【対談連載 in <PUNKSPRING>】ASH DA HEROの“TALKING BLUES” 第15回ゲスト:シンプル・プラン
ASH DA HEROをホスト役に、毎回ゲストを迎えてトークセッションを繰り広げる連載が“TALKING BLUES”だ。あるときは同じミュージシャン目線で、またあるときは異ジャンルに斬り込む対談企画にはこれまで、L'Arc-en-CielのHYDEやKenといった大先輩や、同世代の気鋭ギタリストDURANやJUON、目標であるThe BONEZやROTTENGRAFFTYなどを迎え、会話で深く熱くセッションしてきた。
◆ASH DA HERO × Simple Plan 画像
第15回目のゲストは、カナダはモントリオール出身のポップパンク・バンド、シンプル・プランだ。2002年のデビューアルバム『シンプル・プラン』(原題『No Pads, No Helmets... Just Balls』)がダブルプラチナを獲得。現在までリリースした6枚のオリジナルアルバムの多くがミリオン越えの大ヒットを記録している世界的なロックバンドだ。邦楽ファンには、ONE OK ROCKのTAKAを迎えた「サマー・パラダイス feat. Taka from ONE OK ROCK」(アルバム『ゲット・ユア・ハート・オン!(ツアーエディション)収録』でお馴染みだろう。
ASH DA HEROとシンプル・プランは先ごろ開催された<PUNKSPRING 2023>に出演。そのバックステージで実施したのが今回の対談だ。普段からパンクロック好きを公言するASH(Vo)とWANI(Dr)、シンプル・プランの中心人物であるピエール・ブーヴィエ(Vo)とチャック・コモー(Dr)を迎えたトークセッションは、<PUNKSPRING 2023>に集った同志という空気感が、初対面ながらフレンドリーなものにしたようだ。国境を越えて両バンドのボーカリストとドラマーが共鳴した対談をお届けしたい。
◆ ◆ ◆
■自分たちにとって特別な曲が
■「アイ・ドゥ・エニシング」
ASH:「ライブ本番前にノドを使うのは控えたい」っていう話を聞いていたから、今日の対談にピエールが来てくれるとは思っていなかったんです。でも、こうやって来てくれてすごく光栄だし、ものすごくビックリしてます。
ピエール:これが僕のいつもの手でね(笑)。「対談にはいけないよ…」と伝えておいて、直前になって「やっぱりいくよ!」となったら、どんな相手も「オーマイゴッド! なんてことだ!! 最高じゃん、ワーォ!!」って喜んでくれるだろ。「スゴーイ(←日本語で)」とかさ(笑)。
▲ピエール・ブーヴィエ(Vo)
▲チャック・コモー(Dr)
ASH:いやマジで「ヤバーイ!」って感じだから、こっちは(笑)。
ピエール:それでも僕は「いや、なんてことはないよ」って答えるんだ。
チャック:そういうジラし作戦だな(笑)。
ピエール:いや冗談だよ、そんな手なんてない(笑)。“やっぱり話したい”と直前になって思ってね。
ASH:とにかくお会いして話ができるのは本当に最高。ありがとうございます。
WANI:僕は2002年のデビューアルバム『シンプル・プラン』から今に至るまで、ずっとシンプル・プランの大ファンで。こうやって対談できるなんて思ってもみなかったので、緊張で震えてました。純粋に嬉しいです!
チャック:今ここにいるのはASH DA HEROのシンガーとドラマー、そしてシンプル・プランのシンガーとドラマー。バンドにおける重要ポジションのメンバーによるトークセッションってことになるね(笑)。
▲ASH(Vo)
▲WANI(Dr)
ASH:僕も昔からシンプル・プランが大好きで。1stアルバム『シンプル・プラン』の頃からずっと聴いているんですけど、特に「アイ・ドゥ・エニシング」が好きなんです。
ピエール:ありがとう!
ピエール&チャック:“I'd do anything. Just to hold you in my arms.”(とサビを歌い出す)だね。
ASH:この曲にインスパイアされて、自分の曲に同じようなフレーズを入れさせてもらったぐらい(笑)。
ピエール:同じようなフレーズって?
ASH:楽曲「アイ・ドゥ・エニシング」は“I would do anything”って歌詞だけど、僕は“I'll do anything”ってフレーズ(楽曲「Just do it」)にして。
ピエール:ああ、なるほど! いいアイデアだね。
チャック:「アイ・ドゥ・エニシング」は、何も細かいことは考えずにバンドとして初めて作った曲なんだよ。その後、アレンジがいろいろ変わっていく中で、この曲はイケるんじゃないかって気持ちにさせてくれた最初の曲にもなった。シンプル・プランの方向性を見つけたような感じで、自分たちにとっても特別な曲。だから今でも「アイ・ドゥ・エニシング」は僕らも大好きだし、すごく誇りに思えているんだ。
ASH:二人で共作した感じだったんですか?
ピエール:いや、僕がまだシンプル・プランに加入する前からあった曲でね。何パターンかのリフを元にして、チャック、ジェフ、セバスチャンの3人で原曲を作っていて。
チャック:そうそう、かなり昔の話だよ。歌詞もまだ付けてなくて、でも曲の基盤は形になっていた。
ピエール:そんな彼らが「シンガーを探している」って話を聞きつけて、僕がチャックの家の地下スタジオに行って、曲を聴かせてもらってね。みんなで軽く録音もして、そのデモを聴きながら僕がサビやコーラスパートなんかを付けていったり。それで原型が形になっていったんだよ。だけど、その原型をどんどん変化させていったし、最初はリズムの感じも今とはちょっと違ってた。1年とか1年半ぐらい掛けて、徐々に完成形に近づけていった感じだよ。
チャック:そう。絶対にパワーのあるいい曲になるって、みんなが思っていたから。これを絶対に形にしてやろうって。
ピエール:だからメンバー全員で作った曲。レコーディングのときには、ブリンク182のマーク・ホッパスにゲスト参加で歌ってもらってね。
チャック:それがまた良かったよ。マークはギターとか全体にフックを付け加えてくれて、さらに良くなったから。
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