【インタビュー】由薫、ドラマ『推しの殺人』主題歌「The rose」に残酷さと混沌と光り「美しさとはどういうものか?」

■まさに自分の現状に
■穴を開けるきっかけになる曲
──今は自分が書きたいもの、自分の心に従って曲を作っているようですが、感触はどうですか。作り方なども変わってきたなという感じはありますか?
由薫:これまで必死に曲を書いていたときは、“書くものがないな”と思っていたんです。今は、“書くものってたくさんあるな”って。ひとつ大きく変化したのが、iPhoneにジャーナルというアプリがデフォルトで入っていて、なんだろう?と思って開いたら日記が書けるようなもので。
──Apple純正の日記アプリのようですね。
由薫:そこに、自分の心のボックスみたいな感じで、何か感情が湧いたときにポンポン投入するようにしていたんです。後でそれを開いたときに、“これっていくらでも曲にできる宝庫だな”と思って。以前のインタビューでも言ったかもしれないですけど、曲が書けないとか、書くことに対してプレッシャーを感じていたり、悩みが多かった時期は、“心の泉が湧かなくなっちゃった”って本気で思っていたんです。今はそういうアプリが助けになったりとか、(ふたつのノートを取り出して)今はツアーのセットリストとか、そのときの感情を書く大きなノートと、自分の人生について書く小さなノートのふたつも持ち歩いていて。


──いろんなことをいろんなところに書き留めるようにしてるんですね。
由薫:書くことで、自分とうまく対話ができたり、自分を見つめて考える時間にもなったんですね。そういうなかにたくさん卵が転がっているなって思えて。今は、曲を書くことに対してポジティヴになれているんです。しかも「The rose」も、自分で作ったデモのなかからできたもので、スタッフの方も「いい!」と言ってくれているし、自分でも納得する仕上がりにできた。暗い曲だけど、自分にとってはそれこそ希望のようなポジションでもあります。まさに自分の現状にひとつ、穴を開けるきっかけになる曲かなって思っているので。これからの曲も楽しみにしていてほしいなって思うんです。
──ここからの曲もまた楽しみです。歌や音楽って、日常の些細なことを歌ってもいいんだなっていう気持ちになれた感じもあるんですか?
由薫:そうですね。“人のためだったら書けるけれど、自分自身で歌う曲ってなると、何も書きたいことがないな”って感じてたことが一時期あったんですけど。そんなことはない、と気づいたし。自分の心のいろんなタイミングで、ちゃんと点を打つ作業ができはじめているのかなって思います。それでこういう気持ちになったっていう。自分ではプレーンでフラットな人間だと思っていたし、ずっと同じ気持ちで生きてきていると勝手に思ってましたけど、振り返ると、全然そんなことなかったんだなって。自分のことを知った気になっちゃダメだなと思いました(笑)。思いがけないものがあるっていうことは、思いがけない自分がいたっていう証拠だし。いろんな方法で自分と向き合う、その方法のひとつがこのノートで。そういうことでいろんな変化があるんだなって思ってます。

──今年のテーマである“見つめる”が、ちゃんと軸になっていますね。
由薫:まさか、こんなに目標を体現する期間になるとは思ってませんでしたけどね(笑)。
取材・文◎吉羽さおり
撮影◎TOYO

■デジタルシングル「The rose」
※ドラマ『推しの殺人』主題歌
2025年10月22日(水)配信開始
配信リンク:https://lnk.to/yu-ka_the-rose
▼ドラマ『推しの殺人』
放送日時:2025年10月2日(木)スタート
毎週木曜日よる11:59~0:54 ※全13話
放送局:読売テレビ・日本テレビ系全国ネット ※30局 ※プラチナイト枠
キャスト:田辺桃子、横田真悠、林芽亜里
原作:遠藤かたる 『推しの殺人』(宝島社文庫)
※『このミステリーがすごい!』大賞 文庫グランプリ受賞
・公式HP:https://www.ytv.co.jp/oshisatsu/
・公式X:@oshisatsu_ytv
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