ 画像
ステージに甲本ヒロト(Vo)、真島昌利(G)、小林勝(B)、桐田勝治(Dr)の4人が登場すればさらに期待は高まり、それを当たり前のように凌駕するロックンロールを序盤から解き放っていく。甲本の時折シャウトが混じるようでありながら、芯の強くブレない歌声、旨味を知り尽くすからこそ生まれるリフを奏でる真島、ビシッとして存在感のある小林のベースにタイトでキレのいい桐田のドラム。4人の個性が合わさり、決してモノクロームではない、彩りの豊かな音が鳴らされるのだ。シンプルかつキャッチー、王道的アプローチでまさしく王道だと唸らせるサウンドを提示するのが凄まじいところ。
序盤から「タリホー」といったキラーチューンで畳み掛けていったのだが、甲本が「この雨に歌うぞー!」と気勢を上げたかと思えば、桐田と小林が高く手を突き上げた「雷雨決行」は記憶に残る名場面のひとつ。そのタイトルもハマり具合もそうだが、強く降り注ぐ雨も気にせず、ロックンロールに酔いしれるオーディエンスと生まれた一体感は尋常ではなかった。
「雨以外、すべて予定通りです。バッチリやります」と甲本が口にしたように、そりゃ野外フェスでの雨は正直キツい。ちょっとぐらい濡れるなら爽快さすらあるけど、スニーカーが雨でグズグズになるとテンションもアガりきらなかったりする。降らない方が良かったに決まっているが、こういったシチュエーションだったからこそ生まれたモノではあっただろう。
また、ザ・クロマニヨンズの曲には思わずリピートして口ずさみ、生活の支えとなるフレーズが多いが、「ドライブGO!」や「どん底」の響き方も記しておきたいポイント。“ぶっ飛ばせ”だったり、“どん底だから あがるだけ”と連呼する痛快さ。そう言いたいし、そう言われたいし、という気持ちが現実になるわけで、何か救われたような感覚すら覚えてしまうのだ。
曲を重ねていく毎に会場を包み込む熱気は増幅し、これぞというロックンロールを叩き込んでいったザ・クロマニヨンズ。ちょっとやそっとでは到達できないピークを保ち続ける強靭なバンドによるステージ。だからこそオーディエンスは冷めることなく没頭でき、最高のロックンロールを浴び、明日への活力をもらえる。
「また絶対にやろうな」と甲本が、「またね」と真島が口にしてステージを後にしたが、いや何度でも、と素直に答えたい素晴らしき時間だった。
取材・文◎ヤコウリュウジ
撮影◎木村泰之
■<中津川THE SOLAR BUDOKAN 2022>
会場:岐阜県中津川公園内特設ステージ
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