【ライブレポート】亜沙、自身の魅力が詰まったバースデーワンマンライブ

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和楽器バンドのベーシストであり、シンガーソングライター、ボカロPとしても活動している亜沙のバースデーワンマンライブ<平成最後の駅前で>が12月16日に大阪・YES THEATERで開催された。

◆ライブ写真(13枚)

毎年恒例となっているこのバースデーライブだが、今回は初の大阪単独開催ということもあり、チケットはソールドアウト。その中で幸運にもチケットを手にすることができた幅広い層のファンが、亜沙を祝うために駆け付けた。

観客が手にした赤いペンライトが幻想的な光景を作る中、サポートメンバーの広末慧(G)、横浜利憲(G)、優一(Dr)、村田祐一(Mani)に続き、大歓声に迎えられて亜沙が登場。SEとして流れていた「カントリーロード」をアコースティックでワンコーラス披露したあと、祝宴がスタートした。


9月にリリースしたセルフカバーベストアルバム『1987』収録の新曲「黄昏昭和の駅前で」を皮切りにしたライブは、序盤から熱狂的な盛り上がりを見せていく。にも関わらず、「亜沙バンドです。すごい盛り上がりですね~! 今日もとってもいいライブでした!」と早々に終了の挨拶を行い、観客から「早い!早い!」とツッコミを受ける場面も。「これを言わないと。お約束なんで(笑)」と笑顔を見せる亜沙は実に楽しそうだ。

「水を飲むから慧さんを見ていて。この緩さ、和楽器バンドにはない感じでしょ?」と話したように、合間のMCでは緩く自由なトークを展開。和楽器バンドでは他のメンバーがやるからという理由で会場に向かって女性、男性と分けて呼びかけたり、メンバー紹介時には、「大阪弁でしか喋ってはいけない」、「横文字を使ってはいけない」などの制約を設け、サポートメンバーを翻弄していた。


その一方で、ひとたび演奏に入ると雰囲気は一変。クールにベースを弾きながら、時に柔らかく、時に力強い歌声を響かせ、観客を楽曲の世界へと誘っていく。バンドバージョンでは初披露となる「未来ページ」では、ベースを置きボーカルに専念。この日集まってくれた人たちに出会えたことの感謝を伝えるように思いを込めて歌い、ボカロPとしての代表曲「吉原ラメント」では最後のサビ部分の歌詞の一部を“大阪”に変えて歌うサービスで観客を喜ばせていた。

最新アルバムを中心に初披露曲満載となった楽しい時間は瞬く間に過ぎ、「歌ってくれますか?」の呼びかけにサビで合唱が起きた「未来世ライフ」で本編は終了。しかし、一体感と幸福感に包まれたライブはこれで終わるはずもなく、求める声に応えてアンコールへと突入する。


そのアンコールではサプライズが。「聞いてください、stardust」という亜沙の言葉で曲に入るはずが、流れてきたのは「Happy Birthday to you」のメロディ。さらに、スタッフがケーキを持ってステージに登場し、2日早いながらも亜沙の誕生日をみんなで祝う。このタイミングに亜沙も、「ここですか!」と驚きを隠せなかったが、笑みを浮かべ、「改めましてありがとうございます。31歳になりました。誕生日を祝ってもらうって嬉しいものですね」と笑顔を見せた。

そして吉原ラメント以前にボカロPとして発表していた楽曲、「stardust」を感情豊かに歌いあげ、ラストの曲は「To be continued」。歌詞の裏テーマは、夢破れていったバンドマンへの鎮魂歌だという。


「自分も17歳のときからバンドを始めて、8~9年ぐらいアルバイトをしたりしながらバンドを続けていたけど、大人になっていろいろな事情で音楽を辞めていく人が増えていく中で、今、亜沙バンドでギターを演奏してくれている横浜さんが“音楽を辞めていく仲間がたくさんいるけど、自分は俺の分も音楽頑張って続けてくれよっていうバトンをもらった気がする”という話をしてくれた。その言葉がとても素敵だなと思って、自分のこと半分、バンドを辞めていった仲間達に向けて歌ったのが半分。そんな大切な歌です」というアルバム書き下ろしの新曲で祝宴の幕を閉じた。

自分の生まれ年を冠したベストアルバム『1987』を発売し、今までのことを少し振り返りながらも、いくつになっても初心を忘れず音楽活動を続けていくとファンの前で約束。暖かい空気に包まれたバースデーライブとなった。

写真◎堀 卓朗

セットリスト

カントリーロード
01.黄昏昭和の駅前で
02.切望フェイクスター
03.砂漠の雪華
04.天使の歌
05. nameless silent
06. 道玄坂ネオンアパー
07.未来ページ
08. 鏡の中のメモリーズ
Band session
09.千本桜
10.明正フィロソフィー
11.木洩れ日メロウ
12.浮気者エンドロール
13.吉原ラメント
14.色恋
15.未来世ライフ
--ENCORE--
Stardust
To be continued

support member:広末慧(G)、横浜利憲(G)、優一(Dr)、村田祐一(Mp)

亜沙セルフカバーベスト『1987』

2018年9月19日 発売

■初回限定盤(2CD+DVD+栞封入6種のうち1種ランダム封入)¥3,800
■通常盤(2CD )¥3,000
発売元:エグジットチューンズ株式会社  
販売元:株式会社ポニーキャニオン

[DISC1]
1.stardust(新録)
2.吉原ラメント
3.星詠みエンドラヴァー
4.池袋黄昏ナイトクラブ
5.明正ロマン
6.哀愁レインカフェテリア
7.新宿ソリチュード
8.鏡の中のメモリーズ(新録)
9.東京デイブレーク
10.砂漠の雪華(新録)
11.浮気者エンドロール
12.道玄坂ネオンアパート
13.六本木ベイビィバタフライ
14.上海ラヴァー
15.心象スノーホワイト(新録)
16.未来ページ(新録)

[DISC2]
1.背徳シュガー ※しゅーずアルバム「Shoose Case」収録(書き下ろし曲)
2.色恋 ※浦島坂田船アルバム「CRUISE TICKET」(センラ)収録(書き下ろし曲)
3.天使の歌 ※PS Vita用ソフト「Caligula-カリギュラ-」収録(書き下ろし曲)
4.黄昏昭和の駅前で(書き下ろし新曲)
5.To be continued(書き下ろし新曲)
6.木漏れ日メロウ(書き下ろし新曲)
7.吉原ラメント 亜沙 feat.小林幸子 ※Bonus Track
▲初回盤ジャケット

▲通常盤ジャケット


◆亜沙 オフィシャルサイト
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