アイオミwithグレン・ヒューズのセッション・アルバムが!

ポスト
ブラック・サバスのギタリストとして'69年にデビュー以来、ヘヴィメタル界の第一人者として君臨するトニー・アイオミが、あのグレン・ヒューズとのコラボレーションを実現させ、そのセッション・アルバム『THE 1996 DEP SESSIONS』が1/21にリリースされる。

トニー・アイオミといえば、ヘヴィメタルの基礎を築き、ブラックサバスを世界的なバンドにのし上げると同時に、“あの”オジー・オズボーンでさえも頭が上がらないという超大御所的存在。方やグレン・ヒューズは第三期のディープ・パープルにB&Voとして参加して『BURN』という大ヒットアルバムを送り出し、近年ではヒューズ・ターナー・プロジェクトとして来日も果たしている。ちなみにターナーとは元レインボー、元イングヴェイ・マルムズティーンズ・ライジングフォースのジョー・リン・ターナーのこと。

この二人は、'86年にトニー・アイオミのアルバム『セヴンス・スター』で競演し、その後も連絡を取り合っている仲だという。'96年にトニー・アイオミがソロアルバム制作のためにグレンにコラボレーションを申し出たのが今回のアルバム。しかしこの音源はミックスされるには至らず現在まで死蔵されていた。その音源がミックス作業を経て日の目を見ることになったのである。

音はどこを切り取ってもトニー・アイオミのもの。レフティのSGのサウンドは歪みの極地で、そこから繰り出されるリフは果てしなく重い。ギターソロなんか、もうディストーションを通り越してファズ。ミドルテンポの「Gone」は、トニーのリフに高音を生かしたグレンのヴォーカルがソウルフルで素晴らしい楽曲。艶やかな歌声は年齢なんか全く感じさせない。シンプルなリフで構築された「DON'T YOU TELL ME」は、トニーらしいコードワークと泣きのギターソロが聴きごたえある。サイケな曲調の「FINE」、ブラック・サバスの楽曲といっても差し支えない「TIME IS THE HEALER」、低音源をペダルにした刻みで“これぞメタル!”という「I'M NOT THE SAME MAN」。

まるでパーマネント・バンドのように二人の個性がうまく融和しており、とってつけたようなセッションの違和感がない。もちろん古臭さなんか微塵もない。どれも大音量で聴く価値の十分ある迫力のロックサウンドばかりだ。これは熱いです。二人を知らない若いファンにも聴いてもらいたいな。
この記事をポスト

この記事の関連情報