【D.W.ニコルズ・健太の『だからオリ盤が好き!』】 第11回 プロモ盤 『OHIO KNOX』
D.W.ニコルズの鈴木健太です。
前回ではオリジナル盤の中でも最も早い時期のプレスとされる“ファーストプレス”について書きましたが、実はさらにプレスが早いとされているものが存在します。それは“プロモ盤”と呼ばれる、プロモーション用にプレスされたレコードです。今回はそのプロモ盤の話…。
まずはプロモ盤とは何ぞや、という話から始めましょう。自分の話になり恐縮ではありますが、僕はD.W.ニコルズというバンドでギターを弾いています。そのD.W.ニコルズが、来月(10月)に2ndシングル「一秒でもはやく」をリリースします。このシングル、発売は10月20日なのですが、実はレコーディングは7月末から8月頭に行なわれていて、つまり2ヶ月半前には音ができあがっていたということになります。でもこれは今回に限ったことでも、僕らに限ったことでもなくて、どのアーティストでも大抵の場合はこれくらい早い段階で音ができあがっているものなのです。
では音ができてから発売までの2~3ヶ月という期間は一体何なのかというと、簡単に言えば発売へ向けての準備期間なのです。準備とはおもに宣伝・売り込み(=プロモーション)になるわけですが、それも商品である音がないと始まりません。つまり、レコーディングを終えて音ができあがってから、それを持ってプロモーションが始まるのです。だから発売までにある程度の期間が必要なのです。
音ができあがると、すぐに「サンプル盤」と呼ばれるものが作られます。そしてそのサンプル盤は、発売よりもずっと早く、各メディアや関係者、CDショップ等に渡されるなどして、プロモーションに使われます。
これはレコードの時代でも同じだったようです。
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