【インタビュー】Mighty Crownは、サウンドクラッシュでなぜ勝ち続けることができるのか？ 船上で世界と戦うJAMROCKレゲエ・クルーズで2連覇達成

▲ボブ・マーリーの息子、クルーズの主催ダミアンマーリーと。

■ボブ・マーリーの息子、ダミアン・マーリーが主催
■海の上の楽園。レゲエのディズニー・シーだね！

ーー本イベントはDamian “Jr.GONG” Marley主催ですが、大物アーティストである彼がなぜ、このようなイベントを行なっているのでしょうか？

SAMI-T：ダミアン・マーリーは世界のレゲエの顔だし、彼はリーダーだからね。先頭をきってやってくれているんです。なんせ彼はボブ・マーリーの息子だし。レゲエの魅力を世界中に広げるDNAを受け継いでいるよね。

ーーMighty Crownはいつから出演しているのですか？

MASTA SIMON：最初のクルーズからだから、今年で3年目。サウンドクラッシュは、SAMIが1回目のクルーズで「海の上でクラッシュしたら面白いんじゃない」と、プレイ中にマイクで言ったことがきっかけになったと思う。

ーー世界に類を見ないレゲエ・イベントだと思いますが、Mighty Crownにとって＜JAMROCK Reggae Cruise＞は、どんなイベントだと捉えていますか？　また、どんな開催意義があると感じていますか？



SAMI-T：とにかく海の上の楽園。レゲエのディズニー・シーだね！

MASTA SIMON：世界中のレゲエ・ファンが同じ船の上で楽しむイベントなんてどこにもないでしょ！　本当に最高！

■ジャマイカ発祥、バトルの元祖
■勝つための最重要スキルは!?

ーージャンルを超えた音楽ファンに読まれているBARKSですので、レゲエについて基本的なことをいくつ教えてください。サウンドクラッシュというのは、レゲエ独自のスタイルなのですか？

MASTA SIMON：サウンドクラッシュは、レゲエ独自のスタイルだと思う。ヒップホップには、MCバトルやDJバトルがあるけど、それを混ぜた感じだね。

SAMI-T：基本、曲を掛け合って、マイクで相手をディスりながら自分のサウンドの味を出すというか。スリルがあって面白いですよ。

ーーサウンドクラッシュが、他の音楽ジャンルに与えている影響はありますか？

MASTA SIMON：確実にあるでしょ。

SAMI-T：バトルの元祖ですからね、サウンドクラッシュは。これはジャマイカから来ている文化なんです。最近ではレッドブル主催の「Red Bull Culture Clash」とか世界的に有名じゃないですか。ルールは少し違うけど、これなんかは完全にサウンドクラッシュ要素満載だね。

ーーサウンドクラッシュは、いつ頃から行われているのですか？　また、Mighty Crownはいつからサウンドクラッシュに挑み始めたのですか？

MASTA SIMON：今とは少しスタイルが違うと思うけど、サウンドクラッシュは70年代とか80年代からあると思う。俺たちMighty Crownは1991年の結成で、当初からクラッシュはしてるかな。

SAMI-T：俺らがクラッシュを始めたのは日本で、1993年頃じゃないかな。当時は、歌い手も現場で直接歌うっていうスタイルだったんだけど、時の流れとともに進化していって、選曲っていうかたちになっていったんです。

ーーMighty Crownは、これまでにどれくらいのトロフィーを獲得しましたか？

SAMI-T：20個以上はあるんじゃないかな？

MASTA SIMON：どれくらいだろう？　トロフィーだけで言ったら、SAMIが言うように20個以上はあるかな。そのうち世界タイトル的なのは7つ取っていて、今回の＜JAMROCK Reggae Cruise＞のサウンドクラッシュも、それくらい意味あるトロフィーだと思う。

ーーサウンドクラッシュで勝つためには、多角的なスキルが必要になると思います。具体的には、どんなスキルを身につける必要があるのでしょうか？

MASTA SIMON：喋り、客の煽り、曲（ダブプレート）の録り方と仕込み方。そして、瞬時に客を読むのと、相手への曲や、喋りの返しだね。

SAMI-T：そもそもなんだけど、まずは英語が喋れないと。世界で戦うには、語学力はマストだね。音楽スキルとしては、いかに曲を知るかということ。曲を理解していないと、マイクで何を喋るべきかがわからないからね。

ーーなかでも最も重要なスキルは、何だと考えますか？

MASTA SIMON：経験とチームワーク。

SAMI-T：あとは、音楽が心から好きかどうかだね。

取材・文●北野 啓太郎
写真●大城龍一（MCE）












◆Mighty Crown オフィシャルサイト