英フェスティヴァル、健全なものに
6月から2ヶ月以上続いた英国のフェスティヴァル・シーズンが終了した。今年は、どのフェスティヴァルも早い時期にチケットが完売するなど人気が高かった。また、当日も懸念されていたトラブルはほとんど起きず、無事に終了した。
先手を切ってスタートしたグラストンベリー・フェスティヴァル(6月27~29日)は、Radiohead、Mobyらがヘッドラインを務め、およそ12万人もの人々が集まった。今回、何か問題が起きれば来年の開催が危ないと噂されていた同フェスティヴァルは、警備体制が厳しくうまく組織化されたものだった。そのため心配されていた暴動などは起きず、主催者のMichael Eavisは、“これまでで最高の出来”とご満悦だったが、グラストンベリーの自由な雰囲気が無くなったという声も上がっている。
今年8年目を迎えた Vフェスティヴァル(8月16・17日)も好評だった。大規模なフェスティヴァルでは、どうしても出演アーチストのジャンルが統一されないものだが、同フェスティヴァルのラインナップは、ヘッドライナーのColdplayやRed Hot Chili Peppersをはじめ、Foo Fighters、The Coral、Underworldなど比較的、ファンの好みが近いバンドを集め人気を得た。
フェスティヴァル・シーズンの締めを括ったのが、32年の歴史を誇るレディング/リーズ・フェスティヴァル。3連休(8月22~24日)を通して行われたフェスティヴァルに集まった人々は、ヘッドライナーのBlur、Metallica、Linkin Parkのショウを楽しんだ。キャンプ場でティーンエイジャーの1人が死亡するという出来事があったものの、昨年、リーズ会場で起きた放火事件のような騒動はなかった。
フェスティヴァルでの今年の犯罪数は激変。英国のフェスティヴァルは、これまでのような“酒と薬と暴動”の時代が終わり、太陽の下、健全に音楽を楽しむという形に変貌しているようだ。
Ako Suzuki, London







