【ライブレポート】新生カイザー・チーフス、バーバリー店内で怒涛のパフォーマンス
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<LIVE AT 121 REGENT ST LONDON>のいいところは、レコード店などで開かれるインストア・ギグと違い、お店の一角でややトーン・ダウンしプレイされるのではなく、ショップがまるごとライヴ・ハウス化してしまうこと。吹き抜けで2階部分がバルコニーとなる作りは、へたなライヴ・ハウス以上にギグに適しており、サウンドもいい。ライティングも本格的だ。そして、出演するミュージシャンが普段よりお洒落になっているのも見どころ。
しばらく見ない間に痩せて精悍な姿になっていたリッキー・ウィルソンを筆頭に、粋な格好で颯爽とステージに登場した彼らは「Never Miss A Beat」でショウをスタート。ウィルソンは初っ端からマイク・スタンドを振り回す暴れっぷり+店内でこんなに出していいの?というほどの大音量で、1曲目から会場を沸かせた。その後も「Everyday I Love You Less And Less」「Modern Day」「I Predict Riot」「Ruby」などヒット曲を続々とプレイ。とくに「I Predict Riot」では、ウィルソンが1階や2階のオーディエンスの間を駆け回り熱唱。店内にいたすべての人たちを巻き込む怒涛のパフォーマンスを展開し、アリーナやスタジアムとは違う、親密なヴァイブとバンドから発せられるダイレクトなエネルギーで会場を制した。
ニック・ホジソン(Dr)が脱退したことでどうなるかと思われたが、新しく加入したVijay Mistryのドラムはタイトながらもパワフルで、カイザー・チーフスのライヴ力が損なわれることはなかった。
最初から最後まで大合唱はもちろんのこと、ラストの「Oh My God」ではモッシュとまではいかないもののインストア・ギグとは思えないジャンピングが続出。紙吹雪まで舞った。新生カイザー・チーフスはこれまで以上に熱く、かつ(ハイセンスな服の助けも多少借りつつ)スタイリッシュなパフォーマンスを見せてくれた。インストア・ギグでここまでやる彼らもバーバリーもすごい。
この夜のセットリストは以下の通り。
1. Never Miss A Beat
2. Everything Is Average Nowadays
3. Heat Dies Down
4. Little Shocks
5. Everyday I Love You Less and Less
6. Modern Way
7. You've Got the Nerve
8. I Predict a Riot
9. Ruby
10. The Angry Mob
11. Oh My God
Ako Suzuki, London