【連載】「藤田麻衣子の恋愛相談室」 case 14 ～賭けに出る。～

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ペンネーム：（tico/東京都/女性）

麻衣子さん、はじめまして。
ここ何日も麻衣子さんの「運命の人」「君が手を伸ばす先に」などを聞いては、まるで自分のことのようで、涙が出ることがわかっているのに何度も聞いてしまいます。

2年間遠距離恋愛した後、3年間同棲した彼に別れ話をされました。

初めは「このままいくと結婚の流れになるが、自信がなく、将来が不安だから別れたい」と言われました。

今まで普通に過ごしていたのに、突然言われた為訳がわからず、それでは別れられない、と拒否しました。
すると段々女の影が見えてきて……浮気、とまではいかないのです。
会社の上司の女性で、最近仲良くしている方なのですが、嘘をついてふたりきりでカラオケに行っていました。

彼は「上司の誘いだから断れないし、仲良くしてるだけ」と言っていましたが、気になっているのは明らかです。

その後一週間たくさん話をし、もしかしたら元に戻れるかも……というところまで行きました。

彼も、私のことが好きだ、ごめん。と言ってくれ、別れる別れないは、私の好きにして良いとも言ってくれました。

ですが、その上司の方と休みの日まで連絡とることを止めません。挙げ句、今度バンドのライブに一緒に行くそうです。ふたりきりではありませんが。

それを聞くと、結婚についての不安が嘘とは言いませんが、結局はその人が原因なんだと思い、その人をどうにか彼から離したい一心で、勝手に連絡を取ってしまいました。あくまで好意的に。

そうしたら案の定、彼は怒り、「好きにして良いと言ったがもう無理だ」と言われてしまいました。

その後は一気に立場が逆転して、仕事のこともあるから（同棲している家から私の職場が近い）、9月一杯は居て良いが、10月までに俺の気持ちが変わらなければそのまま出ていってもらう、と言われてしまいました。

彼の中ではもう別れた気でいるようです。

でもわからないのは、その日以降、多少変化はあれど普通に接してきて、私が作ったご飯も食べ、今度何処かに出掛けようか、という話もしています。私の中では10月まで1ヶ月少々しかないため、毎日不安で不安でしょうがないのですが、彼は私が話を持ち出さない限り、普通に接して優しくしてくれるのです。

しかし、今までしなかったトイレやお風呂場にまで携帯を持っていき肌身離さないところを見ると、何かを隠してるんじゃないかと思えてなりません。

思いきって今の気持ちを聞いてみようとしましたが、私のことは嫌いじゃないし気にはすると言い、「何について謝っているかわからない、ごめん」と何度も言ってくるだけで、「大切なことや内容は俺も色々考えてるさ」とだけ言って教えてくれません。

彼の言った一言一言を振り返り、毎日考えては泣いたり落ち込んだり苛ついたり……。どうしたって10月には答えが待っているのですが、それまで私はどうしたら良いのかわかりません。彼もまだ完全には決めていないようなので、どうにかすれば気持ちが変わってくれるかもしれません。

一番の望みは、彼がまた私を必要としてくれることなのですが、そのために今は何をした方が良いのか、何をしては駄目なのかわかりません。

どうか、麻衣子さんのお知恵をお借りできないでしょうか……。

あれほどまで心に響く詞を書ける方なので、私より最善の路を見つけて下さるのではないかと藁にもすがる思いで思いきってメールをしました。

こんな長々と分かりにくい文章で失礼致しました。どうしても早くお話を聞いてい頂きたく一気にメールを打ちました。どうか、アドバイスを頂けると幸いです。よろしくお願い申し上げます。

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苦しい状況ですね。全く同じではないですが、「わかる……その状態つらい……」と思いながら読みました。

うーん、客観的に感じてしまうのは、一度は離れた方がいいかもしれませんね。
（「ギャー！」って思います？？ 昔の私は、誰かにそう言われては、「ギャー無理！」って思ってました。）

彼の「好きにしていい」って、優しさじゃありませんよ。ずるいなぁと思います。離れたくないなら「離れたくない」って言います。離れたいなら、正直には言えないかもですね……。

もし関係が戻る、続けていけるとしても、一度離れてもうまくいくふたりなら、またいつでも戻れます。10月に出ていくという予定があるなら、淋しいかもしれませんが、ちょうどいいタイミングなのかなって。

出ていく話が出ていても、普通に接する、仲良くすることはできます。数年付き合っていたふたりなら自然に。私もできますよ、仮に別れ話になっていても、その話をしてない時は優しくも仲良くもできます。

ticoさんは、今まで通りにされるたび、また期待してしまうかもしれませんが、「嫌いになったわけじゃない」のと「今も惚れてる」のとでは気持ちはだいぶ違います。

離れてみると、必要なのかどうか初めてわかる時があります。同時に、泣くけど、案外もういなくても生きていける、と感じる時もあります。ticoさんも彼もそれぞれがお互いを必要なのかどうなのか、実感できるチャンスがある方がいいんじゃないかなと思うのです。なので、出ていく話が出ているなら、私はいいきっかけなんじゃないかなと思います。

悲しいけど、いつも近くにいると、届かないものに心を惹かれてしまうのはあることだと思うので、彼にticoさんのほうが必要だと実感させるには、彼を淋しくさせることも大事です。このままそばにいても、彼がありがたみも薄れて気持ちも外を向いたままの状態が続くだけで、そばにいるのに本当に淋しいですよね。

離れて自由になったら彼は向こうに行ってしまうかもしれないし、そこは賭けですが、ticoさんも新しい毎日に出ていけるんですよ。

彼と疑いのある女の人に連絡をしてしまうくらいの状態に、ticoさんをさせない人もいるかもしれません。

今が苦しすぎるなら、賭けに出てみてください。
逃げる人に置いていかれるとしばらく引きずりますが、自分から手を離せばしっかりと前に進めますよ。

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今回もたくさんのおたより、ありがとうございました！

次回の掲載は、10月9日頃を予定しています。
今まで送っていただいたおたよりに、今後お答えすることもあります。

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