【鼎談・後】鮎川誠(SHEENA & THE ROKKETS)×ジョニー・ダイアモンド&ナオ(首振りDolls)、生き様で示すロック礼讃

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鮎川:首振りDollsっていいやん、ニューヨーク・ドールズみたいで。

ジョニー:おぉ! まさに首振りDollsのドールズはそこなんです!

鮎川:うんうん、分かるよ。サウンドも最高たい。最高のロックやん!

ジョニー:嬉しいです!

ナオ:本当に最高に嬉しいです! ロックンロール・ゴッドにそんなこと言ってもらえるなんて!

ジョニー:最高です! 頑張れます、俺!

ナオ:本当よね。鮎川さんの言葉一つ一つは、本当に大切なメッセージやなって思う。“みんな憧れのロックバンドに憧れて、それに近付こうと頑張る”って、さっき鮎川さんがおっしゃってたけど、ジョニーのギターも鮎川さんへの憧れで形成されているし、私自身、ステージで着物を着て歌ってるのは柴山さんへの憧れだし、ステージで髪を大きく立ててるのはシーナさんへの憧れでもあるんです!

鮎川:ありがとう。でも、みんなそうだよね。みんなそういう憧れから繋がれていってる。俺もそうやし、ミックもそうやし、キースもそうやし、もっと言うなら、神様ボブ・ディランだってそうだと思う。全部同じ音楽だからね。みんな憧れから繋がっていってる。それは、ナオもジョニーも俺もミックもキースもエリック・クラプトンもみんな一緒。それがロック。けど、自分が人にとってそういう存在になれてるのは嬉しいことだね、それ。ありがとう。

ナオ:いえいえ、ありがとうって言わなくちゃいけないのは私達の方です! 鮎川さんにはたくさん貰ってるものがあるんです。

鮎川:スピリットを受け継いでくれてるわけやね。ありがとう。でも、そうだね、九州のロックはルーツのあるロックン・ロールかもしれないね。たしかに、福岡はこだわりもんが多かったから、そういう意識が強いかもね。

ジョニー:ルーツってすごく大事だと思うんですよね。個人的に、ルーツを感じない音楽って好きになれないんです。そこはすごく大事なところだと思うから。僕も九州に居た頃、最初にロックの衝撃をもらったザ・ルースターズの前身バンドの人間クラブのボーカルだった南浩二さんがやってるお店によく行ってて、南さんからサンハウスを教えてもらったんです。KISSも南さんに教えてもらったんですけど、南さんに“1番好きなバンドは何ですか?”って聞いたときに、“サンハウス。サンハウス知らんの?”って言われて、ボロボロになるまで聴いたサンハウスの『有頂天』を見せてもらったんです!

鮎川:おー、そうね。伝道師になってくれとんやね。それは嬉しいね。

ジョニー:自分が知らない音楽を教えてくれる人の存在って、本当に大切だなって思うんです。本当にありがたいなって思う。“うわぁ、教えてくれてありがとう!”ちなるんです。

鮎川:そうよね。嬉しいよね。見つける喜びもあるよね。シーナもサンハウスを見つけてくれたんだけど、本当に見つけてくれてありがとうって思った。その頃俺たちは、川端のヤング・キラーっていうダンスホールでハコバンやってて、毎日40分のステージを2バンドで4ステージ任されとったからね。そこでシーナと出逢ったんよ。シーナは、全国いろんなバンドを見て回って来た中で、たまたま見つけてくれたサンハウスが、1番良かったって言ってくれて。嬉しかった。

──逆に、シーナさんも見つけた喜びが大きかったと思います。

鮎川:そうね、その喜びもあるよね。世の中にはたくさんの音楽があるからね。俺自身、好き嫌いもあるから、聴かず嫌いで聴きそびれた音楽もたくさんあるとは思うけどね。いっぱいいい音楽には出逢った方がいい。

ナオ:本当に、逢えて良かったって思える音楽ってありますもんね。憧れがルーツを作っていくと思うから。そういえば、ずっとジョニーが鮎川さんに会ったら言いたいって言ってたことがあって。私たちの曲で「渇いた雨」っていう曲があるんですけど、ジョニーが当初この曲を作っていたときに、イントロのフレーズが、サンハウスの「スーツケースブルース」以上のものが出て来なかったみたいで、そこのフレーズをオマージュとして使いたい言って来て。


ジョニー:そうなんです! ずっと鮎川さんに会ったら“フレーズをオマージュとして使わせて頂きました!”って伝えたかったんです! 叱られるかなぁ、、、、ってちょっと恐々ではありますが、、、、。

鮎川:そんな全然! 逆に嬉しいことだし、それが出来るロックバンドって、すごくお洒落だと思うよ。知ってる人しか弾けないことやし。それを知ってるってことやからね。俺だってクラプトンやピーター・グリーンをなぞったからね。50年前のB.B.キングも50年後のB.B.キングも同じなんよ。いくつかのフレーズで良い。俺はそげん思っとる。歌が求めたときに、側でギターを鳴らせれたらいい。それがギターの役目やけん。それに、同じ曲でも歌い手が違うだけで違う曲になるし、聴いてくれた時点でその音楽はその人のものになるからね。それを引き継いでくれたことが嬉しいし、何よりも、見つけてくれたことが嬉しいよ。ありがとう。

ジョニー:ありがとうございます! そんなふうに言ってもらえるなんて想像していなかったから、なんか、嬉しさがすごいです。

ナオ:やっぱり鮎川さんすごいな。本当にすごい。人間的にも憧れる。

──鮎川さんやシーナさんの人柄も、サウンドに出てるんだろうなって思うよね。

ナオ:本当にそう思う。私、ライブを見て涙が出たのって、シーナ&ロケッツが初めてだったんです。

ジョニー:そう。高塔山のジャムのとき。俺も泣きました!

ナオ:サウンドもライブも本当に最高だったんですけど、シーナさんが、“夢を諦めないで!”ってステージで叫んだんです! そのとき、首振りDollsを始めて2、3年くらいの頃だったんですけど、勝手に自分に言われてる気がして、めちゃくちゃ泣けてきちゃって。

鮎川:ありがとう。

ナオ:おこがましいんですけど、勝手に受け取っちゃったんです、北九州のバンドとして。勝手にバトン受け取っちゃったんです!

鮎川:応援しとるけ、頑張り。シーナもきっと天国から応援しとるよ。“やっちゃり!”って、言いよる。

ジョニー:嬉し過ぎます!

ナオ:東京に出て来て1年なんですけど、世の中にコロナが蔓延してしまって、勝負かけに来たのに何も出来ない状況になってしまって、大変は大変なんですけど、そんなことでへこたれていられないなって。ロックンロールはこんなことで辞められるもんじゃないから。

ジョニー:頑張ってやり続けないとね。

鮎川:そう。代わりはおらんけんね、俺たちの。

ナオ:そうですよね! 頑張らなくちゃ!

鮎川:やっぱり生きたライブが1番だからね。


──7月4日も、コロナで流れてしまった“シーナの日(4月7日)”の振替公演を下北沢GARDENでされてましたよね?

鮎川:そう。最高だったよ。やっぱり、生きてるんだ! って実感出来たくらい最高に楽しかったし、嬉しかった。ギターが弾ける! 俺たちの曲はやっぱりいいな! って思えたんよ。LUCYの歌も最高やったしね(LUCY MIRROR=シーナ&ロケッツのゲストボーカルで鮎川誠とシーナの三女。元・DARKSIDE MIRRORSのボーカル&ギター)。シーナとは全然違うとこで、“私の歌!”っていう感じでガーッと来るんよ。おぉ、そう来るか! って受け止めながらライブやったんけど、それが最高やった。奈良も褒めてくれたんだけど、最高のロックが出来たよ。4ヶ月という空間が一瞬にして埋まったからね。40年一緒にやって来た40年分の感覚が即座に戻ったというか。それが本当にものすごく嬉しかった。

ナオ:体が覚えてるんですね。

ジョニー:刻んで来た歴史ですもんね。

ナオ:ロックって、生き様ですね。あーもー、話しても話しても話し足りないです! ジョニーもいっぱい聞きたいことある、話したいことあるって言ってたのにね。

ジョニー:鮎川さん目の前にしたらやっぱり偉大過ぎて緊張しちゃって、全部飛んじゃったんです!

鮎川:あははは。大丈夫。楽しかったし、またいっぱい話そ。

ナオ:あーなんて幸せな言葉! 

ジョニー:もうこれ以上はないですね。『有頂天』と『仁輪加』のLPにも“ジョニー・ダイアモンド”って名前入りのサインまでもらって、北九州の奴らに自慢したいです!

ナオ:良かったね、ジョニー。鮎川さんから今日もらった、“今、やるかやらないか”っていう言葉と、今日のこの時間は、本当に今の自分にすごく響きました。ありがとうございます! 

鮎川:そう。“今”やることに意味があるから。“今”やることをやらないと、絶対に後悔するから。首振りDollsも東京に来たんやから、“今”やらんと。くよくよしとらんと、目の前のこと、今やるべきことを精一杯やらんね。本当に応援しとるけん。また一緒にステージに立とう。

ジョニー:嬉しいです! 本当にそんなこと言ってもらえるなんて! 頑張ります!

ナオ:また一緒にステージに立って頂ける日を目標に頑張ります! 本当にありがとうございました!

鮎川:こちらこそ、ありがとう。

取材・文◎武市尚子
写真・映像◎DOLL RECORDS Co., Ltd.


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◆鼎談動画・画像

■リリース情報

■STUDIO LIVE DVD 3.22.202『THE ROCKY GLAM DOLL SHOW II』
発売中
¥3,500(税込)
約60分のライブ映像に、スペシャルインタビューとオフショット映像が収録された大満足の1枚! 未発表新曲もあり!

■STUDIO LIVE アルバム3.22.202『THE ROCKY GLAM DOLL SHOW』
発売中
(新MV「リトルサマーベリーオレンジミルク」収録アルバム)
¥3,000(税込)

■配信ライヴ『首振りDolls 新宿LOFT one-man show〜CELL No.10〜』

2020年8月23日(日)
主演:首振りDolls
配信時間
20:00〜
チケット価格¥3,000-(+手数料)
購入はこちら
https://loft-prj.zaiko.io/_item/328079
投げ銭あり
アーカイブ視聴有り(3日間)

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