【舞台裏インタビュー】<山人音楽祭2025>10-FEET「他人じゃないっすよね。兄弟みたいな、家族みたいな」

2025.09.25 19:51

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もはや説明不要であろう、<山人音楽祭>を彩り続ける10-FEETの登場だ。

期待感で膨れ上がった会場に鳴り響くはお馴染みの「そして伝説へ」。大歓声を受けながらTAKUMA(Vo, G)、NAOKI(B, Vo)、KOUICHI(Dr, Cho)の3人が姿を表して、そんな空間へまずはイントロのゆったりとした導入からの覚醒っぷりに痺れる「ハローフィクサー」を投下。観客も盛大にクラップを鳴らしその音と一体化し、そのすべてに酔いしれる。やまびこのように響くTAKUMAの叫びもいい。

また、10-FEET流にレゲエサウンドを飲み込んだ「helm’N bass」から続けた「第ゼロ感」は改めてバンド力を突きつけてくれた1曲。飛び抜けた知名度を誇る曲とはなったが、決して曲に引っ張られていない。むしろ、バンドが曲をより消化し、増している凄みと深みがある。現状に甘んじないバンドとしての進化を突きつけられたようにも感じてしまったのだ。

そして、ライブのハイライトにもなったのが名曲「RIVER」の最中にTAKUMAが発した「オレらが絶対に助けたるからな」という言葉。頼もしい呼びかけではあるが、その後のMCでこれはTAKUMA自身がG-FREAK FACTORYの茂木、ロットンのN∀OKIから実際にかけられた言葉だと明かし、「少し恥ずかしくても、言ってやったら(誰かが)頑張れると思ったら言ってみてください」と付け加える。多くの人にとって、ずっと大切に抱えていたい言葉になったはずだ。

本当に10-FEETのライブは、余白や遊びはありつつも、無駄がない。必要な音と言葉を発して、具体的な言葉を届けることも多いが、そうでなくても目で、表情で、身振り手振りで常に観客と対話し続ける。この日のステージもどこまでも胸を熱くしてくれた。

   ◆   ◆   ◆

──今年で<山人音楽祭>が10周年。こういった大きなフェスを自分たちで続ける大変さをよく知ってるのが10-FEETだと思います。

KOUICHI(Dr, Cho):<京都大作戦>はずっと続けるつもりではなかったんですけど、みんなの後押しもあり、今でも続けさせてもらってて。10年……3DAYSやったときか。

NAOKI(B, Vo):そっか、金土日でやりましたね。

KOUICHI:たしかに10年って長いっすからね。G-FREAK、10年おめでとうって気持ちで、ライブ仲間として一生懸命やるだけかなと思ってました。

NAOKI:G-FREAK FACTORYは昔からそうなんですけど、僕ら世代、上の世代、若い世代、みんなからのリスペクトが特に強いバンドだと思ってて。やっぱり、そういうところに呼んでもらえる時点で出演バンドはG-FREAK FACTORYに認められた気持ちになるし。そういうバンドがG-FREAK FACTORYの地元である群馬に集まって、特に群馬の人は誇りに思えるフェスになっていると思う。今日もステージに出て、お客さんがずっと求めてたイベントなんやろうな、ってより強く感じたし。で、最後はG-FREAK FACTORYが全体を包みこんでしっかり締めてくれる。G-FREAK FACTORYも10周年というところで想いも強かったと思うんですけど、今日1日通して、来てるお客さんも出演バンドからも想いの強さを感じましたね。

──TAKUMAさん、ライブ中にプレッシャーをかけてましたよね。

TAKUMA(Vo, G):はい(笑)。「この後、キメてや」とか「もっと凄いから」とか、「絶対助けてやる、って気持ちにみんなしてくれるから」って言ってましたね。

──G-FREAK FACTORYがそれをできるバンドだということも知ってるし、それをやらなきゃいけない日だということもあって?

TAKUMA:まあ、半分以上ギャグっすけど(笑)。

──なるほど(笑)。でも、そのギャグじゃない部分というか、どういう気持ちがあったのかを聞かせてもらいたいんですよ。

TAKUMA:言うまでもないこと……というか、あれはわざわざ言うただけで。あんなこと言わんでも、オレが「絶対に助けてやるぞ」って言われたときの嬉しさにしてくれる、っていうのが通常営業のG-FREAK FACTORYだし。それをみんな知ってて来てるし。わざわざ言われてんでもわかってるよ、ってドリフでやってるだけですね(笑)。

──MCでTAKUMAさんがG-FREAKの茂木さん、ロットンのN∀OKIから「絶対に助けてやるぞ」と言われたときの嬉しさを話されてましたけど、ロットンの舞台裏インタビューもさせてもらったとき、オレらは10-FEETに焚き付けてもらったバンドだから、そうしてもらったことをG-FREAK FACTORYにしたい、と話してたんです。だから、この3バンドはホントに特別な関係性があるんだなと感じたんですよね。

KOUICHI:世代が近いっていうのもあるんかな。

TAKUMA:他人じゃないっすよね。兄弟みたいな、家族みたいな。普段は改めて考えないんですけど、活動してくれてるだけで頑張りになる、凄く励みになるというか。いてくれるだけで自分が(バンドを)やってる理由のひとつになってる気がします。

──やっぱり、背筋が伸びる存在という。

KOUICI:大きいですよ。あえて何かを言われるとかはそんなにないですけど、いてくれるだけで、ライブを見せてもらえるだけで、受け取るモノがいつもたくさんあります。

NAOKI:例えば、G-FREAK FACTORYは周りのバンドから話を聞く機会も多いんです。「この間のG-FREAK FACTORYのライブがヤバかった」、「G-FREAK FACTORYに影響を受けました」とか。そこまでいろんなバンドに強く思われることってホントに少ないだろうし。そういうのも含めて、凄く大きな存在と思ってます。

──これからも続いていって欲しい<山人音楽祭>。漠然としたイメージでもいいんですが、期待する部分はありますか?

NAOKI:もう十分だとは思うけど……出演バンド全員が雷様になってもいいですけどね(笑)。

一同:ハハハハ(笑)。

NAOKI:その集合写真が見たいっす!

KOUICHI:あれ着てる人、みんなテンションがアガってるもんな(笑)。

TAKUMA:頭だけでもグッズで出せばいいんですよ(笑)。

──あれを被ってる万単位の観客、ヤバいっすね(笑)。どうですか、他には?

TAKUMA:未完成のアイデアですけど……例えば東京と大阪で<山人音楽祭>をやる、とか。そういうの周年とかじゃないと辻褄が合わへんけど、そんなこと言うてたらいつの間にか声も出えへんようになるし、こじつけたらいいし。こじつけんのムズかったら、<響都超特急>と交換留学とか言って、邪魔にならへん4月とかにパルスプラザを借りて<山人音楽祭>をやらせてくれ、とか。その代わり2月、3月とかにグリーンドームを使って<響都超特急>をやれ、とか。<京都大作戦>の太陽が丘でもええし、何かそれこそお客さんが交換留学生っていうか、何分の1ぐらいかは混ざると思うから。

──そんなことが実現したら本当に素敵ですね。

TAKUMA:時期さえかぶらへんかったら、こじつけてやってもええんちゃうかな、と。減るもんじゃないし。友達だからこそできることやし。

──しかも、それぞれがその土地に根付いてるフェスだからこそ、っていう。

TAKUMA:そうそう。だから、百貨店で沖縄物産店をやってるみたいな、名産を持ってて京都で売ってみてもいいんですよ。喜んでくれますよ、「物産フェスが来た!」って(笑)。

取材・文◎ヤコウリュウジ
写真◎淵上裕太
ライブ写真◎HayachiN

■G-FREAK FACTORY主宰<山人音楽祭 2025 ~10th Anniversary~>
9月20日(土) 群馬・日本トーターグリーンドーム前橋
9月21日(日) 群馬・日本トーターグリーンドーム前橋
〒371-0035 群馬県前橋市岩神町1-2-1
open9:30 / start11:00 / 終演20:00※予定

▼9/20(土)出演者
Age Factory / ENTH / かりゆし58 / 氣志團 / KOTORI / G-FREAK FACTORY / SHANK / 上州弾語組合 / SKA FREAKS / 高木ブー / DJダイノジ(大谷) / 10-FEET / TOTALFAT / 花冷え。 / HAWAIIAN6 / The BONEZ / locofrank / ROTTENGRAFFTY(※五十音順)
“能登半島応援企画 MAKE A PROMISE TO NOTO (Tokyo Tanaka×バカビリー×高橋ちえ)”
▼9/21(日)出演者
片平里菜 / G-FREAK FACTORY / J-REXXX BAND / JUN SKY WALKER(S) / 上州弾語組合 / 四星球 / 竹原ピストル / NakamuraEmi / バックドロップシンデレラ / ハルカミライ / Hump Back / BANYAROZ / 04 Limited Sazabys / FOMARE / BRAHMAN / HEY-SMITH / 山嵐 / LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS PLUS(※五十音順)

『山人MCバトル×戦極MCバトル』※開催は9/21(日)
Armadillo / bendy / DOTAMA / FCザイロス / GOMESS / KOOPA / 溝上たんぼ / NAIKA MC / 歩歩 / risano / Sitissy luvit
DJ:R da Masta
司会:K.I.G

『上州弾語組合』
9/20(土) 清水 明夫 / KIE Anderson / garb / 16号。 / 横山 ナオ / 上原梅弦
9/21(日) 高平 悠 / 山口 貴大 / 茂木 拳 / 鹿山 音楽 / ジュンペイ / 藤井 トモカズ

▼チケット
・各1日券 9,500円(税込)
・2日券 18,000円(税込)
・駐車場付 1日券(9/20)※SOLD OUT
・駐車場付 1日券(9/21)※SOLD OUT
・駐車場付 2日券 ※SOLD OUT
(問)DISK GARAGE https://info.diskgarage.com
主催:DISK GARAGE/BADASS/上毛新聞社
企画・制作:DISK GARAGE/BADASS