【インタビュー】ゆとりくん、2nd EP『ミラーボールを消して』という衝動に「経営者である自分が音楽をやっている意味」

2026.07.13 18:00

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■“自分自身を楽しみきる”ことは
■誰にでも開かれているんだと伝えられたら

──自分の痛みを創作に変えて愛を受け取っているという話でしたが、どの曲も、聴く人の気持ちを軽くさせてくれる力がありますよ。“拡大・発展・成長”の3ワードは、もうこの時代の空気としてあるわけで。余裕を持つのが難しい世の中だけど、だからこそ、「バブりたい」のような曲があると、ちょっと助かるというか。

ゆとりくん:嬉しいです。アーティストって、“受け取った人がどう思っても関係ないです” “俺は俺の作りたいものを作っているだけ”というカッコよさもあるじゃないですか。69で最初に『DEADSTOCK』というEPを作った時は、自分の鬱屈とした感情を、ある種スカしながら出していたんです。でも、今の俺がそれをやっちゃうと、暴力に近くなっちゃうなと思ったんですよ。なぜかというと、社会は資本主義で、前提となるゲームを攻略している人ではあるので。

──そこに自分で気づけるのは、すごいですね。

ゆとりくん:自分で曲を作っていると、制作過程で繰り返し聴くことになるんですけど、ある時、“こういう曲、聴きたくないな”と思っちゃったんですよ。そのあと69で「TAO」という曲を作った時に、“絶対にこっちのほうがいいよな”と改めて思って。音楽って、生活の知恵みたいなものを極めて直感的に伝えられるものじゃないですか。だから聴いた人が“頑張ろう” “私は私でいいんだ”と思えるような、読後感としてプラスのものであってほしいなと。今はそれが、自分の創作の大前提になっていますね。だから「PARADOX」の最後のフレーズも、大どんでん返しみたいに書いていて。

──《昼夜逆転 行けよ勘違いのままで》というフレーズですね。

ゆとりくん:お前自身が正しいと思っているんだったら、その方向へ進めばいいじゃん、っていう。あの頃の自分だったら、こう書いていないだろうなと思います。

──自分が聴きたい曲を作るって、音楽制作において一番大事なことですよね。

ゆとりくん:そうなんですよ。「聴きたい曲を作りたい」って言うとちょっとバカっぽく聞こえるけど、本当にそれでしかないよねって思う。要はリアリティ、体感、温度みたいな。結局は、自分の身体性をどこまで解釈するか、という話だと思うんですよね。

──ご自身にとって、音楽を作ることは“身体性から逃げられない”ことですか?

ゆとりくん:そうですね。先日、所属事務所(クラウドナイン)のアーティストが集うライブ(<Bloom from Here -Day1->)があったんですよ。ライブって、どこまで行っても度胸と忍だなと改めて思ったし、身体性から逃れられないという感覚はすごくあります。経営って、自分の頭でどこまでも飛んでいけちゃうんです。そっちが宇宙だとしたら、歌を歌うことは、地に足をつけること。スピ的に言うと、“グラウンディング”という言葉になるんですけど。

──グラウンディングですか。

ゆとりくん:もしかしたら、去年の秋にあったあの浮遊感は、どこまでも行けちゃうことに対する恐怖だったのかもしれない。“人間じゃなくなっちゃうのかな?”みたいな。みんなの中にある“嫌な起業家・金持ち像”って、すごく極端に言うと、“俺は金を稼いでるんだから、なんで若い人の言うことを聞かなきゃいけないの?”みたいな感じじゃないですか。きっと、地に足をつけていないと、裸の王様になってしまいやすいんですよ。だから、あえて重力を感じること、陰と陽で言うところの“陰”をちゃんと自分の中に取り入れることが大事で。

──時に思い通りにならない感覚を味わったり、頭だけでは辿り着けない場所にあえて足を踏み入れることも大事だと。よく考えたら、会社のトップの人が、ライブハウスの小さい楽屋にいるという状況は面白いですよね。

ゆとりくん:先日の楽屋、20代の子たちばかりで、本当に意味が分からない状況でした(笑)。でも、そのほうが人間として面白いじゃないですか。そうやって、みんなの理解からすり抜け続けたい。訳が分からなくて面白い人にどんどんなっていきたいです。

──7月18日に開催される<ゆとりくん本気の独演(奏)会>は、どんな場所になりそうですか?

ゆとりくん:もう、最高の空間に。みんなの運気が上がる空間になります。

──トークショーとライブが融合したような構成だそうですね。

ゆとりくん:自分にとっては、今こうやって喋っている言葉も、歌詞にかなり近いんですよ。言語が資本主義的なもので、曲が感受性的なものだとしたら、俺はそのどちらにも軽やかに行ける、そういう人って“社長兼アーティスト”という肩書きも含めて、まず俺しかいないから、“創作ってもっと開かれてるんだよ”とライブを通じて伝えたいのかもしれない……と今話しながら思いました。曲って、天才しか作れないと思われがちじゃないですか。でも、何もかもはグラデーションで、日常の延長線上にあるもので。自分の願いと楽しさ次第では、そこに到達することも全然できるから。大事なのは勇気と、“できるんだ”と思うこと。“自分自身を楽しみきる”ことは誰にでも開かれているんだと、言葉と音楽を行き来しながら伝えられたらいいですね。

取材・文◎蜂須賀ちなみ
撮影◎淵上裕太

 

■2nd EP『ミラーボールを消して』
2026年7月3日(金)配信開始
配信リンク:https://linkco.re/HzuTBYYd
01 fashion
 作詞・作曲:ゆとりくん, ゆうやけしはす 編曲:ゆうやけしはす
02 turn go (feat. YOSHIKI EZAKI)
 作詞:ゆとりくん 作曲:ゆとりくん, YOSHIKI EZAKI 編曲:YOSHIKI EZAKI
03 PARADOX (feat. KOHEI, Sora)
 作詞:ゆとりくん, YOSHIKI EZAKI, Sora 作曲:ゆとりくん, YOSHIKI EZAKI 編曲:YOSHIKI EZAKI
04 feel real me
 作詞:ゆとりくん 作曲:ゆとりくん, James Caramel 編曲:James Caramel
05 バブりたい
 作詞:ゆとりくん 作曲:ゆとりくん, チバニャン 編曲:チバニャン

 

■2nd EP『ミラーボールを消して』リリース記念スペシャルラジオ
『ゆとりくんの今夜はバブりたい』生配信
配信⽇時:7⽉15⽇(⽔)21:00〜22:00
※AWAラウンジにて生配信
参加URL:https://mf.awa.fm/open_yutorikun_0715

 

■<ゆとりくん本気の独演(奏)会>
7月18日(土) 東京・代官山UNIT
open16:00 / start17:00
▼チケット
前売 VIPスタンディング ¥7,777 (税込/ドリンク代別/最前エリア/特典付き)※SOLD OUT
前売 スタンディング ¥4,500 (税込/ドリンク代別)
・ローソン:https://l-tike.com/yutorikun/
・ぴあ:https://w.pia.jp/t/yutorikun/
・e+:https://eplus.jp/yutorikun/
※券種:紙/電子チケット併用・同行者登録なし
※年齢制限:未就学児入場不可
(問)ディスクガレージ:https://info.diskgarage.com/

 

■番組『ゆとりくんクンcuun!!』
放送局:interfm (東京:89.7 MHz / 横浜:76.5 MHz)
DJ:ゆとりくん
放送日時:毎週土曜日21:30〜21:55 (25分番組)
番組HP:https://www.interfm.co.jp/yutori-kun

 

 

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