稲垣潤一が放つ、見事なハーモニー作品

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稲垣潤一が挑む新作アルバム『男と女 - TWO HEARTS TWO VOICES -』が素晴らしい。

11組の歌姫とがっぷり組んで、J-POPの名曲の数々をデュエット仕様にリニューアル・カヴァーした意欲作だ。誰もが知ってる曲を選び抜き、男と女の「二声」で甦らせたというデュエット・アルバム、今までありそうでなかった作品だが、単なる企画アルバムというようなライトなものではない。

まずはその素晴らしさを体感するべく、一曲聴いていただきたい。杏里の「悲しみがとまらない」を稲垣潤一と小柳ゆきが歌うライヴ映像だ。

◆稲垣潤一&小柳ゆき「悲しみがとまらない」(YouTube)

1コーラスごとにパートが入れ替わり、メインとハモリが複雑に絡み合いながら進んでいくアレンジの妙と、リフレインを嫌い適度なフェイクをはさみながら、メロディに絡む2人のハーモニーは、聴くものを幸せな気持ちにすらしてしまうものだ。曲は悲しいストーリーだが。

2人の歌唱力にも感嘆するが、曲に対する徹底的なデュエット・アレンジがかつてない感動の源だ。音楽をクリエイトするミュージシャンとしての強いアイデンティティと揺るがぬプライドの結晶が見てとれる。

稲垣潤一といえば、「ドラマティック・レイン」「ロングバァージョン」「クリスマスキャロルの頃には」など数々のヒット曲を持つシンガーだが、デュエットによるカバー作品作りはまさに“挑戦”であったことだろう。収録曲は、「悲しみがとまらない 」(杏里)、「あの日にかえりたい」(松任谷由実)「人生の扉」(竹内まりや)、「あなたに逢いたくて」(松田聖子)といった、既に耳に馴染んだ大ヒット曲ばかり。だからこそ、原曲を超えるアレンジの困難さは推して知るべし、果敢なる挑戦と言わざるを得ないが、上記「悲しみがとまらない」を見る限り、素晴らしい結果を残したプロジェクトとなったようだ。

稲垣潤一とデュエットするのは、高橋洋子、小柳ゆき、松浦亜弥、辛島美登里、YU-KI from TRF、大貫妙子、露崎春女、白鳥英美子with白鳥マイカ、太田裕美、山本潤子、中森明菜。これら個性的なシンガーが、どのように新たな世界を創造してくれているのか、実に楽しみじゃないか。

『男と女 - TWO HEARTS TWO VOICES -』は、発売となったばかりだが、12月24日には『男と女 - TWO HEARTS TWO VOICES - Special Edition』として、オリジナルカラオケCDが追加されたスペシャルエディションがリリースとなる。聴き込んだ後は、カラオケCDで自分が主役の番だ。
◆稲垣潤一メッセージ映像
◆『男と女 - TWO HEARTS TWO VOICES -』オフィシャルサイト
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