【舞台裏インタビュー】<山人音楽祭2025>LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS PLUS「聴かすっていうことも大事だなって思うようになった」

今年の<山人音楽祭>もいよいよ大詰め。榛名ステージのトリを務めたのはLOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS PLUSだ。
もともとG-FREAK FACTORYとは関係性も深く、出演は3年連続5回目。直前の赤城ステージがBRAHMAN、直後が大トリのG-FREAK FACTORYという、なかなか担うのが難しい位置ではあったが、LOW IQ 01(Vo, B)が渡邊忍(G)、フルカワユタカ(G)、山崎聖之(Dr)とそれぞれ拳を合わせ、「ア、バ、レ、ロー!」と叫んでスタートさせた「Delusions of Grandeur」から広がっていくのは素晴らしき多幸感。まさしくポップマエストロと呼びたい01のソングライティングが見事なのは当然として、ヘヴィなリフや強い音塊が放たれる曲だとしてもフワッと心を軽くさせる力がある。
そして、いつ観ても01のステージはきらびやかだ。セットや演出なんて関係なく、どこだって光り輝いてる。吸い寄せられるように観客も増えていき、前へ前へと押し寄せ、笑顔で拳を力いっぱい突き上げるのだ。
中盤戦に披露したニヤけるぐらいのグッドメロディーを誇る「Snowman」ではBRAHMANのライブを終えたばかりのTOSHI-LOWも阿吽の呼吸で登場。フルカワや01の予備ピックを全部フロアへ投げ入れるというイタズラもしつつ、大ジャンプとコーラスをバシッと決めてくれたのも嬉しいところ。この他にはないムードがたまらない。
「飛ばしていきますよ!」と01が声を上げた終盤戦はキラーチューンをこれでもか、と連投。観客がみんなで肩を組み、大きなサークルを作って爆発した「So Easy」、発明的な超高性能ポップチューン「MAKIN’ MAGIC」と続け、締めくくりは「Little Giant」。ひっきりなしにダイバーも生まれ、大きなシンガロングも湧き上がる。彼らにしかできない、歓喜に満ちた空間をしっかりと生み出していた。
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──スタート時に「まだ上でBRAHMANがやってるんだよ(苦笑)」という愚痴もこぼれてましたが(笑)、始まってみれば今日も最高のライブでした。
LOW IQ 01(以下01):ありがとうございます(笑)。いい意味で難しい時間に入れてもらったかな、と。
──昨年は4人が揃ったTHE RHYTHM MAKERS PLUSとして初めての<山人音楽祭>で赤城ステージ、今年は赤城ステージのBRAHMANと大トリのG-FREAK FACTORYに挟まれた榛名ステージのトリでした。
01:まあ、格下げだと思います(笑)。
──そんなことないですよ(笑)。
01:流れ的におじさんゾーン、突入じゃないですか。BRAHMANからLOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS PLUSにいって、G-FREAK FACTORY FACTORYっていう(笑)。その感じがそれはそれでアリなのかなって。
──いやいや、この位置は01さんしかできないですよ。特別な緊張感もなく?
01:楽しくやらせてもらいました。
──3年連続5回目の出演となって……あっ、お二人も来ていただけたんですね。
フルカワユタカ(G):お疲れさまです。
山崎聖之(Dr)お疲れさまです。
──今、01さんに難しい立ち位置でしたね、ということをお聞きしてたんですよ。
01:DAZE(山崎)はおじさんゾーンじゃないですけど(笑)。
山崎:でも、もう40手前ですよ。
01:DAZEはどっちにもいけるんですよ。ちょうどいいバランサーみたいな。
──バンド全体として。
01:雰囲気もそうだし、よく言ってるんだけど、DAZEがいちばんマトモっていう。
山崎 そんなことないですよ(笑)。
01:オレたちの世代、結構考え方がハチャメチャなんですよ。なんだけど、今はマトモじゃないと……って言い方もあれですけど(笑)、そのバランスがDAZEが凄く上手だなって。
──ちなみに年齢的にフルカワさんはちょうど中間になりますよね。
フルカワ:この3人だとそうなりますね。でも、オレが間を取り持つことなんてなくて、DAZEがしっかりしてますからね。
01:(渡邉)忍は今いないけど、ギリ同期みたいなところもあったりして。そう言うとオレのことを「先輩ですよ」と言ってくれたりもするんだけど。

──<山人音楽祭>は今年で10周年、01さんも昨年ソロ25周年を迎えられてます。長く続けることで見えてくるモノもあるのかな、と。
01:いや〜、長くやるというか、カッコつけた言い方じゃないけど、オレの場合はただ単に月日が流れたにすぎないんですよ。やっぱり、何だろうな、音楽をやめる理由もわかんないし。たまに嫌なこともあるけど、ここまでやってきたってことはこれから先も自然に流れに身を任せて……来年、THE RHYTHM MAKERSが10周年なんですよ。
──あっ、もうそんなに経つんですね。
01:この10年の中でユタカもいろいろあり、まさかのパンダ(DOPING PANDA)復活とか。歳を取ってくとさ、だんだんペースダウンになってくるじゃん。でも、今のご時世って、人生100年って言われてるから、そう考えると「まだまだ長えな、オレら」って(笑)。まだやんなきゃいけない、って言ったらへんな話かもしれないけど。
──そりゃ、5年、10年、15年とまだまだ観続けたいですよ。
01:できたらいいなとオレも思うし。
──そうなってくれば、いろんな広がりもまた出ますよね。
フルカワ:THE RHYTHM MAKERSも10年前と全然違いますからね。
01:そうだね。自分で思ってることとしては、若いころよりも今の方が上手いんじゃないかって。演奏とかグルーヴ感とか、若いときの良さ、荒々しさとか勢いとかもあるけど、そういうのも超えて。昔は魅せることばっか意識したけど、聴かすっていうことも大事だなって思うようになったし。
フルカワ:10年前だとドラムもTDC(福田”TDC”忠章)さんだったし、オレも呼ばれてギターを弾いてる、ぐらいでしたからね。その後、DAZEになって、ツアーも何本もやって、バンドっぽくなったというか。ストーリーができちゃったんですよ。01さんがさっき「時間が過ぎただけだ」って言ってて、そういう言い方にもなるんだけど、10年経ったら関係性も全然違うし。
──01さんのライブって、多幸感を凄く感じるんですよ。ヘヴィなサウンドでガツンときたとしても。
フルカワ:あぁ、終わった後に、っていう。
──心が軽くなるみたいな。その関係性も関わってるんだろうな、と思います。
フルカワ:あと、01にヒーロー感があるんじゃないですかね。重苦しさがないし、考えさせられるようなMCもないし。
01:何か、バンドって持ち味がいろいろあると思うんだよね。オレは明るいと言っちゃただのアホみたいだけど(笑)、それって出そうと思って出せるもんじゃないから。
──そうなんですよ。
01:BRAHMANにはBRAHMANの説得力があって、G-FREAK FACTORYにはG-FREAK FACTORYの説得力があって。ウチらにはその説得力はないんですよ、いい意味でね。強いメッセージは言ったことがないんだけど、終わった後に……飲食店を出てきた感じっていうのかな。
フルカワ:満足してる、っていう。
──あぁ、満たされてる感ですよね。
01:オレができることのいちばんはそこかな、って。TOSHI-LOWもウチでしか見せない表情を見せてくれたりするし。
──そこは01さんの人柄ですよ。滲み出るモノにみんな感化されて、今日のフロアも凄く温かかったですし。それこそ、それがあるからG-FREAK FACTORYも榛名のトリを頼んだんだと思います。
01:まあ……へんな話、他のフェスだったら全然関係ない人が出てもいいと思う。この<山人音楽祭>は繋がりのあるフェスだから、商業的に売れてる人を入れて、っていうのは違うし。音楽をやってる人が主宰フェスってそこに意味がある。
フルカワ:バンドが主宰してる意味ですよね。
01:思うけど、結局、残るフェスって、こういう繋がりのあるモノだよね。
取材・文◎ヤコウリュウジ
写真◎淵上裕太
ライブ写真◎半田安政
■G-FREAK FACTORY主宰<山人音楽祭 2025 ~10th Anniversary~>
9月20日(土) 群馬・日本トーターグリーンドーム前橋
9月21日(日) 群馬・日本トーターグリーンドーム前橋
〒371-0035 群馬県前橋市岩神町1-2-1
open9:30 / start11:00 / 終演20:00※予定
▼9/20(土)出演者
Age Factory / ENTH / かりゆし58 / 氣志團 / KOTORI / G-FREAK FACTORY / SHANK / 上州弾語組合 / SKA FREAKS / 高木ブー / DJダイノジ(大谷) / 10-FEET / TOTALFAT / 花冷え。 / HAWAIIAN6 / The BONEZ / locofrank / ROTTENGRAFFTY(※五十音順)
“能登半島応援企画 MAKE A PROMISE TO NOTO (Tokyo Tanaka×バカビリー×高橋ちえ)”
▼9/21(日)出演者
片平里菜 / G-FREAK FACTORY / J-REXXX BAND / JUN SKY WALKER(S) / 上州弾語組合 / 四星球 / 竹原ピストル / NakamuraEmi / バックドロップシンデレラ / ハルカミライ / Hump Back / BANYAROZ / 04 Limited Sazabys / FOMARE / BRAHMAN / HEY-SMITH / 山嵐 / LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS PLUS(※五十音順)
『山人MCバトル×戦極MCバトル』※開催は9/21(日)
Armadillo / bendy / DOTAMA / FCザイロス / GOMESS / KOOPA / 溝上たんぼ / NAIKA MC / 歩歩 / risano / Sitissy luvit
DJ:R da Masta
司会:K.I.G
『上州弾語組合』
9/20(土) 清水 明夫 / KIE Anderson / garb / 16号。 / 横山 ナオ / 上原梅弦
9/21(日) 高平 悠 / 山口 貴大 / 茂木 拳 / 鹿山 音楽 / ジュンペイ / 藤井 トモカズ
▼チケット
・各1日券 9,500円(税込)
・2日券 18,000円(税込)
・駐車場付 1日券(9/20)※SOLD OUT
・駐車場付 1日券(9/21)※SOLD OUT
・駐車場付 2日券 ※SOLD OUT
(問)DISK GARAGE https://info.diskgarage.com
主催:DISK GARAGE/BADASS/上毛新聞社
企画・制作:DISK GARAGE/BADASS







