【人間椅子連載】ナザレス通信Vol.26「BGM」
人間椅子の「威風堂々」発売記念ツアーが終わりました。忙しい中、会場に足を運んでくれた皆さん、本当にありがとうございます。今回のライブは和嶋くんの自伝本「屈折くん」にちなんだ曲を中心に最近あまりなかったセットリストとなりました。1曲目に「鉄格子黙示録」を持って来たのは久しぶりです。デビュー当時を思い出すオープニングです。個人的には10数年振りにレギュラーチューニングで歌った「陰獣」が目玉商品だったのですが気付いていただけたでしょうか?キーが高くてきつかったので1音半下げチューニングで歌っていたのですが、歳をとって何故か最近高い音が出るようになり、元に戻しました。以前よりいい感じに歌えていると思ったのですがいかがでしたか?
さて今回のツアーは14本、約1ヶ月とかなりきつい行程でした。ライブのない日は移動で、日を追うごとに機材車の空気がどんよりとしていくのですが仕方のないことです。そんな重い空気を多少和らげるのがBGMです。運転手でマネージャーの川端くんが持って来たCDの中に渋いチョイスのものが何枚かありました。THE KNACKの1st「Get The Knack」は忘れていた一枚で懐かしかったです。「My Sharona」は世界的な大ヒットナンバーなので皆さんもご存知かもしれませんが、このアルバムは他にも「Let Me Out」「Good Girls Don't」といった名曲が収録されていてなかなかいいのです。特に「Good Girls Don't」には思い入れがあります。高1の頃聴いていたラジオ番組で小林克也さんが「いい娘はしない!Good Girls Don't!」と例のあの口調で叫んだ曲紹介が耳から離れずシングル盤を買うに至ったのです。勿論そんな邦題ではありません。今もこうして覚えているのですから35年間も耳から離れないということになります。名人の吐き出す言葉の力はすごいです。
川端くんチョイスの渋いもう一枚が今回のおすすめ盤、BAD COMPANYの「Desolation Angels」です。このバンドの代表作は大ヒットした1st「Bad Company」で2ndの「Straight Shooter」も名曲揃いですが、自分はこのやけに力の抜けたアルバムが好きです。曲の中で時々聴こえる電子ドラムの音がこの軽さを象徴しています。化粧品のポスターのようなジャケットはとてもいただけないものですが、そよかぜが吹いてきそうなこの作品には合っているのかもしれません。実際重苦しい空気の機材車にこのCDが流れた時だけカリフォルニアのさわやかな風が吹き抜けたような気がしたのでした。いや、BAD COMPANYはイギリスのバンドか。
いつも助手席に座らせてもらってCD係を仰せつかっている自分ですが、今回のツアーはぐったりしてCDを替えるのも面倒くさくなって、同じものを何回もリピートさせてしまうというていたらくでした。JIMI HENDRIXの「Are You Experienced」を3周、LED ZEPPELINの1stを4周させて、ついには後ろに座っている和嶋くんから苦情がきてしまいました。DJ失格です。
今回のマイベストテープ~爽やかな風が吹いてきそうな曲
A2.Hot Dog / LED ZEPPELIN
A3.Whisky In The Jar / THIN LIZZY
A4.'39 / QUEEN
A5.Anyone For Tennis / CREAM
B1.Place In Your Heart / NAZARETH
B2.Us And Them / PINK FLOYD
B3.Matte Kudasai / KING CRIMSON
B4.Rolling Home Again / BUDGIE
B5.Looking For Today / BLACK SABBATH=
ライブ盤(CD2枚組)「威風堂々~人間椅子ライブ!!」
・初回限定盤(2CD+DVD)/品番:TKCA-74474/価格:¥4,500(税込)
・通常盤(2CD)/品番:TKCA-74475/価格:¥2,800(税込)
収録曲・・・2016年度ワンマンツアーよりピックアップ!全25曲収録
初回限定盤 DVD内容・・・2016.7.10 新宿ReNY ライブ模様を全曲収録
和嶋慎治の自伝本「屈折くん」
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◆【連載】人間椅子 鈴木研一の「ハードロック喫茶ナザレス」まとめ
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