【インタビュー】nano.RIPE「ずっと同じことをあたしは歌い続けているから、すべての曲がアンサーソングのように繋がっているんです」
■5年やってきて自分たちが思ってきたnano.RIPEらしさというものと
■聴いてくれている人が思う「らしさ」みたいなものが共通認識として出来てきた
――インディーズ時代の楽曲である「色彩」を改めてレコーディングしてみてどうでした?
きみコ:この曲って、今歌詞を見ると予言みたいな歌だなぁと思いました。最初に書いた時は、バンドへの思いを書いたんですよ。当時ってインディーズっていう立場でやってはいたものの、何から何までほぼ自主制作でやっていたような感じで。アマチュアレベルというか。ゴールも見えないし。だけど、とにかくやりたいからやらなくちゃ!っていう思いで、悩みながら書いた曲だったんです。でもいつかきっと報われるって自分に言い聞かせるような感じで書いた歌を今読み返すと、「まさに夢みたいな夢を見てる」って1サビで歌ってるんです。その「夢みたいな夢」っていうのが今のような状態なんです。こうやってシングルコレクションが出せたり。
――ここに再録されるために作ったような曲ですね(笑)。
きみコ:そんな気もしてきますね。他にも「いつかあの子と手と手を振り合った この道の上で今きみと出会い~」っていうのは、メンバーチェンジが多かったのでそのことを書いているんです。今はこの4人になって、新しいベース、新しいドラムに出会えているから、そこも予言みたい。当時は苦しい気持ちでレコーディングしていましたけど、今は積み上げたものの上に立って、「すり減ったクツ掲げ 今日を笑い飛ばす」っていう気持ちで歌えたんです。だから、歌としてはまったく違う歌のような感じで歌いました。
――『地球に針』は新曲ですけど、いつくらいに作った曲だったんですか?
きみコ:メロディ自体は、4年前にササキジュンが書いていたものです。それを掘り起こして歌詞を書いてみたら、アレンジも含め、今作に収録するにふさわしい曲になったので、今作に収録しようと。
青山:実はこの曲、アレンジは苦戦したんです。ツアー中に作業していたので、そんなにリハにも入れず。アレンジは壮大にしようっていうことで進めてたんですが、レコーディング当日まで決まっていなくて。ギリギリまで悩んだ曲でしたね。
きみコ:リズム一つから結構悩んだよね。『七色眼鏡のヒミツ』でいろんな楽器を入れることに慣れちゃったあとだったから。
青山:そうそう。他の楽器を入れると簡単に広がりが出るから。
きみコ:4人だけの音でやりたいけど、他の音を入れたくなっちゃうよねってところで悩みましたよね。
――いろんな術を知ってしまったがために(笑)。
青山:まさにそれです(笑)。甘えが出てしまって。
きみコ:壮大にするならストリングスじゃない?ってところまで行くくらい。
――結局、バンドだけでしっかりスケール感が出てますね。
きみコ:はい。結果。バンドの音だけでスケール感を出せたので良かったです。
――突破口はなんだったの?
青山:コーラス?
きみコ:そうだね。リズムを録った段階ではゴールは見えなくて、ギターもすごく悩んで。ジュンがどんなギターを載せようか悩んでいた時に、「じゃあ、コーラスで広がりを出したらどうだろう?」って思いついて。コーラスなら誰かの手を借りてないし4人だけだし。それで今までにないくらいコーラスを入れたので。それを踏まえてギターのアレンジもしたらこんな感じに仕上がったんです。
ササキ:コードとコーラスがマッチしたという感じがこの曲はありますね。コーラスのラインが綺麗ですし、そこからギターのアレンジも作り上げることが出来たと思います。悩んだことで逆に成長出来たなと。ここまでアレンジで時間をかけた曲もなかなかないので。
アベ:今までの曲だとサビに入ったらジャカジャカやって、上でギターがずっと鳴ってて、隙間を埋める方向だったのが、この曲ではそれをしなかった。コーラスが入ったことで音を埋めなくても良かったというのもありますけど、ちょっと大人になったかなって(笑)。間を生かすことが出来たのは、この5年やってきた成果なのかなと思います。
――6周年目に向けて、nano.RIPEはどこに向かいますか?
アベ:5年やってきて、自分たちが思ってきたnano.RIPEらしさというものと、聴いてくれている人が思う「らしさ」みたいなものが共通認識として出来てきた頃合いかなぁと思うので、基本的にはその「らしさ」があった上で音楽的なものにしろ、パフォーマンスにしろ、新しいもの、僕達のアンテナに引っかかったもの、思いついたもの、なんでもいいんですけど、チャレンジしていければいいですね。
青山:これから先も長く、10周年、15周年、20周年とやっていけたらいいですよね。簡単なことじゃないと思いますが、一人でも多くnano.RIPEを愛してくれる人が増えたら嬉しいです。
ササキ:楽曲のこともいろいろ挑戦していきたいんですけど、ライヴというシーンで活動していくのは変わらずやって行きたいと思っているので、もっとたくさんの人に自分たちのライヴを見てもらえるように活動していきたいです。
きみコ:デビューした当時は、いつまでメジャーっていうところでやっていけるかっていうのは漠然としか見えなかったので、こんなにたくさんタイアップをいただけるとも思ってなかったし、5年後にこれだけたくさんの曲をリリースしているとも思えませんでした。なのに、『色彩』の歌詞みたいに「夢みたいな夢」が叶って、ほぼライヴをして生活をしているような毎日を送れている。それを5年間続けて来れたってことは、本当に何の保証もないですが、なんとなくこのままずっとやっていけるんじゃないかなって。漠然とした不安が、漠然とした自信に変わって、続けられるんじゃないかってことをより強く思うようになりました。だから、今後もライヴバンドとして止まることなく、ずっとライヴを続けられるバンドでありたいですね。
取材・文●大橋美貴子
SINGLE COLLECTION『シアワセのクツ』
初回限定盤:価格 \3,900 / LACA-35514
※初回限定盤のみMusicClip を収録したBD を同梱
通常盤:価格 \3,000 / LACA-15514
(CD)
01. 色彩
02. 絵空事
03. もしもの話
04. なないろびより
05. 月花
06. 細胞キオク
07. ゆきのせい
08. フラッシュキーパー
09. 透明な世界
10. リアルワールド
11. 面影ワープ
12. ハナノイロ
13. 影踏み
14. パトリシア
15. 地球に針
[Blu-ray Disc収録 Music Video]
パトリシア
フラッシュキーパー
ハナノイロ
面影ワープ
セラトナ
絵空事
アンサーソング
リアルワールド
ナンバーゼロ
もしもの話
ツマビクヒトリ
なないろびより
ハロー
透明な世界
こたえあわせ
こだまことだま
地球に針
ライブ・イベント情報
10/10(土) 沖縄OUTPUT
<5th anniversary program vol.3「しあわせのくつ」>
9月26日(土) 赤坂BLITZ
INFO : TEL : 050-5533-0888 (平日 12:00~19:00)
<金沢一生青春FESTIVAL 2015>
10月25日(日)[石川] 金沢市民芸術村
問い合わせ先 FOB金沢 TEL : 076-232-2424
<カヨコ Presents [cannibattle]vol.1 KAYOKO vs nano.RIPE>
2015年11月18日(水)[大阪] 心斎橋VARON
出演:nano.RIPE / カヨコ
お問い合わせ先 夢番地 TEL : 06-6341-3525
インタビュー(1)へ戻る
この記事の関連情報
愛美、新ALよりnano.RIPE提供曲を先行配信&写真集の先行カット公開
nano.RIPE、ベストALより新曲「イトシキヒビ」伊藤かな恵&きみコ Duet Ver.のMV公開
【連載】nano.RIPE きみコの「恋だの愛だの」#3
nano.RIPE、アベノブユキ(Ba)と青山友樹(Dr)が年内で脱退
【連載】nano.RIPE きみコの「恋だの愛だの」#2
【連載】nano.RIPE きみコの「恋だの愛だの」#1
【インタビュー】nano.RIPE、尊くて幸せなのに切ない永遠の愛を歌ったシングル「ライムツリー」
【連載】nano.RIPEコラム イトシキヒビ #17「仕事始め」
【連載】nano.RIPEコラム イトシキヒビ #16「全県制覇」