【インタビュー】BAND-MAID、“らしさ”と“新しさ”満載のEP『Unleash』完成「文字通り解放っていう感じの作品になった」
EPを超えたEP。BAND-MAIDが9月21日に世に放つ『Unleash』はまさにそんな1枚である。EPという作品形態について「収録曲多めのシングルとか、ミニアルバムみたいなものでしょ?」などと思っていたら大間違いだ。全8曲収録のこの作品の濃密さはいわゆるフルアルバムに匹敵するものだ。
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敢えて言うなら往年のアナログ盤LPを思わせるものでもあり、いくつか既発表曲も含まれているものの、そうした各曲にもこの場での存在理由が強く感じられる。バンドは先頃、ひさしぶりの有観客形式での国内お給仕(ライブの呼称)を完遂しているが、このインタビューは彼女たちがそれに向けての準備に勤しんでいた8月某日に行なわれたものである。その一部始終を、ノーカットでお届けしよう。
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■いろんな表情を楽しめる飽きない1枚になっている
──まずはどんな作品ができたと感じているのか、全体的な感触を聞かせてください。
KANAMI(G):今回は、私的には「新しいなあ」と感じられる曲が揃ったかなと思っていて。毎回何かが出るたびに同じようなことを言ってるかもしれないですけど、BAND-MAIDらしさもありつつ、自分たちの新たな一面も見ていただけるEPになっているかな、と。
SAIKI(Vo):そこについては同感ですね。ここから世界征服の第二弾というか第二章を始めたいという気持ちを込めているんですけど、いろいろな意味でそれに相応しいものになっていると思うし、皆さんの期待に応えられるEPになったんじゃないかな、と思ってます。
小鳩ミク(G,Vo):そうですっぽね。『Unleash』というタイトルどおり「解放」という意味なんですけどっぽ、まさにそれがぴったりな楽曲たちが揃ったなあと思ってますっぽ。やっぱりコロナ禍でもやもやしてたりとか、そういうのを解き放つような曲ばかりというか、やさしい曲はひとつもないので(笑)。これだけ激しい楽曲のみが集まったものというのは久々だし、文字通り「解放!」っていう感じの作品になったと思いますっぽ。
──今、気持を解き放つと激しくならざるを得ないということですね?
小鳩ミク:そうですっぽね!(笑)
AKANE(Dr):1曲目がインストは初のことで、そこがまずアピールしたいポイントのひとつですね。そのインストから最後まで、全曲テイストが違うというか、激しくて盛り上がる系という意味では同じでも、テクニカルなもの、聴かせるものも入っているので、いろんな表情を楽しめる飽きない1枚になっていると思います。
MISA(B):これは毎回のことではあるんですけど、1曲1曲それぞれに個性が強くて。あと、音は攻撃的だったりするんですけど、速い曲についてはBAND-MAIDにしては「超速い!」というわけではなく……。
SAIKI:無闇なスピードの更新はしなかったね。
小鳩ミク:でも、普通に考えれば速いは速いっぽ(笑)。
MISA:とはいえBAND-MAIDとしてはそこまで極端には速くない。だから落ち着いて弾ける感じの曲も多くて。また曲の種類が増えたというか、幅が広がったなって実感してます。
──「Unseen World」と同様に、“らしく”もあり“新しく”もあるということですね。しかもまたさらに武器が増えているというか。
MISA:はい、そういうことです!
──このEPから「Unleash!!!!!」が先行リリースされましたが、ミュージックビデオはアニメーションとの合体による画期的なものでした。反響もすごかったですね!
小鳩ミク:そうですっぽね。しかも反応の広がりがすごく速かったですっぽ。
SAIKI:プレミア公開を設定した時点からコメントをたくさんいただいて……。
小鳩ミク:私たちもそのコメントで指摘されて気付いたんですけど、新曲のミュージックビデオという意味では「Sense」以来約10ヵ月ぶりだったんですっぽ。自分たちとしてはそんなに時間が空いたという感覚がなかったので「あ、そんなに久々だったんだ!」って驚きましたっぽ。アコースティックの限定シングルとか映像作品も出ていたので、新曲を出してないって感覚がなかったんですっぽ。でもご主人様お嬢様(ファンの呼称)にとっては本当に久々の新曲だったので、すごく首を長くして待っててくださったんだろうなと思いましたっぽ。特に私の場合、cluppoもやっていたので、なおさら久しぶりっていう感覚がなかったですっぽ。
AKANE:今の話を聞いて「そんなに経ってたの!」って自分でも思いました(笑)。
KANAMI:なので……待っていていただいて、ありがとうございます!
──前回、BARKSでは小鳩さんとSAIKIさん、KANAMIさんのお三方に、「Unleash!!!!!」のこと、それが世界征服第二章の始まりを飾るべき曲として作られたものだという話をお聞きしましたが、それに伴う映像がアニメーションだというのにも興味深いものがあります。
SAIKI:そうですよね。まさか実現できるとは思ってなかったんですよ、私たちも。ただ、前からみんなでずっと言ってたんです。「アニメになりたい!」って(笑)。というのも、自分たちの個性もこれだけ確立されてきているので。
AKANE:うん。キャラクターになりやすいんじゃないかって話してましたね。
SAIKI:実現したのはもちろん、とても素敵に描いていただけたので嬉しかったです!
小鳩ミク:ホントにとても細かいところまで描かれていて。最初にSAIKIと2人で制作スタッフとのオンライン打ち合わせがあったんですけど、その時点ですでにそれぞれのメンバーの個性について調べ尽くされていて。たとえばKANAMIがSAIKIのことを大好きだったりすることとか、AKANEが変顔することとか(笑)。私たちが説明する前にいろいろ調べてくださっていて、そこからさらに詳しく掘り下げてくださったんですっぽ。
──リサーチが行き届いているのは、アニメの中でお酒を飲んでいるメンバーがいることからもよくわかります。
MISA:ずーっと飲んでますよね、私(笑)。
小鳩ミク:AKANEはバナナ持ってふざけてたりするし。
AKANE:感動しちゃいました。よく調べ尽くされてるなあ、と。
SAIKI:KANAMIは私を見る目がハートになってるし。
KANAMI:きゃー(笑)!
小鳩ミク:何度かZOOMでのやり取りを経て、直接お会いしてお話させてもらったり、衣装も細かいところまで写真に撮影してもらったりもして。「靴はどういうのを履いてるんですか?」とか。楽器もそうですっぽね。
SAIKI:楽器はホントにすごい細かいところまで描かれてるよね!
小鳩ミク:絵柄まですごく完璧に再現してくださってるんですっぽ。
SAIKI:アクセサリーとかまでしっかり描かれていて。アクセについての資料も欲しいってことだったので、こちらからちゃんと写真も送ったんです。とっても素敵に作り上げていただいたので、すごく嬉しいです。
──しかも改めての自己紹介みたいな意味合いも含まれたビデオになっていますよね。このアニメの登場人物たちが実在していて、これから攻撃を仕掛けていく。BAND-MAIDのこれまでをよく知らない人たちにもそれが伝わるものになっていると思います。
SAIKI:そうですね。自分たちもあの映像ができあがったことで改めて気合が入りましたし、まさに「そうそう、欲しかったのはこれ!」っていう感じ(笑)。
小鳩ミク:それぞれ1人ずつ出てくるシーンが最初にあるじゃないですかっぽ。あれがそれぞれ過去のミュージックビデオのシーンにリンクするものになっていて。そうやって今までの歴史も感じられるものになっていたので「ああ、すごいっぽ!」となりましたっぽね。
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