シンプル・プラン、ジャパンツアー・レポート!
昨年11月、一夜限りのスペシャル・ライヴでピエール(Vo)が「来年3月には戻ってくるよ」と予告した通り、シンプル・プランの来日ツアーが実現! その最終日、3月23日のZepp Tokyo公演を観に行ってきた。
それにしても、シンプル・プランのファン層が幅広いことは知っていたつもりだったんだけれど、イマドキのパンク・キッズはもちろん、ふだん洋楽、それもロックやパンクなんてあまり聴いてなさそうなOLから、父母同伴の小学生までが観に来ていた今回の来日、彼らのファン層はまた一段と幅が広がったんじゃないか。
でも、それもそのはずで、今、ここまでライヴを楽しませてくれるロック・バンドって他にいるだろうか? ライヴを見終えたとき、僕が思ったのは、そんなことだった。
万人が楽しめるシンプル・プランのライヴは、生粋のパンク・ファンからは「まるでアイドルじゃん」と叩かれることもあるようだ。しかし、シンプル・プランは自分達はパンクだとか何だとか、決して自分達が何者であるかなんてアーティスト・エゴを、ファンに押しつけたりはしない。ライヴにおいて、彼らがやることは、ただ一つ、ファンと一緒になって、その日、その瞬間を思いっきり楽しもうということだけだ。
そういう視点で、彼らのライヴを見てみると、彼らはファンを自分達のライヴに巻きこむというか、参加させるのが本当にうまい。曲と曲の間のみならず、曲の途中でも演奏のテンポを落として、コール&レスポンスをくり返し、手拍子や合唱を求め、時には「僕達と一緒にジャンプして!」(もちろん、「ジャンプ」でだ)と終始、能動的に楽しんでもらおうと客席に向かって呼びかける。
もちろん、バンドの演奏にただただ見とれるというライヴも、それはそれでありなんだろう。しかし、ステージのミュージシャンに高度なテクニックを求める、たとえば、クラシックやジャズのコンサートじゃなく、これはパンク……いや、ロック・バンドのライヴだ。受け身でいるのと、自ら参加するとのでは、どちらが楽しいかなんてことは言うまでもない。バンドが投げかけた思いを、ただ受けとるだけではなく、参加することによって投げ返す。そこには確実に一体感が生まれている。クサいことを言うようだけれど、バンドとファン、同世代の若者同士が思いを重ねられるという意味で、シンプル・プランのライヴは、十二分にパンクだ、と彼らよりもちょっと、いや、かなり上の世代の僕はそんな風に思っている。
「誰ガ屁コイタ」「僕ハオチンチンガツイテイマス」といった下ネタ満載の日本語MCや、昨年11月のライヴでもやったダークネスのカヴァーといったサービスも健在。今回は、デヴィッド(B)とチャック(Dr)が楽器を交換しあい、それぞれにソロ演奏を披露するなど、彼らのサービス精神──いや、それは自分達も楽しみたいという気持ちの表われに他ならない──は止まるところを知らないのだった。
取材・文●山口智男
シンプル・プラン オリジナルグッズ プレゼント
https://secure.barks.jp/?m=present&id=1000000415&a=form
それにしても、シンプル・プランのファン層が幅広いことは知っていたつもりだったんだけれど、イマドキのパンク・キッズはもちろん、ふだん洋楽、それもロックやパンクなんてあまり聴いてなさそうなOLから、父母同伴の小学生までが観に来ていた今回の来日、彼らのファン層はまた一段と幅が広がったんじゃないか。
でも、それもそのはずで、今、ここまでライヴを楽しませてくれるロック・バンドって他にいるだろうか? ライヴを見終えたとき、僕が思ったのは、そんなことだった。
万人が楽しめるシンプル・プランのライヴは、生粋のパンク・ファンからは「まるでアイドルじゃん」と叩かれることもあるようだ。しかし、シンプル・プランは自分達はパンクだとか何だとか、決して自分達が何者であるかなんてアーティスト・エゴを、ファンに押しつけたりはしない。ライヴにおいて、彼らがやることは、ただ一つ、ファンと一緒になって、その日、その瞬間を思いっきり楽しもうということだけだ。
そういう視点で、彼らのライヴを見てみると、彼らはファンを自分達のライヴに巻きこむというか、参加させるのが本当にうまい。曲と曲の間のみならず、曲の途中でも演奏のテンポを落として、コール&レスポンスをくり返し、手拍子や合唱を求め、時には「僕達と一緒にジャンプして!」(もちろん、「ジャンプ」でだ)と終始、能動的に楽しんでもらおうと客席に向かって呼びかける。
もちろん、バンドの演奏にただただ見とれるというライヴも、それはそれでありなんだろう。しかし、ステージのミュージシャンに高度なテクニックを求める、たとえば、クラシックやジャズのコンサートじゃなく、これはパンク……いや、ロック・バンドのライヴだ。受け身でいるのと、自ら参加するとのでは、どちらが楽しいかなんてことは言うまでもない。バンドが投げかけた思いを、ただ受けとるだけではなく、参加することによって投げ返す。そこには確実に一体感が生まれている。クサいことを言うようだけれど、バンドとファン、同世代の若者同士が思いを重ねられるという意味で、シンプル・プランのライヴは、十二分にパンクだ、と彼らよりもちょっと、いや、かなり上の世代の僕はそんな風に思っている。
「誰ガ屁コイタ」「僕ハオチンチンガツイテイマス」といった下ネタ満載の日本語MCや、昨年11月のライヴでもやったダークネスのカヴァーといったサービスも健在。今回は、デヴィッド(B)とチャック(Dr)が楽器を交換しあい、それぞれにソロ演奏を披露するなど、彼らのサービス精神──いや、それは自分達も楽しみたいという気持ちの表われに他ならない──は止まるところを知らないのだった。
取材・文●山口智男
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