22-20s、「生々しい、削ぎ落としたサウンドのレコードにしたかった」

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3月7日に22-20sのニュー・アルバム『GOT IT IF YOU WANT IT』がリリースとなる。前作同様イアン・ダヴェンポートにプロデュースを依頼し、アメリカのミネアポリスで曲を書きデモを作り、母国イギリスのリンカンシャーのチャペル・スタジオで6日間のスタジオセッションでレコーディングされたものだ。ベストを尽くした生でエネルギッシュなサウンドと、多くのツアーで培われたライヴの才能によって、『ゴット・イット・イフ・ユー・ウォント・イット』は形作られている。そこには、自分達の原点(ブルース)をより見つめなおして昇華させたという、強固なストーリーが介在している。

◆「ポケットフル・オブ・ファイア」試聴


──本作が完成した今の感想を聞かせてください。

マーティン・トリンブル:アルバムの出来には満足している。この何週間かライヴに向けてリハーサルをやっているんだけど、それでやっと実感が持てるようになった。自分達が一番うまくやれることをごくシンプルにやろうとしたんだ。セカンドのリリースの後、かなりツアーをやったんだよね。それがやっぱりアルバムには反映されていると思う。アルバムのタイトルには特に意味はないんだけど、たまたまスリム・ハーポの「Got Love If You Want It」を聴いてぴんときたんだ。あと、バンドとしての自分たちに前より自信を持てるようになった。人がどう言おうと、それを気にしちゃいけないってこともわかっていたしね。

──本作のサウンドは?

マーティン・トリンブル:アルバムの制作中は、16~17歳の頃に聴いていた音楽をまたよく聴いていた。その意味では、ルーツに戻るような部分はあったかもしれない。一方、セカンドでやったようなハーモニーもたくさん今作には残っているし、これまでやってきたことが全部混ざったサウンドになってるんじゃないかな。で、それがよりストレートに表現され、プレイされていると思う。制作にあたっての基本的なルールとしては、とにかく早く作り上げようと思ったんだ。出来てきたものを形にして、それを考え直したり練り直したりするんじゃなく、そのままレコーディングしようと思った。それと、もっと生々しい、削ぎ落としたサウンドのレコードにしたかったんだ。4人がひとつの部屋でプレイしているのが聞こえるレコードにしたくて。だから全体的に自然で、オーガニックなものになっていると思う。

──本作の制作はどうでしたか?

マーティン・トリンブル:地元のミネアポリスで家を借りて、4人で冬の間6週間、そこにこもって曲を書いていった。地下室に機材を持ち込んで、そこでやってたから、本当に隔絶された状態だった。で、レコーディングは僕らの故郷のリンカンシャーに戻ってやった。前回のレコーディングはそれぞれのパートを別に録ったり、テイクを重ねることも多かったんだけど、今回は大体が4人でレコーディングして、そこに後からヴォーカルを足したり、ちょっとパートを足すくらいだった。プロデュースは前作に引き続きイアン・ダヴェンポート。最初から彼とまたやろうと思ってたからね。サウンドに関しては本当に信頼出来るし、彼がバンド・オブ・スカルズでやった仕事もいいと思ったし。レコーディング中はずっと赤ワインを飲んでいた(笑)。だから、ニール・ヤングのテキーラ漬けのセッション、みたいな感じだったな。

──本作を作る上でどんな音楽に影響を受けましたか?

マーティン・トリンブル:さっきも言ったけど、昔聴いてたようなレコードはまたかなり聴きこんでいたんだ。50年代、60年代のブルーズやロックンロールのレコード、マディ・ウォーターズやローリング・ストーンズ。あと、ニック・ケイヴはかなり聴いていたな。直接は影響してないかもしれないけど。

──今のイギリスの音楽シーンをどう思いますか?

マーティン・トリンブル:イギリスってアメリカと違って、音楽シーンに大きなトレンドがあるんだよ。大抵はメディアが決めてるんだけど。BBCのレディオ1が『今波が来てるのはここだ』みたいなことを決めて、そればっかり集中してオンエアする。で、みんながそれに飽きると、また新しいものが出てきて、反動が生まれる。そのサイクルは変わらないんだ。だから、今の『ロックは死んだ』とかいう状態もそのうち変わると思う。イギリスでは10年に一度、そうした周期が来るからね。70年代の終わりにピストルズやクラッシュが出てきたし、その後、ストーン・ローゼズやオアシスが出てきた。で、エレクトロニック・ミュージック一辺倒だった後のストロークスや、リバティーンズ。ただ、問題なのは、そういう大きな流れやトレンドがバンドの浮き沈みや方向性を決めてしまうところだと思う。『今はこういうのが流行ってるから、これを取り込もう』みたいなことを、どこかでバンドは意識してしまう。そうした中、イギリスの音楽シーンにおける僕らの役割は、他には左右されず、やりたいことがやれるのを見せることだと思う。アルバムを一枚一枚作っていって、そのバンド独自の道を進めていけることを証明する。もちろん簡単な事じゃないけどね。

──ブルーズのおすすめの作品はありますか?

マーティン・トリンブル:やっぱりスキップ・ジェームズが残したレコーディング。それと、初期のマディ・ウォーターズ。あと、BBキングの初期のラジオ・セッションも良い。ただ、どれも絶対に65年以前のものであること。それ以降となると聴くべきものはまずないからね(笑)。

──最後に日本のファンにメッセージを。

マーティン・トリンブル:日本のファンには感謝したい。僕らの音楽を待ってくれる人たちがいて、レコードを買ってくれるからこそ、僕らも曲を書きつづけて、音楽をプレイしつづけることが出来るんだから。本当に純粋に、日本にはありがとうって伝えたい。あと、5月にツアーをすることが決まっている。今新曲をリハーサルしているところなんだ。前よりずっと本能的なライヴになると思う。ほんとに日本に行くのが待ち切れないよ。

<22-20sサイン会&握手会>
2012年5月14日(月)21:00~
@タワーレコード新宿店7F
参加方法:ご予約者優先で、タワーレコード新宿店・渋谷店・池袋店・秋葉原店・横浜モアーズ店にて、3/7発売 22-20s『GOT IT IF YOU WANT IT』 (YRCG-90075~6、YRCG-90077)の日本盤をお買い上げいただいた方に、先着でサイン/握手会参加券を差し上げます。
対象店舗:新宿店・渋谷店・池袋店・秋葉原店・横浜モアーズ店
・イベント券の配布は定員に達し次第終了
http://tower.jp/store/event/2012/05/055051421

『ゴット・イット・イフ・ユー・ウォント・イット』
2012年3月7日発売(日本先行発売)
YRCG-90075~90076 \2,600(税込)
通常盤YRCG-90077 \2,300(税込)
※日本盤ボーナス・トラック3曲収録
※ボーナス・ディスク付初回生産限定盤&通常盤同時発売
初回生産限定盤/ボーナス・ディスク付2CD仕様/ジャパン・オンリー

<22-20s日本ツアー>
2012年5月15日(火)渋谷クラブクアトロ
Open 18:00 Start 19:00前売¥5, 800(DRINK代別)
[問]スマッシュ 03-3444-6751
2012年5月16日(水)梅田クラブクアトロ
Open 18:00 Start 19:00前売¥5,800(DRINK代別)
[問]スマッシュウエスト 06-6535-5569
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