[クロスビート編集部員リレー・コラム] 荒野編「C86」
ネオ・サイケに夢中だった80年代半ば、大人たちから「こんなの60年代の焼き直し」と言われて「うるせえ、死んじまえ!」と思ったものですが。C86や90'sシューゲイザーのフォロワーが続々出てくる今では、「おいおい当時のまんまだろ!」と感じる機会が増えた。こちらの耳が老化しているせいもあるとは思うが、安直にオリジナルをトレースした感じの作品はどうしても楽しめない。
ティーンエイジ・ファンクラブのインタビュー中(クロスビート2011年1月号に掲載)、そう言えば彼らはC86の当事者だったなと思い、近年のC86再評価について訊いてみた。
「もちろんうれしいよ。いつの時代もキッズは、過去の音楽を模倣して新しいものを生んできたわけだし。この間クリスタル・スティルツの曲を聴いてて思ったんだけどさ、ジーザス&メリー・チェインとかの感じにそっくりだよね。雰囲気から何からよく似ている。他のバンドもそうだけど、聴くだけで1984~1986年頃の光景をありありと思い出せる感じだよ(笑)」──ノーマン・ブレイク
その後ノーマンは「C86から24年経ってるんだし、もう過去のことだから…」と言いかけて、別の話題に移った。言いたいことは何となくわかった気がする。
商業主義に偏り過ぎ、すっかり肥大化したメインストリームに対するアンチとして、メディアぐるみで仕掛けられたインディ・ムーヴメント、C86。ティーンエイジ・ファンクラブの前身であるボーイ・ヘアドレッサーズの曲は、C86時代の人気バンドを選りすぐったコンピレーション『CD86』で聴くことができる。
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