フェンダー、ジョージ・ハリスンやジミ・ヘンドリクス・モデル、トラベルギターやウクレレなどNAMM発表の新製品をお披露目
フェンダーがSUMMER NAMMで発表した2017年下半期の新製品を国内でお披露目、ジョージ・ハリスンやジミ・ヘンドリクスのシグネイチャーモデルやCustom Shopの30周年記念モデル、トラベルギターやウクレレなど数多くのモデルが登場した。一部発売済みのものもあるが、多くの製品は発売日は未定。記載の価格はいずれも税別となっている。
▲左から、カントリー・ミュージックのスーパースター、ブラッド・ペイズリーの「Brad Paisley Road Worn Telecaster」、ジミ・ヘンドリクスのJimi Hendrix Monterey Strato Caster、レディオヘッドのエド・オブライエンの「EOB Stratocaster」、ジョージ・ハリスンの「George Harrison Telecaster」。
発表以来話題となっているのが、シグネイチャー・モデル。中でも最も問い合わせが多いのが、ジミ・ヘンドリクスとジョージ・ハリソンのシグネイチャー・モデルだという。
「Jimi Hendrix Monterey Strato Caster」は、ジミ・ヘンドリクスがステージ上で燃やしたことで知られるモデルの復刻。ジミが手でペイントした絵柄をプリントで再現しており、150,000円というリーズナブルな価格でも人気を集めている。
ジョージ・ハリスンの「George Harrison Telecaster」(350,000円)は、通常指板にのみ使われるローズウッドをボディからネックまで使用したオール・ローズウッドのモデル。フェンダーの歴史でも68年のジョージ・ハリスン用に作ったもののみ。ビートルズのゲット・バック・セッションで使われ一躍有名になったモデルの復刻モデルとなる。世界で1000台のみの限定モデル。
▲写真左はモンタレー・ポップ・フェスティバルでジミ・ヘンドリクスがギターを燃やしたステージの50周年を記念した限定モデル。写真や映像でしか見ることができないデザインを再現。写真右はエド・オブライエンの「EOB Stratocaster」のサスティナー。バイオリンのように続くサウンドがカンタンに実現できる。
レディオヘッドのエド・オブライエンのシグネイチャー・モデル「EOB Stratocasster」(170,000円)は、ネック寄りにサスティナー・ユニットが内蔵されたモデルで、スイッチを入れると単音でも和音でもほぼ無限のサスティーンを実現。初期状態でサスティナーが搭載されているのは、フェンダーではこのモデルが初めて。プロ・アーティストからの問い合わせが非常に多いモデルとのこと。
▲上段左から2017 LTD TWISTED TELE JOURNEYMAN RELIC(Aged White Blond)、2017 LTD "'64 SPECIAL" STRAT - RELIC、2017 LTD '50S TELE THINLINE - RELIC、2017 LTD ARTISAN THINLINE KOA STRAT - NOS、下段は2017 LTD '59 STRATOCASTER - HEAVY RELIC(Aged Olympic White)、2017 LTD TWISTED TELE JOURNEYMAN RELIC(Wide-Fade 2-Color Sunburst)、2017 LTD '59 STRATOCASTER - HEAVY RELIC(Aged Sherwood Green Metallic)、FOUNDERS DESIGN ESQUIRE。
フェンダーのトップラインであるCustom Shopからも多数のモデルが登場。1987年のCustom Shop誕生から30周年のアニバーサリーを記念して、すでに引退したマスター・ビルダーが一時的に復帰し、製作したスペシャルなモデルが揃った。
▲「FOUNDERS DESIGN ESQUIRE」はバーズアイの美しいネックや本機のために作られたピックアップなどを採用。
ビンテージギターのフィーリングを再現したレリック加工のモデルが並ぶ中、注目はマイケル・スティーブンスによる「FOUNDERS DESIGN ESQUIRE」。本モデル専用に製作されたピックアップの搭載、ハンドセレクトされたサッサフラス材によるワンピースのボディ、ゴージャスなバーズアイが美しい希少なメイプルを使用したネックなど、まさにスペシャルな仕様となっている。Custom Shopのモデルは8月中旬より発売予定。
▲左からMini Strat v2、Bullet Mustang HH、Bullet Strat HSS HT、Bullet Strat HT。
フェンダーのエントリー・ブランドSquierからは、アームのないハードテイル(HT)・モデル「Bullet Strat HT」が登場(写真の右2本)。ストラトキャスターの通常の仕様とは異なりアームレス、ブリッジを固定してあるので、チューニングが安定し、弦を張ったらすぐ演奏できる、初心者が使いやすい仕様となっている。SSSモデルは21,000円、HSSモデルは22,000円。「Bullet」は初心者用のシリーズで、今回「Bullet Mustang HH」(23,000円)もラインナップされている。
さらにBullet Stratのコンパクトバージョンである「Mini Strat v2」も登場(写真左)。重量も非常に軽く、子供や女性にぴったりなモデルとなっている。「Mini Strat v2」は19,000円、Bulletシリーズは2万円台前半と低価格なのもポイントだ。Squierの新モデルはすでに発売中。
▲American Elite Stratocaster、American Professional Stratocasterの新色。
2016年にリリースされた「American Elite」の新色として、StratocasterにはOcean TurquoiseとChampagneが追加された。「American Elite」は、ノイズレス・ピックアップ、ボリュームポットに搭載されたスイッチによるサウンドバリエーションなど、モダンなスペックを盛り込んだモデル。ポットが樹脂ではなくゴムになっており、プレイ中のコントロールがしやすくなっている。また、2017年登場の「American Professional Stratocaster」にはNaturalとCandy Apple Redが追加されている。
▲多彩なアンプモデルとエフェクトを備え、Wi-Fi、Bluetoothにも対応した「Mustang GT 40」(左)と「Mustang GT 200」(右)。
モデリング・アンプのMustangシリーズにはWi-Fi機能を内蔵した世界初のアンプとなる「Mustang GT」シリーズが登場、5月より発売中だ。フェンダー歴代の名機からマーシャル、ボックスなど多彩なアンプサウンド、エフェクターを搭載。Bluetoothスピーカーとしても使用できるほか、スマホアプリからBluetooth経由で各種コントロール、プリセット管理が行えるのもポイントだ。
アーティストが制作したプリセットが配布されているのも大きな魅力。現在、ジョー・ボナマッサ、ゲイリー・クラーク・ジュニア、INORAN(LUNA SEA)、(L’Arc~en~Ciel)、山内総一郎(フジファブリック)らのプリセットが利用できるようになっている。「Mustang GT」のサウンドとスマホによるプリセット管理はプロのアーティストにも好評で、星野源のツアーに参加している長岡亮介はすでにステージで使用中。ステージ袖でスタッフが曲ごとにプリセットを切り替えて対応しているとのこと。価格はGT 40が28,800円、GT 100が50,000円、GT 200が72,000円。
▲1万円で買える小型・軽量の新ラインナップ「Venice Soprano Ukulele」。カラーはBlack、Cherry、Naturalの3色。
ギター、ベース中心のフェンダーのラインナップにあって、意外と売れているというのがウクレレ。新製品はキュートなテレキャス型のヘッドを持つモデルが揃った。中でも注目は新ラインナップとなる10,000円の小さなモデル「Venice Soprano Ukulele」。カリフォルニア・ヴェニスの楽しげな風景と楽天的なスピリットにインスパイアされたというモデルだ。
▲テレキャス型のヘッドにはFenderのロゴが(左、モデルはZuma Concert)。既存のラインナップもマイナーチェンジ(右)。大きいサイズからMontecito Tenor Ukulele(32,500円)、Zuma Concert Ukulele(22,000円)、Seaside Soprano Ukulele(16,000円)。テナーサイズのMontecito Tenor UkuleleはFishmanのプリアンプを内蔵する。
このほか、コンサート・サイズやテナー・サイズなど大きめのモデルもラインナップ。プリアンプ内蔵のテナー・ウクレレをはじめ、ウクレレを始めたいというギタリストが使いやすいモデルも揃っている。
▲上段左よりパーラーギターの「CP-140SE」、「CP-60S」、ナイロン弦モデルの「CN-140SCE」。下段はトラベルギターの「CT-60S」、「CT-140SE」、ナイロン弦モデルの「CN-60S」。
海外のアコースティック・ギターにおいてビギナーの定番となっているのが、フェンダー・アコースティックのラインナップ。3万から5万円台の扱いやすいモデルが人気を集めているという。そして今回、これまでのフェンダーにはなかった“トラベルギター”が新たに登場した。
オーディトリアムボディを23.5インチにダウンスケールしたコンパクトな“Travel”シェイプの「CT」(写真下段左の2モデル)、一回り大きなパーラーボディの「CP」(上段左の2モデル)はプリアンプの有無、材やカラーなどのバリエーションを用意。ボディが薄くライブでも使いやすいナイロン弦モデルの「CN-140SCE」(右上)やCN-60S(右下)もラインナップされる。いずれも発売中。
▲フェンダー初のBluetoothスピーカー「NEWPORT」(左)と「MONTEREY」(右)。「NEWPORT」はとてもコンパクトだが、持ってみると意外とずっしり。重さは1.5kg。
フェンダー・アンプにインスパイアされたデザインが魅力のフェンダー初のBluetoothスピーカー、「NEWPORT」(24,800円前後)と「MONTEREY」(44,800円前後)は7月末に発売されたばかり。バッテリー内蔵のポータブルモデル「NEWPORT」は、3時間充電で12時間の連続再生が可能。背面のUSBポートでスマホの充電も行える。小さいながらも非常にパワフルなサウンドを聞かせてくれた。一方の「MONTEREY」は、2つのフルレンジスピーカーと2つのウーファーによる4基のドライバー構成で最大120Wとさらにパワフル。両モデルともステレオミニのアナログ入力も用意。電源ONやペアリング時にご機嫌なギターサウンドが聞けるギミックも楽しい。
▲ボリューム、トレブル、ベースが並んだハット型のノブもフェンダーならでは。「NEWPORT」は小型のものだが、「MONTEREY」は実際のアンプと同じものが使われているとのこと。
▲キャップやTシャツ、ギターケースなどのアパレルも多数登場(左)。写真右はアコギとともに展示されていたアコースティック・アンプ。手前左から「Acoustic SFX」と「Acoustic 100」、後ろが「Acoustic 200」。いずれも温かみのあるルックスで、ボーカルのマイク用入力も備えた2入力で弾き語りにも対応、エフェクトも搭載する。「Acoustic SFX」は側面と背面にもスピーカーを備え、広がりのあるサウンドが楽しめるモデルだ。
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