The View、未だ輝き続けるピュアなスリル感

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2ndアルバム『Which Bitch』のリリースを控えたThe Viewが11月21日、ロンドンのアストリアでライブを行なった。2007年、彗星のごとく現れ、デビュー・アルバム『Hats Off To The Buskers』が初登場でUKチャートのトップに輝いた彼ら。いまだその熱はさめていない。会場には“The View, The View, The View Are On Fire!”のかけ声が鳴り響いた。

ニュー・アルバムのお披露目を兼ねたショウは、新曲「Glass Smash」でスタート。彼ららしい、メロディアスながらもエネルギッシュなトラックで一瞬にしてオーディエンスに火をつけた。続いて、ライヴではすでにおなじみ、『Which Bitch』からの1stシングルとしてリリースされた「5 Rebecca's」で早くも会場は大合唱。その後も「Wasted Little DJ's」や「The Don」など『Hats Off To The Buskers』のトラックを中心にところどころ新曲をまじえながら、スピーディーでスリリングなショウを展開した。

飛ばし気味の感はあるものの、彼らのギグはそこも魅力のひとつ。メンバーが以前口にしていた「ライヴはアルバムをそのまま再現するものではない。エネルギーが大切だ」との言葉通りのパフォーマンスだ。このエネルギーは観客にダイレクトに伝わっている。モッシュは当然のこと、ビールのかけ合いや禁止されているはずのクラウド・サーフィンも後を絶たない。“On Fire”なのは、オーディエンスのほうかもしれない。

ツアーを重ねるごとにセットやパフォーマンスが大きくなったり、安定してしまって初期のころのスリル感が失われるバンドが少なくない中、The Viewはいい意味でインディ・ロックバンドの精神を失っていない。ステージ・セットもライティングもシンプルで、メンバーもデザイナーズ・クローズなんか着はしない(ドラムのスティーヴンにいたっては最初から最後まで上半身裸だ)。そこには音楽があるのみ。自分たちのサウンドを追及し、それだけで勝負している姿は潔い。

ときどき、若いのにいぶし銀のような渋い輝きを持つバンドが現れる。キングス・オブ・レオンやザ・コーラルがそのいい例だが、The Viewもそういうバンドになるのではないだろうか。

この夜のセットリストは以下の通り。

「Glass Smash」
「5 Rebecca's」
「Wasted Little DJ's」
「The Don」
「Temptation Dice」
「Street Lights」
「One Off Pretender」
「Skag Trendy」
「Comin' Down」
「Wasteland」
「Typical Time」
「Face For The Radio」
「Realization」
「Shock Horror」
「Superstar Tradesman」
「Same Jeans」

◆iTunes Store The View(※iTunesが開きます)

Ako Suzuki, London
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