【速レポ】<CROSS ROAD Fest>SHAZNA、ヒラヒラと舞い歌う華麗なステージ「ありがとう、大好き!」

2025.11.15 21:46

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’90年代後半、J-ROCKシーンのメインストリームではヴィジュアル系のバンドが大活躍していた。中でもSHAZNAは、同時期にメジャーデビューしていたMALICE MIZER、FANATIC◇CRISIS、La’cryma Christiらと共に“ヴィジュアル系四天王”と称された存在。中性的なんていう言葉では追いつかないほどガーリーでキュートなIZAMのルックスも注目を集める一方、一風堂の「すみれ September Love」をカバーしたシングルも65万枚を超えるヒットを記録。一躍お茶の間でも知られるバンドとなったのだった。その後、活動休止や解散、再結成を経て、2023年の結成30周年を期に初心に帰り3人体制で活動再開した。

◆ライブ写真

TVなどでIZAMの姿を見ることはあっても、SHAZNAとしてのライブを観るのは久しぶりという人も多かったのではないだろうか。が、そこはサービス精神たっぷりのIZAM。1バンド前のPlastic Treeの出番が終わると、転換タイムにすかさずステージに登場。幕の後ろで楽器チームが音出しをしている間、ずっと一人でお客さんたちと世間話を続け、楽しませてくれたのだった。ちなみに「僕がこう言ったら、みんなはこう答えるんだよ」など、コール&レスポンスもしっかり仕込んでいた。そうしてすっかり場が和んだところで、いよいよ幕が上がった。

「それでは、SHAZNA参ります!」の台詞で始まったのは、彼らの代表曲中の代表曲「Melty Love」。フワッと浮遊感あるシンセの音をバックに《Melty Love, melty love, melty love》と歌うIZAMのボーカルが響く。まるで『スター・ウォーズ』レイア姫のようなヘアスタイルのIZAMと、がっつり脚を広げてのけぞり気味に楽器を構えるA・O・I(G)とNIY(B)。三人がそれぞれのスタンスを守っている様というか、存在感のコントラストは、相変わらず絶妙だ。間奏部分では「みんなで歌おうか」とIZAMが観客に語りかけ、サビの《Melty Love》というフレーズが大合唱に。「もっともっと、もっともっと!」とIZAMはひとしきり煽ったあと、体を左右に揺らしながらLOVERS(ファンネーム)の歌声を受けとめ、満足げに両手で大きくポーズを作ってみせた。

「Melty Love」が終わると、すかさずドラムがリズムを刻む。IZAMが「Raspberry Time!」と告げると、人気曲の連続投下に会場はさらに沸き立った。ステージの照明も、観客が振るサイリウムも甘いピンク色。会場全体がSHAZNAのイメージカラーである濃いピンク色に染まる。間奏では、「ベース、NIY!」、「ギター、A・O・I!」とIZAMに指名されて、それぞれワンフレーズずつソロ回しを披露。A・O・Iの抜けの良い音作り、透明感あるサウンドは本当に聴いていて気持ちがいい。NIYのベースプレイも実に力強いグルーヴをはじき出してくれる。

MCでは、同じ事務所の先輩であるLUNA SEAへのリスペクトを語った。

「今日の出演バンドは全員、同じ事務所に所属していました。トップにLUNA SEA先輩がいたから、僕らもこうしてステージに立てているんだと思います。先輩の存在って偉大だなって。SHAZNAは一度解散もしているんですけど、そういうのがなくても何故か会えなくなっちゃう人っているじゃん。でも、先輩がいるから、今日こうしてみんな会えてる」(IZAM)

そして、来年にはSHAZNAのツアーが予定されていること、その東京・有楽町ヒューリックホール公演は自身の誕生日であることを告知し、「やったるぞー!」と気合いをのぞかせた。

「次の曲はデビューして2回目のアニメタイアップかな。2曲続けていきます」と、まずは9thシングル曲の「Piece of Love」を。続けて、IZAMが「シグナル!」と叫ぶとスモークの柱が吹き上がった。2007年リリースの3rdアルバム『10TH MELTY LIFE』収録曲「SIGNAL」だ。ヒラヒラと舞い歌うIZAMの一方で、NIYとA・O・Iがアイコンタクトしながら笑顔を交わしたり、背中合わせに絡んでキメを作ったり、ミュージシャンらしい見せ場もしっかり作ってくれるのが嬉しい。

ラストは、2024年リリースの4thアルバム『参華三釼』に収録曲を2曲続けて。「一角獣 -モノケロス-」も「夏彩マジック」も、初めて聴いた人でもサビを口ずさめるようなキャッチーさが魅力。観客もサイリウムを振りながら、メンバーと一緒に演奏を楽しんでいた。「夏彩マジック」では、間奏部分で3人が真ん中に集まるというフォーメーションでギターソロを披露。アウトロでIZAMが「最後に僕が“どうもありがとう!”って言うから、みんな“どういたしまして”って答えてね」とリクエストすると、LOVERSはしっかり「どういたしまして!」とお行儀良くリアクション。それを聴いて「ありがとう、大好き!」と微笑むIZAMは掛け値無しに可愛かった。フロントマンとしてこれほど華がある人もそうそういないだろう。久しぶりにSHAZNAを満喫した夜となった。

取材・文◎舟見佳子
撮影◎堅田ひとみ

■セットリスト
1​. Melty Love
2​. Raspberry Time
3​. PIECE OF LOVE
4​. SIGNAL
5​. 一角獣 -モノケロス-
6​. 夏彩マジック

■<CROSS ROAD Fest>
【DAY1】11⽉15⽇(土) 千葉・幕張メッセ 幕張イベントホール
open12:00 / start13:00
【DAY2】11⽉16⽇(日) 千葉・幕張メッセ 幕張イベントホール
open10:30 / start11:30
〒261-8550 千葉市美浜区中瀬2-1

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