【ライブレポート】BEGIN主催 <うたの日コンサート>、5000人全員参加で豪華パフォーマンスのオンパレード

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BEGINが中心となって開催される野外イベント<うたの日コンサート>。2015年で15回目を迎える本イベント<沖縄からうた開き!うたの日コンサート2015 in嘉手納>が、6月27日(土)に沖縄県 嘉手納町兼久海浜公園にて行われた。

これまでの<うたの日コンサート>は、観客に“うた”を楽しんもらう一日を作ってきたが、2015年はテーマを「“全員参加で作る“うたの日コンサート”」、「観客も出演者」とし、全員参加型の<うたの日コンサート>として新たな試みで実施された。アーティスト、観客、ステージ、客席。そんな様々な垣根をとりはらい、思い思いに歌い奏で、みんなが笑顔になれる一日に。イベントにはまさに「うたの日」の原点回帰といえるそして、ジャンルレスな面々が集まった。

オープニングMCでは、早くもBEGINが登場。ここでメンバーは、「15回目を迎えました、おめでとうございます!うたの日コンサートは生き物ですから、常に変わっていくんです。15回目ですけれど、まだ完成していないんです。まだまだうたの日に教えられる事もあります。これを毎年続けていくためにどうしていくか?次の世代にも繋いでいかなければいけないので、この15回目の節目で新たな方向性を見つけて行こうと。<うたの日コンサート>は、皆さんも“参加できるコンサート”になります。これがいろんなフェスとは違うところです。僕らはバックバンドで皆さんがアピールできる場をどんどん作っていきます。そこで思いっきり発散してください。」と話した。

トップバッターは、比嘉栄昇(Vo&G)も気になって見ていたという、沖縄の人気オーディション番組で優勝した、ボーカルユニット Sky’s The Limitが登場。バラードもアッパーなナンバーも歌いこなしオープニングに勢いをつけた。続けて、沖縄とブラジルのかけ橋になるべくして結成された姉妹ユニット 宮城姉妹がキッズダンサーと共にすると、ダイナミックなパフォーマンスを見せた。



イベントはここから初の試みへ。まずは、ハワイから“フラの部”だ。フラダンサーのバックバンドをBEGINが務め、ハワイのアーティスト ケアリィ・レイシェルの「カノホナピリカイ」(原曲:涙そうそう)で、太陽と青空を背に優雅な舞を披露。沖縄の風土とフラのゆったりとした舞いが会場にさわやかな風を届けた。続く、戦後沖縄を襲った食糧難を、ハワイに渡った移民の人々から豚を含めた物資を送ってくれたことで乗り切れたことを感謝する曲「ウルマメロディー」で、琉球國祭り太鼓が登場すると、フラとエイサー、ハワイと沖縄のコラボが見事に実現。ここでしか見られない国を超えた1シーンに心躍った人も多かっただろう。

その勢いのまま、今度は“エイサーの部”がスタート。琉球國祭り太鼓の力強い迫力あるサウンドで、BEGINの「オジー自慢のオリオンビール」、「三線の花」を。そして「島人ぬ宝」では、覆面をかぶった琉球ドラゴンプロレスのレスラーも太鼓を持ってエイサーの仲間入りをし、子供から大人まで、まさに老若男女(+プロレスラー)のエイサーはこれまた圧巻であった。

次に“ガレッジセールが登場し、“いちゃりば結大会”へ。“いちゃりば結(ゆい)”とは、沖縄の魅力をオリジナルの歌詞で伝えていく「おきうたプロジェクト」として制作されたもので、先だって行われた“いちゃりば結大会”の予選を通過した優秀者がステージに立ち、それぞれが作った“結うた”を披露して、それぞれの間とオチで会場を沸かせた。さらに<うたの日>では、初の浪曲師 澤雪絵、ブラジルと沖縄の魂を持つ21世紀の歌姫 メリッサも登場。メリッサは12歳とは思えない伸びと艶のある堂々としたパフォーマンスで会場を魅了し、BEGINもメリッサが歌う「涙そうそう」には驚いていた。

ここまででも十分、まさに垣根のない“今年のうたの日コンサート”がさらに彩りを増していった。

BEGINのメインステージ“マルシャ ショーラ第1部”には、ブラジルのカーニバルマーチ マルシャが。そこに、ショーラという八重山方言(~しようよの意)を加えた、ビギンのマルシャ ショーラを披露。打楽器の2拍子のリズムでオーディエンスも自然と揺れだした。そこに宮城姉妹や子供ダンサーも登場すると、曲にあわせた振り付けが徐々に会場全体を巻き込み、暑さをものともせず踊りまくる。これもマルシャの特徴だ。「島人ぬ宝」、「国道508号線」や新曲「バルーン」も披露され、会場が熱を持ってひとつになったところで、秦基博が登場した。


秦基博は、アコギ1本の弾き語りで「アイ」、「鱗」などを披露。熱をもった会場を静かに、そして心地よくクールダウンする。沈みかけの海岸線の太陽も静かに身をひそめる自然の演出も相まって、ステージにぐっと引き寄せられた。MCでは、「学生時代によくBEGINの曲をコピーしていた」という秦は、リクエストにより、BEGINと「恋しくて」をセッション。こんなコラボも<うたの日>ならではだ。

「<うたの日>ということで、「恋しくて」を聞くと、自分がギターを覚えたての頃、“一人でブルースってなんだろう”、って考えながら、憧れながら歌っていたのを今、思いだしました。この日の空気と風が皆さんの思い出というか、すてきな1日の彩りになってくれたらいいなと思います」。秦はそう語った後、イントロを弾いただけで歓声があがった映画『STAND BY ME ドラえもん』の主題歌「ひまわりの約束」で締めくくった。栄昇も秦の歌声に『魔法をかけられたようだね』と絶賛した。

そして栄昇プロデュースで2014年、CDもリリースした沖縄の伝説のハードロックバンド コンディション・グリーンのかっちゃん(Vo)が登壇。ハスキーな声とダンディズムな装いで、洋楽「Stand By Me」、「What a Wonderful World」などをカバーした。


本編最後は再びBEGINが登場し、“マルシャ ショーラ第2部”。今度は、日本と沖縄のスタンダードナンバーをマルシャVerで披露した。「安里屋ユンタ」に始まり、「また逢う日まで」(尾崎紀世彦)、「月がとっても青いから」(菅原都々子)など、ブラジルやチリの留学生も参加してのダンサーチームが宮城姉妹とともに会場を練り歩き、盛り上がりに拍車をかけた。そしてそのまま続けて「笑顔のまんま」と「涙そうそう」もマルシャバージョンで。最後は、今回のテーマでもある全員参加のアンコールで、出演者総勢430名がステージを所狭しと並び、客席を包むようにして、BEGINの「かりゆしの夜」を熱唱。思い思いに歌い、踊り続く。ラストは大カチャーシー大会となり、約5時間にも及んだコンサートは、最後の最後まで会場が波打った。


夏の始まりの1日を、“うた”を通したこのイベントで、子供から年配のまで家族で楽しめた、まさに全員参加の今年の<うたの日コンサート>。「“来年のうたの日までの1年、楽器やバンドを練習してうたの日に出よう!”と目指してもらえるような形にしていきたい」。そんな思いで、うたをお祝いするコンサートは続いていく。

New Album『ビギンのマルシャ ショーラ』

2015年6月24日発売
TECI-1461 ¥2,778+税
アルバムCD+DVD
■CD収録
1.O Abre Alas ※ブラジルのマルシャの代表曲
2.島人ぬ宝
3.三線の花
4.帰郷
5.風よ
6.愛が走る
7.オジー自慢のオリオンビール
8.国道508号線
9.安里屋ゆんた ※沖縄民謡
10.十九の春 ※沖縄民謡
11.鳩間の港 ※加治工勇カバー
12.旅人よ ※加山雄三カバー
13.また逢う日まで ※尾崎紀世彦カバー
14.月がとっても青いから ※菅原都々子カバー
15.いつでも夢を ※橋幸夫・吉永小百合カバー
16.流星の12弦ギター
17.YOU
18.バックミラーの潮騒
19.ハイサイCalifornia
20.笑顔のまんま
21.涙そうそう
22.バルーン
23.EstaChegando A Hora ※ブラジルのマルシャの代表曲
全曲、マルシャアレンジにて収録
■DVD収録
バルーン ※ライブ映像
2015年3月21日に沖縄・石垣島にて行われた<BEGIN25周年記念音楽公園 石垣島で会いましょう>より
マルシャ ショーラ ※ドキュメント
2014年6月29日に沖縄・東南植物楽園で行われたイベント<マルシャ ショーラ>に向けてのドキュメント映像。

◆BEGINオフィシャルサイト
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