【インタビュー:後編】フルカワユタカ、the band apartを語る「どう考えても好きなんです」

■狙ったわけではないんだけど
■大事な3バンドです
──あぁ、ロンリーウルフな精神性はフルカワさんにも共通しますね。
フルカワ:そうですね。人に影響されたくないんですよ、活動を。自分の水と他人の水を合わせていくと、どうしても薄くなっていくじゃないですか。逆を言えば、薄まらないとやれない。人の価値観に合わせるということは、自分を薄めるということでもあるから。自我を多少抑えて価値観を合わせるというのは、社会生活としては正解ですよ(笑)。でも、物作りにとっては絶対的に、それはいいことではないんです。
──それって、メジャーとかインディーとか、システムに関する話でもあります?
フルカワ:もちろんインディーズのバンドのほうがメジャーのシステムに頼ることなくカッコいいことをやっていると思うんです。仲間たちで助け合ってツアーを回ることでシーンを作りながら、そこにカルチャーが生まれる。それは凄くカッコいいことだと思うんです。だけど、僕がロマンを感じるのはどう考えてもメジャーなんですよ。自分たちを突き詰めて、結果、バンドが壊れていくにせよ、長く続けるにせよ、自分たちのピュアな部分だけを見つめる……芸術家ってそうあるべきだと思うから。
──昔の美術家みたいにパトロンのような存在がいて、芸術家は制作だけに集中できる環境っていうことでしょうか?
フルカワ:そういう意味では、ロマンを感じるのはメジャーで、強さを感じるのはインディー。どっちのフィールドも経験している僕の結論を言うと、僕自身はメジャーフィールドに近い感覚なのかな。だからSMAという事務所に戻ったんです。最終的にはすべてインディペンデントでやるっていうことは選ばなかった。
──一方、the band apartはインディーであり続けているバンドで。
フルカワ:そうですね。彼らはずっとインディペンデントで続けてきた。そういう僕にないカッコよさを持ち合わせているバンドなんです。
──ホントに好きなんですね(笑)。
フルカワ:いや、やっぱりどう考えても好きなんですよ(笑)。だからこそもっとやってほしい。
──こうして全3回のインタビューを振り返ってみると、5月のART-SCHOOL 、6月のBase Ball Bear 、7月のthe band apartと、3ヶ月連続3バンドとの対バン企画は、フルカワさんにとって思い入れの深いバントとの共演シリーズということになりますね。
フルカワ:そうですね、ただ見事に主旨が全部違います……なるほどな、そう言われてみると本当に面白いですね。全然異なるし、狙ったわけではないんだけど、大事な3バンドです。
取材・文◎梶原靖夫(BARKS)
撮影◎中野修也
■<フルカワユタカ presents「play with B」~with SEE YOU~>
7月22日(金)代官山 UNIT
w/ the band apart
OPEN 19:00 / START 19:30
(問)代官山UNIT tel :03-5459-8630 (11:00~20:00)
▼チケット
前売り¥3,990(税込、D別)オールスタンディング/当日¥4,500
e+ http://eplus.jp/frkw16pwb/ (PC・携帯・スマホ)
チケットぴあ 0570-02-9999 (Pコード:300-102) http://w.pia.jp/t/furukawayutaka/
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