ビヨンセ、映画『キャデラック・レコーズ』レッドカーペットに
映画『キャデラック・レコーズ』は、チェス・レコーズと所属アーティストの隆盛を描いた物語だ。1950年代から1960年代のシカゴを舞台に、セックス、ヴァイオレンス、人種、ロックンロールを盛り込んだ『キャデラック・レコーズ』は、アメリカ屈指の伝説的ミュージシャンの刺激的ながらも波乱に満ちた人生を追っていくストーリーである。
ブルースが人気を博しロックンロールを生んだ過程についてのストーリーは、1947年シカゴのサウス・サイドにある場末の酒場から始まる。ポーランドからの若い移民で酒場を経営するレナード・チェス(アカデミー賞男優、エイドリアン・ブロディ)は、才能はあるものの荒削りなブルース・バンドを雇い入れた。彼らの音楽に魅了されたチェスは、急成長中のレコード業界に進出しチェス・レコーズを設立する。
チェスは自身のミュージシャンに対して家族のように接し、彼らが初めてヒットを出した時には、キャデラックを買い与えた。所属アーティストはアメリカのメインストリームで人気を博し、ヒットレコードを多く輩出するまでに成長。特にクロスオーヴァーに成功したのは、細身の男性ミュージシャン、チャック・ベリー(モス・デフ)だった。彼のダイナミックな“ダック・ウォーク”と、カントリー色を帯びたキャッチーな楽曲から遂にロックンロールが誕生したのだ。
さらにチェスは、メインストリームで活躍できるパフォーマーを発掘していく。傷ついた心を抱える若手女性シンガー、エッタ・ジェイムス(ビヨンセ)である。しかし、彼女の脆さはチェスを思わぬ形で翻弄する。ロックンロールの人気が上昇し、チェスのアーティストは新しい世代のミュージシャンから尊敬を集めていたが、アーティストはそれぞれ酒や女性、放蕩で財産を使い果たし、さらにドラッグ漬けの生活が徐々に影響を及ぼしていく。
60年代が終わりに近づき悲劇が襲っても、彼らの音楽とスピリットは力強く生き続けた。レナード・チェスがレコード業界から撤退しても、ブルースは生き続けたのだ。
そんな映画『キャデラック・レコーズ』が12月5日全米公開となった。12月1日(日本時間12月2日)にはプレミア試写会&レッドカーペット@AMC Loews 19 Theaterが行なわれた。試写会の前に映画出演者による記者会見にて、チャック・ベリーを演じたモス・デフはビヨンセについて次のように語った。
「著名な俳優は、演じる為でなく、いかに人に知られているかといったマーケティング的見地からキャスティングされる昨今だ。でも本作品では、実に味のある本物の俳優が出演している。この中でビッグ・ネームが出てくるとしたら、その人のガラスの壁を壊してもらわないといけない。その点、ビヨンセは彼女の壁をこわし、そして彼女自身の壁を超えたと思うよ。そういえば、アッシャーやバウ・ワウが出演候補になっていた…なんてうわさも聞いたけど(笑)」
また、ダニエル・マーティン監督曰く「この映画の出演者のキャスティングについては、私がもつ役のイメージと、それぞれの役者のパーソナリティ自体がばっちりかみ合う人だけをブッキングしています。そんな彼らが、まず音源のレコーディング前に、実際にバンドと向き合い、練習し、レコーディングしたというのは、本当にすばらしい光景だった。そして音楽監督であるスティーヴ・ジョーダンの功績は本当に大きいと思う」とメッセージ。
その場にいた出演者のジェフリー・ライトはそれを受け、「そうそう、そしてみな、他のキャストのレコーディング音源を聴いた後、それぞれの本気度を感じて、“俺もう一度レコーディングしなおしたい!”なんていい出したりしてね(笑)」とコメント。
レッドカーペットに俳優が登場し始めて1時間。主演のビヨンセはラストにJay-Zと一緒に登場した。車からレッドカーペットまでJay-Zにエスコートされるも、そこから先は主演女優としての彼女の舞台。Jay-Zはさっと身を引き、フラッシュの世界にビヨンセはすっと溶け込んだ。
当日のビヨンセは、腰のくびれまで背中がオープンになった黒のシースルー&スパンコールのイブニングドレス。同じく黒の華奢なハイヒールをあわせ、髪の毛はボリュームたっぷり女優巻きだ(ドレス:Zuhair Murad、イヤリング:Lorraine Schwartz、靴:Stuart Weitzman)。
映画関係者が口をそろえて彼女をほめたたえる中、ビヨンセは人の10倍かけて丁寧にレッドカーペットを歩き約100人近いカメラマンと、300人位の観衆に囲まれ、全員からの「ビヨンセ、こっち向いてぇ~」の怒号の中に笑顔で対応。気絶しそうになっている女子ファンも出る中、白いテントの中に入ってもプレスの方々にとめられると、ひとつひとつに丁寧に応えていく。20mを歩くのに20分もの時間をかけてレッドカーペットをこなしていった。その後ろには、デザイナー、スタイリストのティナママの姿も。
実に自信に満ち、次のステージに心弾み、余裕と満足に包まれ、「今」の強烈なビヨンセは、まるでサーシャ・フィアース(SASHA FIERCE:ステージ上のビヨンセの別人格であり、11月に発売したばかりのニュー・アルバムのタイトルでもある名前)。このプレミアには、出演俳優の他ディディ、ニーヨ、エイコンなど大物ゲストが出席した。
映画『キャデラック・レコーズ』は2008年12月5日全米公開、日本公開は現在未定である。
ブルースが人気を博しロックンロールを生んだ過程についてのストーリーは、1947年シカゴのサウス・サイドにある場末の酒場から始まる。ポーランドからの若い移民で酒場を経営するレナード・チェス(アカデミー賞男優、エイドリアン・ブロディ)は、才能はあるものの荒削りなブルース・バンドを雇い入れた。彼らの音楽に魅了されたチェスは、急成長中のレコード業界に進出しチェス・レコーズを設立する。
チェスは自身のミュージシャンに対して家族のように接し、彼らが初めてヒットを出した時には、キャデラックを買い与えた。所属アーティストはアメリカのメインストリームで人気を博し、ヒットレコードを多く輩出するまでに成長。特にクロスオーヴァーに成功したのは、細身の男性ミュージシャン、チャック・ベリー(モス・デフ)だった。彼のダイナミックな“ダック・ウォーク”と、カントリー色を帯びたキャッチーな楽曲から遂にロックンロールが誕生したのだ。
さらにチェスは、メインストリームで活躍できるパフォーマーを発掘していく。傷ついた心を抱える若手女性シンガー、エッタ・ジェイムス(ビヨンセ)である。しかし、彼女の脆さはチェスを思わぬ形で翻弄する。ロックンロールの人気が上昇し、チェスのアーティストは新しい世代のミュージシャンから尊敬を集めていたが、アーティストはそれぞれ酒や女性、放蕩で財産を使い果たし、さらにドラッグ漬けの生活が徐々に影響を及ぼしていく。
60年代が終わりに近づき悲劇が襲っても、彼らの音楽とスピリットは力強く生き続けた。レナード・チェスがレコード業界から撤退しても、ブルースは生き続けたのだ。
そんな映画『キャデラック・レコーズ』が12月5日全米公開となった。12月1日(日本時間12月2日)にはプレミア試写会&レッドカーペット@AMC Loews 19 Theaterが行なわれた。試写会の前に映画出演者による記者会見にて、チャック・ベリーを演じたモス・デフはビヨンセについて次のように語った。
「著名な俳優は、演じる為でなく、いかに人に知られているかといったマーケティング的見地からキャスティングされる昨今だ。でも本作品では、実に味のある本物の俳優が出演している。この中でビッグ・ネームが出てくるとしたら、その人のガラスの壁を壊してもらわないといけない。その点、ビヨンセは彼女の壁をこわし、そして彼女自身の壁を超えたと思うよ。そういえば、アッシャーやバウ・ワウが出演候補になっていた…なんてうわさも聞いたけど(笑)」
また、ダニエル・マーティン監督曰く「この映画の出演者のキャスティングについては、私がもつ役のイメージと、それぞれの役者のパーソナリティ自体がばっちりかみ合う人だけをブッキングしています。そんな彼らが、まず音源のレコーディング前に、実際にバンドと向き合い、練習し、レコーディングしたというのは、本当にすばらしい光景だった。そして音楽監督であるスティーヴ・ジョーダンの功績は本当に大きいと思う」とメッセージ。
その場にいた出演者のジェフリー・ライトはそれを受け、「そうそう、そしてみな、他のキャストのレコーディング音源を聴いた後、それぞれの本気度を感じて、“俺もう一度レコーディングしなおしたい!”なんていい出したりしてね(笑)」とコメント。
レッドカーペットに俳優が登場し始めて1時間。主演のビヨンセはラストにJay-Zと一緒に登場した。車からレッドカーペットまでJay-Zにエスコートされるも、そこから先は主演女優としての彼女の舞台。Jay-Zはさっと身を引き、フラッシュの世界にビヨンセはすっと溶け込んだ。
当日のビヨンセは、腰のくびれまで背中がオープンになった黒のシースルー&スパンコールのイブニングドレス。同じく黒の華奢なハイヒールをあわせ、髪の毛はボリュームたっぷり女優巻きだ(ドレス:Zuhair Murad、イヤリング:Lorraine Schwartz、靴:Stuart Weitzman)。
映画関係者が口をそろえて彼女をほめたたえる中、ビヨンセは人の10倍かけて丁寧にレッドカーペットを歩き約100人近いカメラマンと、300人位の観衆に囲まれ、全員からの「ビヨンセ、こっち向いてぇ~」の怒号の中に笑顔で対応。気絶しそうになっている女子ファンも出る中、白いテントの中に入ってもプレスの方々にとめられると、ひとつひとつに丁寧に応えていく。20mを歩くのに20分もの時間をかけてレッドカーペットをこなしていった。その後ろには、デザイナー、スタイリストのティナママの姿も。
実に自信に満ち、次のステージに心弾み、余裕と満足に包まれ、「今」の強烈なビヨンセは、まるでサーシャ・フィアース(SASHA FIERCE:ステージ上のビヨンセの別人格であり、11月に発売したばかりのニュー・アルバムのタイトルでもある名前)。このプレミアには、出演俳優の他ディディ、ニーヨ、エイコンなど大物ゲストが出席した。
映画『キャデラック・レコーズ』は2008年12月5日全米公開、日本公開は現在未定である。