【舞台裏インタビュー】<山人音楽祭2025>氣志團「念願叶って、ついに初出演」

綾小路 翔が改造バイクでオンステージするというオープニングで観客の度肝を抜いた氣志團は、バイクの爆音とドラムのセッションによる「Axel Call」からライブになだれ込むと、エンタメ精神に溢れたパフォーマンスと極めてテクニカルなバンドアンサンブルの魅力を見せつけ、初出演となる<山人音楽祭>に大きな爪痕を残した。
ライブの中盤では、10月22日にリリースする新曲「汚れなきクソ野郎ども」も披露して、氣志團流の歌謡ロックとよさこい節を掛け合わせるという新境地もアピールした。もちろん、「One Night Carnival」をセットリストから外すような野暮なこともしない。
「念願叶って、ついに初出演です。ずっと出たかったぞ! めちゃめちゃうれしい。本当にありがとう!」
開口一番そう声を上げた綾小路は、同じ1997年に結成した氣志團とG-FREAK FACTORYについて「タメです。同期の桜」と言い、「あの時代から生き馬の目を抜くロックシーンを、ともにサバイブしてきたライバルであり、仲間です。そんなG-FREAK FACTORYが主催するフェスに出られるなんて、バンドを続けてきてよかった」と続けたが、地元でフェスを主催しているという意味でもライバルであり、仲間でもあるG-FREAK FACTORYに送ったエールもまた、今回の氣志團のステージの聴きどころだったと思う。
「切磋琢磨しながらロックという危ういものを続けてきた戦友です。地元群馬でフェスをやりつづけていることに感謝。弱気を助け、強気を挫く、まさにロック界の国定忠治。心から尊敬しています!」そして、「負けられない。ロックフェスはみんなの“好き”が集まるところ。みんなの好きになりたいと思ってます!」と続けた。
すでに書いた通り、<山人音楽祭>に大きな爪痕を残した氣志團と今日出会い、新たな“好き”のひとつになったという人も少なくなかったんじゃないだろうか。本番直後、メンバー達に改めて<山人音楽祭>初出演を振り返ってもらった。
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──改造バイクでオンステージしたバンドは<山人音楽祭>初ではないかと思います。それも含めとても見応えがありましたが、ライブを終えた感想をおひとりずつ聞かせていただけますか?
綾小路翔(DRAGON VOICE, MC & G):どうでした? みなさん。
西園寺 瞳(G):初めて参加させていただいたんですけど、会場もあんまり経験したことがない形態で。 ここは競輪場なんですか?
──そうですね。
西園寺:競輪のバンクを横に使っているから、お客さんはいっぱいなんだけど、近くに感じられていいなと思いながら、楽しく演奏させていただきました。
星グランマニエ(G):バイクで登場した時、今までで一番盛り上がったような。
綾小路:ほんと?
星:過去イチだったんじゃないかな。
綾小路:ならよかった。いつもね、バイクの音が大きすぎて、ウケてんのかなって思いながらやってるんですけど、途中からからそんなの関係ねえやと思ってやってるんで。でも、喜んでもらえたならよかった〜。光さんは?
早乙女 光(Dance & Scream):#$@*&%!!
綾小路:あー、自分が言いたかったこと、殆ど言われちゃった?そうだよねぇ。
──白鳥さんは?
白鳥松竹梅(B):男性のお客さんがちょっと多かったかなっていうイメージがあって、太い声がうれしかったですよ。もちろん女性のお客さんもうれしいですけど、そんなところが印象的でした。
綾小路:やっぱね、ロックの街だから、男の子も熱いんだろうね。僕らくらいのキャリアになったら、男女比なんかもちゃんとわかる余裕がそろそろ欲しいけど、自分はいつも己のことで精一杯で、あんまりわかってないんだよなぁ〜(笑)。僕はずっと<山人音楽祭>に出たかったんで、感動しながらやってましたね。MCでも話したんですけどG-FREAK FACTORYとは昔からお互いを知っているものの、ツーマンで対バンとかはしたことがなかったんですよね。でも我々、実際すぐ隣の隣ぐらいにいつもいたんですよ。誰かを挟んで、すぐ隣に。例えば10-FEETだったり、BRAHMANだったり。勝手にと言うか、一方的に戦友だと思っていて。それは僕ら含め、97年に結成したグループがけっこう多いからなんですけど、このまま行けば、2年後には15とか20とか、それくらいの数のロックバンドがみんなで30周年を迎えられるはずなんですよ。
──確かに。
綾小路:そうかと思えば、いなくなってしまったバンドもそれ以上に多くて。そう思うと、よけいにね。しかも、僕らもそうでしたけど、地元でフェスをやることってとてもロマンがあるけど、それ以上に大変なことが山積みで。G-FREAK FACTORYがどれぐらい大変なことをやってるか、理解してるつもりだったから、自分の街にこんなに凄い仲間達を集めて10年やってるってほんとに途轍もない偉業だよなって感動してたし、そんなG-FREAK FACTORYの前でやれることもうれしかったし。あと、やっぱり僕ら、ちょっとだけシーンの外れた場所にいたんで、こうして何年もかかってG-FREAK FACTORYに声をかけてもらえるようになったっていうことがうれしくて。その恩返しするんだみたいな気持ちでいたんで、かなり気合は入っていたんです。だから、めちゃくちゃエモーショナルな気分で今日はやってました。それがお客さんに届いてたならうれしいなって思ってます。
──そんな<山人音楽祭>に今後、期待したいことはありますか?
綾小路:いやぁ、だって<山人音楽祭>って3ステージでしょ。基本ね、<気志團万博>は2ステージでやってるから、それだけでもすごいですよね。尚且つ、俺達の土地よりも東京から遠いところにあって。なんかもう俺達が言えることなんか何もねえよっていう。
西園寺:ケータリングが最高すぎて。めっちゃ美味しかったよね。また呼んでほしい。
綾小路:そうだよ。期待することは、また呼んでもらうってことだよね。お願いします。また呼んでもらえるようにがんばろうっていう目標ができましたね。マジで頑張ります。
──今日は、10月22日にリリースする5年8か月ぶりのシングル「汚れなきクソ野郎でも」も披露していました。せっかくなので、その新曲についても聞かせてください。
綾小路:誤解を恐れずに言えば、「日本でいま一番ダサい曲」と言われてもおかしくないような、すげえものを作っちゃったなって思ってます。いま周りのみんながやってる音楽がかっこいいんだとしたら、その対極の位置にいるみたいな。ただ、それがダサいなのか、それともさらにクールなのかは、俺達のこれから次第かもですね。ただ、いまこの楽曲を作れるのは地上で我々だけじゃないかなと思いますし、どこにもない曲を作れたなっていうのは気持ちがいいですね。自分の殻をちょっと破れたような気もしてるんです。
──確かに、氣志團にしか作れないと思います。
綾小路:自分達の中の“かっこいいもの”の幅が広がってきて、それに対しての自信みたいなものがちょっとできてきたのかな。「汚れなきクソ野郎でも」は、ドラマへの当て書き曲なんですよ。『ドンケツ』っていう漫画が原作の超アウトローなドラマがありまして、その主題歌をということから始まりました。そこからインスパイアされたので、普段なら書かないような曲が書けたので、新境地だと思って楽しめましたね。チャレンジしたいけど危なっかしいなと思っていた“よさこい”も取り入れられたし、よさこいの人達と一緒に振り付けを作ったりもできたし。ここに来てまた新しいことを知れたっていうのが良かったですね。これからたくさんの人に聴いてもらって、笑ったり踊ったり、楽しんでもらえるようにプロモーションしていきたいなと思っております。

──11月15日、16日には<サントリー オールフリーpresents 氣志團万博2025〜関東爆音パビリオン〜 powered by Epson>も開催されますね。
西園寺:さっきも話題に上がりましたが、我々も何とかどうにか30周年目前のところまでやれてますけど、バンドもフェスもいつまで続けられるかわからない。この<山人音楽祭>も今年で10周年ですよね。みんな本当に命懸けでがんばってやってると思うので、ほんとフェスも一期一会。ちょっとでも興味のあるアーティストがいたら、ぜひ会場に遊びに来ていただけることが末永くフェスが続けられることに繋がると思いますので、よろしくお願いします。
綾小路:去年は自分らのライブが終わったら客席に遊びに行ったり、ビールを売ったりしてたので、今年もやりたいと思ってます。遊びに来てくださればうれしいです。お願いします。
白鳥:<サントリー オールフリーpresents 氣志團万博2025〜関東爆音パビリオン〜 powered by Epson>は、たくさんの出会いがある、すごく楽しいフェスなので遊びに来てください。
綾小路:光さんは?
早乙女:#$%&@*!
綾小路:ほら、またみんなが言っちゃったから、俺、喋ることねえじゃんかよ!ってね。今年もほんとにバラエティに富んだラインナップです。僕もフェスを長いことやってきたから知ってるんですよ。今時はジャンルレスなイベントほど、実はお客さんにとっては悩ましくなるってこともね。でもね、自信あるんです。とにかく、<サントリー オールフリーpresents 氣志團万博2025〜関東爆音パビリオン〜 powered by Epson>はライブ最強の方々にお声がけさせているんです。なので、予備知識はひとつも要らないです。今って世代とかジャンルとかで、知ってる人からしたら神だけど、知らない人からすると全く知らないみたいなことは往々にしてある時代になりましたが、ここにはもうライブの神しかいないのでご安心ください。何しろ、だまされたと思って来てさえもらえたら優勝です。今自分が言ってることはすぐにわかってもらえるはずです。あなたの人生の価値観を一発で吹き飛ばしてしまうような方達が大集結します。人生変えちゃう2日間になると断言します。
──間違い無いですね。
綾小路:絶対にみなさんを幸せにしかしない、とここに誓います。そして今日の<山人音楽祭>もそうなんですけど、秋口の屋内、怖いぐらい快適です。とても快適です。今年は昨年の反省も大いに活かして、みなさんにより快適に楽しんでもらえるような現場を作るために、今日もこのあと帰ってミーティングを行いますので、どうかみなさん泥船に……いや、大船に乗ったつもりでお越しいただければと思ってます!
取材・文◎山口智男
写真◎淵上裕太
ライブ写真◎HayachiN
■G-FREAK FACTORY主宰<山人音楽祭 2025 ~10th Anniversary~>
9月20日(土) 群馬・日本トーターグリーンドーム前橋
9月21日(日) 群馬・日本トーターグリーンドーム前橋
〒371-0035 群馬県前橋市岩神町1-2-1
open9:30 / start11:00 / 終演20:00※予定
▼9/20(土)出演者
Age Factory / ENTH / かりゆし58 / 氣志團 / KOTORI / G-FREAK FACTORY / SHANK / 上州弾語組合 / SKA FREAKS / 高木ブー / DJダイノジ(大谷) / 10-FEET / TOTALFAT / 花冷え。 / HAWAIIAN6 / The BONEZ / locofrank / ROTTENGRAFFTY(※五十音順)
“能登半島応援企画 MAKE A PROMISE TO NOTO (Tokyo Tanaka×バカビリー×高橋ちえ)”
▼9/21(日)出演者
片平里菜 / G-FREAK FACTORY / J-REXXX BAND / JUN SKY WALKER(S) / 上州弾語組合 / 四星球 / 竹原ピストル / NakamuraEmi / バックドロップシンデレラ / ハルカミライ / Hump Back / BANYAROZ / 04 Limited Sazabys / FOMARE / BRAHMAN / HEY-SMITH / 山嵐 / LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS PLUS(※五十音順)
『山人MCバトル×戦極MCバトル』※開催は9/21(日)
Armadillo / bendy / DOTAMA / FCザイロス / GOMESS / KOOPA / 溝上たんぼ / NAIKA MC / 歩歩 / risano / Sitissy luvit
DJ:R da Masta
司会:K.I.G
『上州弾語組合』
9/20(土) 清水 明夫 / KIE Anderson / garb / 16号。 / 横山 ナオ / 上原梅弦
9/21(日) 高平 悠 / 山口 貴大 / 茂木 拳 / 鹿山 音楽 / ジュンペイ / 藤井 トモカズ
▼チケット
・各1日券 9,500円(税込)
・2日券 18,000円(税込)
・駐車場付 1日券(9/20)※SOLD OUT
・駐車場付 1日券(9/21)※SOLD OUT
・駐車場付 2日券 ※SOLD OUT
(問)DISK GARAGE https://info.diskgarage.com
主催:DISK GARAGE/BADASS/上毛新聞社
企画・制作:DISK GARAGE/BADASS







