【ライヴレポート】LM.C、7周年のツアーファイナル「最高のみなさんに最高の笑顔で迎えられて幸せです!!」
■おもちゃ箱をひっくりかえしたようなキラキラしたポップな側面と
■攻撃的にハードにふりきれた側面を合わせ持つLM.C
◆LM.C 2013.10.05@渋谷公会堂~拡大画像~
そのファイナル公演<LIVE TOUR 2013 FINAL-Stay strong,Stay pop.->が10月5日(土)に渋谷公会堂で行なわれた。最終章はいわば、POP SIDEとSTRONG SIDEの合わせ技。開演の合図のSE「Be STRONG, Be POP」が会場に流れると手拍子&大声援。積極的に参加する気満々の空気の中、バックメンバーに続いて、Aijiが右手を掲げて、手拍子をしながら定位置につき、髪をアップにしたmayaが登場!
オープニングは、夜の魔法にかけられたようなファンタジックなアレンジと“独りきりで泣いてる君が笑えるなら たとえ世界中を敵にまわしたっていいさ”というLM.Cらしいメッセージが盛りこまれた「PUNKY HEART」。続いて「BABY TALK」とPOP SIDEの曲たちが披露された。
「やっと会えたね。輝く準備はできてますか!? 楽しむ覚悟、戦う準備はできてるか!?」
年齢不詳、性別不詳の容姿をそのままにmayaの声はツアーで鍛えられて太くなり、攻撃的な曲はよりヘヴィさを増していた。「COMBATmode」、スピード感たっぷりの「Space Wannabiez」、重低音のきいたビートで攻めるスーパーヒーローソング「Z-MAN」など、ストロングに攻める曲は、2013年ヴァージョンとして進化している。
「今宵、ツアーファイナルです。やばい夜になりそうなんですけど、どうですか? 今日はLM.C史上、最多曲数で臨むライヴなんだけど、やれる!? 様子見なんて必要ないから、ガンガンぶっこんできてほしい。誰にも見せたことのないクレージーな顔、見せてください!!」
そんなmayaのMCにイントロからオイコールが飛んだ「CRAZY A GO GO」からカタルシスを感じずにはいられないAijiの切れ味鋭いギターリフで始まるタフなアンセム「DOUBLE DRAGON」へと。タイトルどおり、メタリックなギターが痛快な「METALLY」では、LM.Cの飛び道具的ファンキーなパフォーマー、DENKI-MANが両手にライトを持って、客席に降り、mayaとAijiがセンターで背中合わせで絡む見せ場満載! 渋谷公会堂の熱気は上昇しっぱなしだが、まだまだもの足りないmayaは「その声で俺たちがどれだけ強くなれるか、オマエら、全然わかってねーな。もっと声聞かせてください!」と煽る。
「おかげさまで昨日(10月4日)、7周年を迎えました。7年年とったってことですね。フェアリーぶってる人いない?」と笑わせ、話題は1年前の渋谷公会堂の思い出に──。お祭り感満載の和風ファンクチューン「EDO FUNK」で、ファンがステージに呼びこまれ、LM.Cと共演を果たしたときのことだ。
「渋公、いいよね。この会場で何回やってるんだろう? 1年前は勝手にステージに上がってくる人がいるから大変だったよ。(“また、やらないの?”という声に応えて)絶対、やらない。だって、いつ怒られるかビクビクしながらやってたんだもん。こういう場所なので、この街に似合う曲をやりたいと思います」
そして2人がこよなく愛する街(デビューイベントが行なわれたのも渋谷)をモチーフにしたオーケストラアレンジの「Shibuya Cantabile」はイントロから大歓声!
LM.C最大のヒット曲であり、不変の名曲「88」は客席に青いペンライトが揺れるなか大合唱になり、天井に巨大なミラーボールが回る中、演奏された「meteorion」は宇宙感たっぷりのロマンティックな演出。切ない旋律をきわだたせるミラーボールは、まるでゆっくり回転し続ける惑星のようだった。
“きっと何か変えるのに遅いって事は無いさ 何度でもやり直せば良い”とメッセージする最新曲「激FANFALE」も会場を温かく包みこんだ。
そして、ここで嘘つき(?)のmayaからの提案。
「季節的にはもう秋ですけど、俺たちの夏はまだ終わってないので、夏を取り戻していいですか?」と、スタッフを呼びこんで何やらコソコソ打ち合わせして、してやったりの笑顔で「ステージで踊りたい人、いますか?」と呼びかけたのだ。
どうやらスタッフの了承を得たということらしい。
手を挙げて立候補する人数の多さに「じゃあ、LM.Cが大好きでコスプレしている人、カモン!!」。
ステージと客席の間に階段が設置され、続々とステージに上がってくるmayaやAijiのコスプレガールズ。メンバーもはっぴを着て今年もにぎやかな「EDO FUNK」が繰り広げられた。今回はさらにノリノリ。「もっと踊りたいヤツいない? 男いない?」と客席を見渡すと、テレをふりきった男子が次々に参戦。LM.Cグッズを身につけている人限定で、親子連れやmayaの膝上ぐらいの身長の女のコもLM.Cタオルを肩にかけて、果敢にチャレンジ。ハイパーなダンスチューン「SUPER DUPER GALAXY」は20人を超えるファンとの共演となった。センターにちょこんと立ち、客席に手を振る女のコの横にひざまづいてAijiがギターを弾いたり、mayaが手を握って、両手を振らせたり、誰もが笑顔になるLM.Cならではのハッピーなバイブレーション!!
「LM.C、こんなバンドです!!」
mayaが宣言し、みんながタオルを振る「We are LM.C!!~The Anthem of Strong Pop~」。そこから「いつだって一瞬で笑い合える俺たちの魔法みたいな合い言葉行こうか?」とレインボーカラーの照明の中、喜びも悲しみもまとめて引き受けるポジティブなロックチューン「Ah Hah!」が演奏されたのも最高の流れだった。それぞれ事情も環境も年齢も異なる1人1人の心の重さを軽くしてしまうマジックを最速のスピードで体感できるのが彼らのライヴなのだ。
「本当に最高です。ありがとうございます! 人生、最後の5分間が勝負だってナポレオンが言ってたらしいけど、そういうときに最高だったって思えたらいいなって学べたツアーでした。来年の予定はチラシ作ったので帰りに持っていってください。次のシングルと7曲入りのアルバムを出すこと、ツアーもふくめて来年の予定が書いてあるから」
“ウォーッ!”と上がる歓声に嬉しそうに笑って、「88才になって『88』演るのも面白いね」とよぼよぼになった自分を想像しながらおどけるmaya。
ライヴはいよいよ大詰め。
「次の曲は俺たちにとって今、思うと最もストロングな魂とポップなメッセージが詰まった曲だと思います。トラストミー!」と叫んで演奏されたのが、“流れる星をつかまえて君にあげるよ”と歌う2007年にリリースされたシングル「LIAR LIAR」だったのも、集まった人たちをキュンとさせたのではないだろうか。自分のことを嘘つきだと言いながら、本気の想いをこめた最強のポップチューン。渋谷公会堂に降り注いだカラフルなテープが7年をかけて、彼らとオーディエンスが作りあげた景色を祝福しているみたいに思えた。
そこからは「The LOVE SONG」やLM.Cの始まりの曲、
「★Rock the LM.C★」(ロゴでおなじみのmocochangの巨大な耳が照明のやぐらの上にあらわれる演出も)、「星の在処。-ホシノアリカ-」など、キラーチューンの嵐。ラストはストロングな魂がパッケージされたファンとみんなを繋ぐ曲「LET ME’CRAZY!!」で締めくくられた。
終演後は全員、並んでのメンバー紹介。
「本当に最高のツアーができたと思います。最高のみなさんに最高の笑顔で迎えられて幸せです。帰りにチラシね」とAiji。
「また、こうやって遊ぼうぜ。俺たちがLM.Cでした!」とピースサインを送ったmaya。
チラシには新しい衣装のmayaとAijiの写真とともに来年の2月からスタートするツアースケジュールが! 12月11日にニューシングル「My Favorite Monster」と2月12日に7曲入りのアルバム『PERFECT FANTASY』がリリースされることが記されていた。これからも続いていくLM.Cの日々。宝物みたいな全26曲が惜しげもなく披露された今回のファイナル公演が、また明日からの未来を照らしていく──。
取材・文●山本弘子
<LIVE TOUR 2013 FINAL-Stay strong,Stay pop.->
2013.10.5(sat)@渋谷公会堂
(SE) Be STRONG, Be POP.
PUNKY HERT
BABY TALK
COMBATmode
Space Wannabiez
@FUNNY PHANTOM@
Z-MAN
CRAZY A GO GO
DOUBLE DRAGON
METALLY
GHOST†HEART
GAME of LIFE
Shibuya Cantabile
88
meteorion
激FANFARE
EDO FUNK
SUPER DUPER GALAXY
We are LM.C!!~The Anthem of Strong Pop~
Ah Hah!
It's a Wonderful Wonder World
LIAR LIAR
The LOVE SONG
OH MY JULIET.
★Rock the LM.C★
星の在処。-ホシノアリカ-
LET ME' CRAZY!!
◆LM.C オフィシャルサイト
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