【ライブレポート】大黒摩季、能登半島地震チャリティライブ<人類みな親戚♡ Vol.2 ☆届け!熊本の声>に賛同者たちのエール「幸せは来るんだよ!」
大黒摩季が2024年12月5日(木)、熊本城ホールにて<能登半島地震チャリティライブ「MAKI's AID “Cheer Up! 能登半島!” ~人類みな親戚♡ Vol.2 ☆届け!熊本の声~」>を開催した。同ライブイベントのオフィシャルレポートをお届けしたい。
◆<人類みな親戚♡ Vol.2 ☆届け!熊本の声> 画像
会場の熊本城ホールに到着すると、熊本県の復興応援“絆”大使“くまモン”と“MAKI's AID”コラボによるイラストがお出迎え。大黒摩季が手掛けるジュエリーブランドBig Black Bearのメインキャラクター“サム”とのツーショットイラストだ。くまモンは、ほかのキャラクターと手を繋いだコラボをすることは滅多にないそうだが、能登の支援のためならばと、実現。“人類みな親戚”という今回のテーマのもと、くまモンとサムが手を取り合った奇跡のコラボがチャリティグッズとして展開されたという。
<能登半島地震チャリティライブ「MAKI's AID “Cheer Up! 能登半島!” ~人類みな親戚♡ Vol.2 ☆届け!熊本の声~」>は、熊本城ホール開業5周年記念イベントの一環として開催されたもの。“MAKI's AID”は“〜人類みな親戚~”をスローガンに掲げ、“音楽活動の場を通して能登半島地震の復旧・復興を願い、支援していこう”と大黒摩季が立ち上げたプロジェクトだ。4月にKT ZEPP YOKOHAMAで開催されたチャリティライブに続き、今回が2回目となる。熊本の復興のシンボルとなっている熊本城ホールから能登へエールを送ろうという大黒摩季の呼びかけに応え、能登復興を願うアーティストたちが参加した。
18:30の開演を前に会場は満員。客席が開演時刻を思い思いに待つ中、定刻通りにライブがスタートした。くまモンとサムのイラストに代わってスクリーンに映し出されたのは、大黒摩季からのメッセージだ。
◆ ◆ ◆
ねぇ皆さん
少しだけ 私と一緒に
心だけで感じあいませんか?
この美しい音楽に絆されて
ハートが潤えば
愛があふれてくるから
With L♡VE
大黒摩季
◆ ◆ ◆
8年前の熊本地震直後から現在までの映像が映し出された。そして当時、大黒が友人(大黒の中高時代の同級生であり本日の司会・森田真奈美)を探しに熊本を訪れたことをきっかけとして、何度も熊本に通うようになった経緯や支援、“絆”への思いが綴られる。また、完全復旧に向けて進み続ける熊本市 大西一史市長による決意の言葉が届けられた。これに続けて、能登半島地震の復興・復旧に向けた大黒摩季のメッセージと映像が流れると、美しいストリングスの調べによる「Over The Rainbow」のメロディーが聴こえてくる。“世界が絶望的な混乱に陥っても 虹の道が見つかる”──希望の歌に寄り添う優しいボーカルが旋律を奏でた。
“人類みな親戚”という力強い文字がスクリーンに投影されると、ステージにライトが当てられ、司会の森田真奈美、「Over The Rainbow」を演奏した柳澤寿男とくまのとストリングスのメンバー、白いドレス姿の大黒摩季の姿が…あの優しいボーカルの主は大黒摩季であった。
司会の森田と大黒により、今回のチャリティライブの収益が、有料配信分も含めて能登半島地震の義援金として寄付されること、能登では無料配信でライブの模様を届けていることが伝えられた。さらに、⼤⻄⼀史熊本市⻑、熊本県の復興応援“絆”⼤使のくまモンがステージに登場して開会宣言へ。
「熊本から元気を届ける、素晴らしいライブになる」──大西市長による確信に満ちた言葉とともに、<MAKI's AID “Cheer Up! 能登半島!” ~人類みな親戚♡ Vol.2 ☆届け!熊本の声~>の開幕だ。
そのオープニングを飾る1曲目は、美しいストリングスにのせて一青窈が名曲「ハナミズキ」を披露。客席に降り、観客一人ひとりに“君と好きな人が 百年続きますように”と歌を届ける。「能登にある一青地区にルーツを持つ」という一青窈は、能登に住む人に配信を通して、幸福を願い祈るような歌声を響かせた。そしてMCコーナーでは、感動のあまり号泣している大黒摩季がステージに登場。「リハーサルでも感激ひとしお」だった大黒からおでこにキスを受けたという一青窈は、「愛の人。マザーテレサのような人」と大黒を形容した。
一青窈に続く2番手は、熊本出身の演歌歌手・不知火鈴香。デビュー曲「良くない恋泣くよ」をきっぷのいい歌唱で披露すると、客席も手拍子しながら自然と笑顔に。「ズンドコ節」では袴姿の大黒摩季とくまモンも登場。“♪ズン ズンズン ズンドコ” “く・ま・モ・ン!“の合いの手で観客が一体となった。齢50歳にして7人の子供と5人の孫を持つビッグマミー不知火は、熊本地震の際に7人の子供を抱えて避難所生活を送ったという。その経験をもとに、「必ず能登も復興できる」と力強い言葉を送った。
3番手は、同じく熊本出身アーティストのLeolaだ。アコースティックギターを携えて登場すると、大黒たっての希望で「イマジン」をともに歌唱。伸びやかなふたつの歌声が会場を包み、世代を超えたコラボが平和へのメッセージとして放たれる。デビュー年に熊本地震があり、益城町で暮らす両親と一時的に連絡が取れなくなったというLeola。“後悔のないようにしたい”と思ったという、その時の経験をもとに制作したポジティヴソング「Let it fly」を瑞々しい歌声で披露。同曲の歌唱後に、大黒は「若い世代に明るい世界を作ってほしいと思い、Leolaに今回のライブへの出演を依頼した」と語った。Leolaはステージの最後に、自身が好きな言葉“止まない雨はない”に願いを込めて、熊本と能登にエールを送った。
4番手はDo As Infinityの伴都美子の登場だ。冬に緑の葉を残す柊(ひいらぎ)をタイトルに冠した「柊」は困難に耐える人を守りたいという気持ちが込められ、続いて、困難を乗り越えていくという強い思いが込められた「冒険者たち」の2曲が力強いボーカルで届けられた。すると、そのパフォーマンスに「カッコいい!」と大黒も思わず声を上げた。熊本出身であり、熊本地震の翌年に地元へ戻って活動を展開している伴は、地震後から現在までの状況を肌で感じている。能登へ届けたメッセージは、「共に参りましょう! 応援してます! 一緒に!」と被災地に寄り添うものだった。
5番手はももいろクローバーZの高城れに。「⼀緒に」では会場のコールに笑顔で応え、自らもペンライトを手に取って観客を盛り上げるなど、キラキラと華やかなステージを魅せた。「私たち、今会えるアイドル 週末ヒロインももいろクローバーZ!」の自己紹介コールに会場が大盛り上がりだ。また、大黒摩季とお揃いのキラキラ衣装を纏ってコラボ披露された「走れ」では、さすがはアイドル!といった元気いっぱいのパフォーマンスでHAPPY!を届けた。前方から最後尾まで観客を置いていかないステージングに、大黒摩季も「リスペクト!」と唸るほど。「応援の力ってすごい」と感じているという高城は、「自分も能登を応援して、力になりたい」と語った。
前半戦を終えて始まったトークコーナーには、サッカー元日本代表にして、ロアッソ熊本に所属していたことのある巻誠⼀郎、現在は熊本に戻って実業家としても活躍するタレントのスザンヌが登場した。熊本地震のボランティアを通して大黒と親交を深めた巻は、熊本の避難所を訪れた際、大黒が誰からも気づかれなかったというエピソードを披露。その一方で、大黒が避難所で歌うと涙する人がいて、“音楽の力ってすごい”と感じたそうだ。また、スザンヌは大黒との出会いについて、大黒が避難している方々に音楽を通して元気を届けるべく学校を訪れた際、スザンヌの母校とは知らずに訪れた学校で知り合ったという。当時のことを振り返り、大黒への感謝の言葉を伝えた。
このトークコーナーには、熊本地震をきっかけに設立されたBRIDGE KUMAMOTO(ブリッジクマモト)の代表・佐藤かつあき氏も登壇。「デザインやクリエイティヴな表現を通じて、間接的な支援を担うための組織」として活動を開始したという彼らは、今回の能登へのチャリティにも協力している。その活動のひとつとして、被災地で使用された後に廃棄されたブルーシートをアップサイクルしたバッグを紹介。また、“くまのとプロジェクト”で集まった募金を“MAKI's AID”に託した。この募金は大黒摩季が直接能登へと届けるとのことだ。
トークコーナーの最後には改めて、それぞれが能登へのメッセージを伝えた。これまで30回以上能登に足を運んでいる巻は、自身の経験から「被災地の人たちは、忘れられることが一番怖い。僕たちは忘れないし、能登の皆さんのことをいつまでも見守り、足を運びます」と語った。またスザンヌは、「熊本が今、能登を応援できるくらいに復興が出来ているので、能登もきっと大丈夫」と語るとともに、支援を受けることに遠慮している方に向けて、「いつか受け取った愛をほかの誰かに返してあげるのが良いと思うので、遠慮せずに愛を受け取ってください」と伝えた。
後半戦の幕開けは、大黒摩季の永遠のレジェンド稲垣潤一が登場。仙台出身の稲垣は、東日本大震災の時に日本全国から多くの方が東北に駆け付けてくれたことへの恩返しをしたいと、今回の出演を決めたそうだ。まずは大黒念願のデュエットとなった「グッド・バイ・マイ・ラブ」から。大黒のソウルフルな声と稲垣の存在感ある低音が心地よく響き、大人のアーティストの貫録を見せつけた。続いて、「12月といったら…」と稲垣が口に出した途端に客席から歓声が起こった冬の名曲「クリスマスキャロルの頃には」へ。大黒摩季もコーラスで盛り上げ、ペンライトでリズムを取りながら聴き入る観客も大満足だ。
大黒の稲垣潤一への熱とも愛とも取れる発言はとどまることを知らず、若かりし頃の思い出話が展開された。また、「曲とは不思議なもので、思い出が蘇る。匂いさえも」と語る稲垣に、大黒も深く頷く場面も。被災地支援について、「思いは届く。一人で何が出来るのか…?と思っている方も、思いや祈りは届くものなので、気持ちを届ければいいんです」と語った稲垣。何かしたいけれど何をしていいかわからない…と悩んでいる人たちの心の枷を外し、前向きにしてくれる言葉が届けられた。
次にステージに登場したのはTRFのYU-KI。大黒とは2023年の音楽番組でのコラボをきっかけにプライベートでも食事などで親交を深め、今年4月のKT ZEPP YOKOHAMAに続き、2回目の“MAKI's AID”への参加となる。YU-KIは能登へ「今日は歌を楽しんでくださいね!」とメッセージを送り、怒涛のTRFヒットメドレー(masquerade〜DA・KA・RA〜EZ DO DANCE〜BOY MEETS GIRL)を披露した。大黒は「masquerade」のコーラスに参加したほか、「DA・KA・RA」ではパワフルなツインボーカルを聴かせて会場が熱狂。YU-KIソロステージもバンドと息の合った圧倒的なパフォーマンスで観客を魅了して舞台をおりた。
ここで、ライブを支えてきたバンドとストリングスの紹介。演奏巧者たちによるサウンドに会場のボルテージも上昇し続け、ついに大黒摩季の登場だ。
大黒摩季はエメラルドブルーのファーコート、煌びやかなタイトミニのワンピースドレス、エナメルのロングブーツという出で立ちで登場。「熱くなれ」でのっけから会場を煽る。「あなただけ見つめてる」では客席に降り、観客と触れ合いながらのパフォーマンスで場内を一体に。さらに、「夏が来る」ではファーコートを脱ぎ、その最後に「幸せは来るんだよ!」と笑顔で一言。ラテンのリズムにのせて手にしたペンライトを左右に振りながら「いちばん近くにいてね」を聴かせるなど圧巻のステージを繰り広げていく。
そして披露されたのは、国民的応援歌として知られるZARD「負けないで」、親交のあったZARDの坂井泉水への思いをきっかけに生まれた楽曲「君に届け」だ。ステージにはくまモンも再登場してノリノリ。「能登に届け~!」という大黒のシャウトにくまモンもジャンプをみせた。ラストはハイテンションロックナンバー「Anything Goes!」で畳みかけ、本編を締めくくった。
止まないアンコールに応えて、“人類みな親戚”Tシャツを着た大黒とバンドがステージに再び姿を現した。豪華アーティストの素晴らしいパフォーマンスとオーディエンスの盛り上がりに、「客席で見たかった」とポロリとこぼした大黒摩季。そして披露したアンコール1曲目は、同日配信となった新曲「STAND UP!!★」だ。霞ヶ関キャピタル株式会社の応援歌として作られた楽曲だが、“♪必ず明日は来る 夜は明ける”という一節をはじめ、楽曲に込められたメッセージは復興応援にも繋がるものであり、今回のチャリティライブで初披露となった。
同楽曲終了後、大西熊本市長が再登壇、熊本地震をきっかけに始まった大黒摩季との交流について語った。地震直後に熊本を訪れた大黒は、「とにかく炊き出しをしたり、“私、頑張るから! いつか、熊本が元気になったら、またライブに来たいから、市長頑張って!”」と声をかけていたと語った。そしてついに実現したライブに二人とも感慨深げ。“エンターテインメントの力で心の復興を”を目指して行動してきた二人の思いが、今回のチャリティライブにつながったかたちだ。市長は、「熊本市からのべ500人が職員が能登に赴き、支援を行っている」ことを伝えつつ、「熊本は応援される側から応援する側になった。だから能登も元に戻るから!」という力強いメッセージを送った。
ここで出演者がステージに集結。地元・熊本市⽴必由館⾼等学校、熊本県⽴第⼀⾼等学校の合唱団40名も参加し、ライブはエンディングへ。
「日本全国、世界中ひとつなれー!「ら・ら・ら」!」──大黒摩季
という大黒の声に続いて披露された「ら・ら・ら」は、総勢70名の出演者(大西市長はドラムで参加)と観客全員で歌唱して圧倒的なエンターテインメントの力を示した。熊本地震で応援されてきた熊本が、まだ道半ばながらも元気を取り戻し、現在、能登を応援出来るまでになった。いつか必ず元に戻る。今回のチャリティライブを通して示された熊本の姿は、能登の方々の大きな力となったに違いない。大黒摩季はこれからも、自身が信じる音楽の力を通して能登に寄り添い、日本全国はもとより、世界中の人々を応援し、パワーを届けていくはずだ。チャリティライブを締めくくった大黒の言葉は、清々しく、頼もしく、そして実感を持って響いた夜となった。
「私にとって、皆さんの笑顔がご褒美です!」──大黒摩季
■<熊本城ホール開業5周年記念 能登半島地震チャリティライブ「MAKI's AID “Cheer Up! 能登半島!” ~人類みな親戚♡ Vol.2 ☆届け!熊本の声~」>
開演18:30
▼出演
大黒摩季/稲垣潤一/YU-KI(TRF)/一青窈/伴 都美子(Do As Infinity)/高城れに(ももいろクローバーZ)/Leola/不知火鈴香
・マエストロ:柳澤寿男
・トークゲスト:大西一史(熊本市長)/巻誠一郎(元プロサッカー選手)/スザンヌ/佐藤かつあき(BRIDGE KUMAMOTO代表理事)
・スペシャルゲスト:くまモン(熊本県の復興応援”絆”大使)
・司会:森田真奈美
▼アーカイブ配信チケット
配信視聴可能日時:12/21(土)20:00〜1/5(日)23:59
配信チケット価格:¥3,500-(税込)
配信チケット購入:https://eplus.jp/maki-ohguro/st/
▼MAKI's AID with KUMAMON オリジナルグッズ
Musing:https://maki-ohguro.com/goods/itemlist.html?f=AIDCHEERUP02
※収益の一部を寄付させていただきます
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