──カバーシリーズ「CORNERSTONES」ではイーグルス、ボビー・コールドウェル、オフコース等々、幅広く取り上げられて
いて、竹善さんに歌えない曲はないんじゃないかと思ってしまいます。
佐藤竹善(以下、佐藤):(笑)そんなことないですよ!自分で“歌ってみたいな”っていうのと、“自分の歌の力量と声で
形が作れそうだな”ってイメージが湧いた曲しかピックアップしません。ただカテゴリーは絶対に絞らないですね。
自分もお茶の間でテレビを観る人間なので、その意識は大切にしたいんですね。そしてペイジズなんてマニアックなアーティ
ストからSMAPまで、みんなが知ってる曲も知らない曲も、すべて“いい歌”として届けるっていうスタンス。
それは大事にしたいなと思ってますね。
──またカバーシリーズでは、Charや小田和正、SPANOVAまで国内外問わずさまざまなアーティストと共演されていますね。
佐藤:今回、「僕の胸でおやすみ」で夏川りみさんにお願いしたのもそうですけど、どんな分野でも“いいな”と思ったら
何か一緒にやったり、どこかで作品を紹介したり、そういうことをすごくしたいんです。演歌の人でも、“すごいヴォーカ
リストだな!”と思う人がいて、その人のCDをいろんな人に薦めたり(笑)。どんな分野でも、“キテるな”っていうもの
にはすごく注目しますね。
──日頃の主な音楽の情報源というと?
佐藤:BARKSもそうだし(笑)、レコードショップのHPとか海外の音楽サイトに飛んでPVを観たり、インターネット・ラジオ
をよく聴いてますね。海外のサイトだとチャンネル数もすごく多いから、夜寝る時に“今日は映画音楽で寝よう”ってそれを
ずっと聴いてたり、サイトでは音楽だけじゃなくニュースも読めるから、それをベッドで横になりながら操作してるだけで、
ものすごい量の情報が得られるわけですよね。あと、AMラジオも大好きですから、レコーディングの帰りとか夜中でもしょっ
ちゅう聴いてますね。上沼恵美子さんの番組とか「小沢昭一的こころ」とか、浜村淳さんの番組とか。ラジオ日本はね、特に
演歌が強いんですよ(笑)。
──すごい(笑)。好奇心おう盛というんでしょうか。
佐藤:好奇心はありますね。それと、新しい息吹とかフレッシュな感じがするものがすごく好きなんですね。僕ってAORが好
きってイメージがあるみたいなんですけど、AORは僕の中では80年代とかあの時代のもの、というふうに割り切られてるんで
すよ。今いちばんワクワクして聴けるのは例えばグリーン・デイだったり、今この時に生まれるべくして生まれるものがいち
ばん好きですね。
──今回のベストにはビリー・ジョエルの「Honesty」とかぐや姫の「僕の胸でおやすみ」の2曲が新録音で収録されていま
すね。
佐藤:昨年『HITS~CORNERSTONES 3~』を作る時に、ファンの人にリクエストを募ったんですが、最も多かった曲が
「Honesty」。その時はまだイメージが湧かなくてあえてやらなかったんだけど、今回はベスト・アルバムってことで、
もう一回考え直してみて、ジャジーな世界でいきたいなってイメージが湧いて。「僕の胸でおやすみ」は、りみちゃんと
デュエットしてみたいってところから曲を考えていきましたね。りみちゃんは僕の中で日本のNo.1女性シンガーなんですね。
去年共演した時に、ものすごく感動して。この曲はかぐや姫の中でも山田パンダさんが作った曲で、パンダさんのカントリー
テイストが今聴いてもキレイに響く曲だなと思いますね。