【音踊人 56】アクメ、1stワンマンで完全燃焼(めろりずむ♡)

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2018年5月5日に渋谷TSUTAYA O-WESTで結成一周年を記念し初のワンマンを行ったアクメ。そのワンマンライヴの様子をレポートしてみようと思う。

◆ライブ画像

「架空の世界の不良少年」がコンセプトのアクメらしく、オープニングは教室に見立てたステージセットでメンバーが席に着いているところから始まった。先生役に役者の佐藤輝を立て、彼の呼びかけに対してメンバーが不良っぽく返事。「バンドだけはまじめにやるよ~」というような発言をし、一人ひとりが演奏準備に向かう設定となっていた。ちなみに各自でカスタムしたと思われる上履きを履いていたのだが、特にCHISA(Vo)の上履きがカラフルでスタッズがつけられていてとてもおしゃれだった。

体調不良により療養休暇を取っていたRIKITO(B)もこの日は無事フルでステージに立つことができそうで、メンバーもファンも暖かく迎えている空気にほっこり。寸劇が終わりライヴが始まると、和やかだった雰囲気とは打って変わって「ROTTEN ORANGE」や「マグロ解体チェーンソー」などハードな曲を連発し、空気がガラリと変わっていった。「ROTTEN ORANGE」ではオレンジのかぶりものをしたダンサーがステージに現れ、その場を盛り上げていた。CHISAが観客を煽るたびに、曲に合わせた高速の折りたたみや拳ヘドバンなど、所狭しと暴れまくる観客のボルテージもどんどんと上がっていっていた。その光景を見ていた私はアクメとファンの一体感に感動した。

中盤ではHAL(Dr)のドラムソロがあり、迫力のあるドラムを轟かせたあと退場していったのだが、ステージ袖に帰る途中でHALが倒れるという謎の展開も挟まれていた。その時どこからか天の声が「ここで諦めたらだめだ」というような語りかけをし、またちょっとした寸劇が始まった。天の声の正体は、HALの本当のいとこだというミュージカルダンサーの令ちゃん。令ちゃん扮する女学生の呼びかけに立ちあがり2人で歌いながらミュージカル調の劇をして倒れたHALは救われたのだった。唐突に茶番劇的なものが始まって戸惑ったが、感動的なシーンのようにまとまっていたので案外違和感がない。その後、救われたドラムの元にRIKITOが「邪魔するで~」と言いながらステージに出てきてリズム隊セッションをし、厚みのある音を会場内に響かせていた。楽しそうな2人の姿を見て、本当に復活できてよかったなあと感じることができた。

その後、将吾(G)とCHISAもステージに戻ってきて後半のライヴがスタートした。ライヴ後半には将吾のギターソロ曲もあり、ソロ以外でもにこにこしながら客席を見渡して演奏している姿が印象的だった。さらに逆ダイ曲や客席を半分に分けてぶつかり合うウォール・オブ・デスなどが盛り込まれていて、激しさ満点だった。ウォール・オブ・デスでは犬のお面をつけた人が中央に現れモッシュを煽ったり、天井からCHISAいわくAmazonで600円だという犬の形のアルミ風船が降ってきてそれを客席とCHISAで投げ合いしたりと小さな演出にもメンバーのこだわりが見て取れた。


ゴリゴリのロック色強めの曲が多いアクメだが、実は聴かせる系の曲も何曲かあるところがアクメのいいところだと思っている。HALがドラムを離れ、繊細なキーボードの音色を弾く「MELODY」は合唱曲のようなテイストの箇所があり、ファンが「ラララ」で歌う上からCHISAが曲を歌うという掛け合いの場面も。とてもハーモニーがきれいでライヴ終盤にふさわしい1曲だった。

感動的な空気の中メンバーが退場していったが、客席からアンコールがかかりステージに戻ってきた。アンコール曲はサークルモッシュもあるアップテンポの「テバナシライダー」だった。会場をぐるぐる駆け回るファンたちの楽しそうな顔で埋め尽くされていた。「アンコールもっとやりたくてももう曲がないんだよ」とCHISAがいうほど1stワンマンで完全燃焼したアクメ。これからもっとおもしろくなりそうだと思っているので、今後の活躍も期待したいと思っている。


写真◎山本貴也

◆ライブ画像

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