【ライブレポート】亀梨和也、独立後初の全国ソロツアー「皆さんの想いを大切にしてこの環境をしっかりと守っていきたい」

2017年の1stソロコンサート以来、9年ぶりに行われた独立後初の亀梨和也の全国ソロツアー<KAZUYA KAMENASHI LIVE TOUR 2026 -FROM HERE->。7月16日の大阪を皮切りに、愛知・広島・宮城・北海道・福岡・東京と7都市13公演を行い、9月18日・19日東京ガーデンシアターの2日間をもって終幕を迎えた。
<KAZUYA KAMENASHI LIVE TOUR 2026 -FROM HERE->は、新たに始まった航海として、7月にリリースした1stアルバム『WAVE』を軸に、これまで歩んできた時間と、これから描いていく未来が詰め込まれたツアー。「環境も変わり、新たな一歩を踏み出した今だからこそ、これまで大切にしてきたものを胸に、まだ見たことのない景色へ進んでいきたい。ここからまた始まる航海を、皆さまと一緒に楽しんでいけたら」という亀梨の思いも込められている。ツアーロゴは和也の“和”にかけた輪と大海原のイメージを掛け合わせて作られているそうだ。
そんな亀梨の想いがふんだんに盛り込まれた<KAZUYA KAMENASHI LIVE TOUR 2026 -FROM HERE>より、今回は9月19日に開催された東京ガーデンシアターの12時30分回・昼公演をレポートする。
入場中は波の音と、あぶくが湧き出る海底に、縦横様々な形の額縁が浮いたり地面に埋まったイメージ映像が流れており、開園前からムードたっぷり。開演まもなくとなると客席からは“和也”コールが起こる。これを受けて亀梨からそれを煽るように、ステージ横モニターには、「和也♡」「がんばれ」とテロップが流れるお茶目な一幕も。
と、ここで幕が上がる前のステージに亀梨が現れ、入場チケットの認証システムにトラブルが起きたとのことで「すべてのお客様が席につき次第始まります」と、開演が押していることが伝えられる。
「ほんとはかっこよく登場したかったんですが、爆笑トークからスタートしましょうか。今のうちにじっくり40歳亀梨の姿を目に焼き付けておいてください。みなさん、幕が上がったら冷静ではいられなくなると思うので。(笑)」と笑いを誘い、自身も今日のライブ前に行ったサウナで、自販機でスマホのキャッシュレス決済ができなかったことを明かし、今日はたまたまデジタルがへそを曲げてしまう日なのかもとポロリ。「焦らなくていいですよ、こちらのトラブルでご迷惑をおかけしました」と遅れて入場したファンを気遣い、「さぁ。かっこつけていきます!それではみなさん後ほど」とスマートに立ち去り、仕切り直してライブがスタート。
スポットライトに照らされ、紗幕越しに亀梨がステージ上に後ろを向いた状態で登場。パフォーマンスしながら振り向くと、黒の仮面で目元を隠した姿があらわになる。ビジュアルに目を奪われていると、亀梨の背後には映像でマグマが弾け、火の粉が散り、呼応するように激しくダンサーが踊り、始まりを表すような噴火のようすを「POMPEII」で表現。歌い切って亀梨がマスクを取ると、観客からは歓声が。ダンスや歌のみならず、光に音に映像と細部まで凝った演出に、開始早々圧倒された。
Overtureでは噴火を経て、海や自然と宇宙とが混ざり合い、なにかが誕生するような様子が描かれており、海底から海面へ浮かびあがり海辺で目を覚ます亀梨の映像が流れる。
新たな始まりを予感させる展開にドキドキしていると、開演前の映像にあった額縁が「Rain」で実写のものとなってステージに登場。亀梨は、天から吊るされた額縁に腰かけてステージに降りてきて、ステージに配置された額縁を使ってダンサーとパフォーマンス。動く芸術品のような世界観だ。「That in that」ではカラフルな照明やポップなダンス、ダンサーとソファーを使って群舞し、ダンサーが捌けると、亀梨はひとりソファーに寝ころんで曲を歌い上げた。心地よいテンポの曲も、亀梨にかかればどこか色っぽい雰囲気を帯びていく。そしてベッドに寝ころんだまま「ゆらゆら」を歌い出し、身体をくねらせムーディーにダンス。漂わせる色気がくどくなく、美しく、絶妙だ。
息切れしながら「ソロとしては約9年ぶりのライブとなります。僕もすっかりね、大人っぽくなって。(笑)前回は31歳で、グループの活動をさせてもらってたし充電期間中でもあったし、あの当時はなかなかソロでやるっていう発想がなかったから、後にも先にももうないかなって思ったツアーだったんですけど。今こうしてまたソロとして新たなる一歩を踏み出してみて、たくさんの方たちといい時間を過ごせるのは幸せです。一公演一公演、素敵な時間を重ねていけたらと思ってますんで、最後までよろしくお願いします。じゃあまた、かっこつけます。」と改めて宣言すると、ファンからも歓声が上がる。
バンドサウンドから始まる「Crushing On You」では、手を手繰り寄せたり腰回ししたり。電球スタンドを使ってダンスし、最後は電球を吹き消す姿がアップで映し出されたのだが、顔に汗をかいた姿までもがきれいで驚いた。「36度5分」では、スタンドについたコードが血管のように光り、脈打つ心臓の音が流れるなか、“チーン”というおりんの音が鳴り、気づけば亀梨は頭に白色の三角をつけ幽霊スタイルに。
「いろいろあったんで、こういうことになっちゃいました。すいません。今日はトラブルがあって先に顔を見せてしまったから、肝心のライブの最初の歓声が少なかった。いつもより少ないとこうなっちゃうんだよ。体温がなくて寒い」と幽霊になった理由を明かし、ガタガタと震えはじめる。大きな歓声で亀梨の名前を呼んで生き返らせるようファンを誘導し、煽りに煽って体温が上がったところで曲がスタート。歓声に満足そうにニヤリと笑い、お化け頭巾を取りご尊顔を見せ、最後にはスタンドマイクを人間に見立てて押し倒したりと、飴と鞭な姿を見ることができた。

「Chemistry」ではバンドメンバーとセッションしたり、リズムに乗ってお散歩のように歩きながら歌い、「Cross」ではバンドサウンドにあわせ力強く、「さよならの代わりに」ではしっとりと歌い出し、遠くを見つめながら歌い、最後はサングラスを外して舌ペロ。
MCでは「昨年の4月に個人で歩むことになりまして。これまでの当たり前はこれからもしっかりと守ってみなさんに不自由かけないように、まずはそこをしっかりときっちりとやっていきたいなということで、早急にコンサートやアルバムの制作に取り掛かりました。今回のツアーは平日開催も多くなってしまったんですが、今までは当たり前のように休日にやらせてもらってたことが当たり前じゃないんだと、ありがたい環境でお仕事させてもらってたなと改めて気づかされました。周りは2年3年先を見越して動いていたりして「ひぃー!」ってなったりもしましたが(笑)、そんな中平日でもたくさんの方たちと一緒にツアーができて本当に幸せです。ありがとうございます」と思いの丈を語った。
ほかにもこの回に亀梨の父母や上田が見に来ていることや、「Love it!!」の振付指導、六角形が連なったネックレス、踊っても耐えられるカラフルなストーンが並んだチェーン、スカルリングなど身に着けているオリジナルのアイテムを紹介し、“ライブタイトルの『FROM HERE』を衣装からも感じてもらえたら”とこだわりを明かしていた。
“もしもし亀さん”とファンとコールアンドレスポンスして「TALK to ME」が始まり、ファンミーティングで各地を回った思い出の写真がバックに流れて、ソロ活動の軌跡に思いを馳せる。「1582」では赤の和柄羽織姿で大きな扇子を持って舞い、フライングで逆さ吊りとなったあとスッと地上に降りて歌い出したり、ポールを使ってくるくると降りてきたりと、盛りだくさんの演出が。紗幕にも赤と黒の花や火の粉が舞い、和の世界がより深く表現されていた。1曲の中にいくつもの印象的なシーンが詰まった濃密なステージングだ。

感激しているのもつかの間。ステージ上で早着替えし、ボルドージャケットを着て顔半分が隠れる仮面姿に変身して、「LOST MY WAY」がスタート。ステッキを持ち、怪しくクールにダンス。「Plastic Tears」ではマスクを外しステッキを放り出して、ダンサーを従えキラキラと舞い、ボルテージは最高潮に。かと思えばコンテンポラリーのようなダンスで場面を切り替え、「00’00’16」「CAN’T CRY」と切なげな顔で歌い、マジックミラーを使った鏡の内側と外側でのアクトには、ストーリー性も感じられた。
「someday for somebody」ではトロッコで登場し、身を乗り出したり屈んだりと2階や3階へも目を向けて各方面へファンサービス。「現在(いま)」では黒スーツに深めに被ったハットを合わせ、つばの影から含みのある表情を見せ、くるくると見事なターンをきめ、「Diamond」では、顔が見える位置にハットをかぶり直して、見上げて先を見据えるよう歌う。
ペンライトの揺れもノリノリで、サビをファンと合唱する「’O sole mio」、赤い糸を手に巻き、ダンサーに担がれながら踊ったり、華々しいスパークラー噴射の中、英語の歌詞もこなす「Passion Overdose」と畳みかけ、締めのキメポーズ。ここでバチバチのハードモードから一転、星空のようなライトがきらめくなか「ここにいなくても」をエモーショナルに歌い上げる。最後はライブが作られる過程を収められたメイキング映像がエンドロールとして流れ、閉幕を迎えた。

熱量冷めやらぬままアンコールの「和也」コールが沸き起こり、すぐに亀梨がカムバック。アンコールでもトロッコで客席を回ったり、チャーミングにウサギの顔マネ(!?)をしたりしながら「Love it!!」を客席と一体になって踊る。
締めに「ファンネームも『K-SEA(ケー・シー)』と決まったこと、自分自身も新たな旅立ちという意味を込めて“今現在、そしてここからまた新たな旅を”という意味のツアータイトルをつけました。様々な環境や状況のなか、こうしてついてきてくださる皆さんの想いを大切にして、この環境をしっかりと守っていきたいと思っています。時には穏やかで時には大きい波が立っても、受け止めて進んでいけたらいいなと。濁りのないエンターテイメントを受け取ってもらえるよう、活動していきますので、どうか素敵な関係をこれからも作り上げていきましょう」と伝え、「絆」で有終の美を飾った。

緻密に作られたくらくらするほどの濃厚なエンターテイメントに、キラキラのアイドルウインクや清廉なセクシーさ、KAT-TUN仕込みのオラオラ感も包括されており、歴史を感じるとともに、亀梨の手数の多さに驚かされた2時間半だった。その場に座っていただけなのに夢の国に一日いたかのような満足感で、これからの航海にも希望が感じられた。どんな荒波にも立ち向かっていくであろう未来が、今からとても楽しみだ。
取材・文◎吉田 藍