【ライブレポート】[Alexandros]、レア曲が目白押しのFC公演で「今日は、追いかけて届きません! 鳴らない言葉も鳴りません! 彷徨っても彷徨いません!」

2026.05.27 12:30

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[Alexandros]が5月24日、Zepp Shinjukuにて全国9ヵ所9公演のファンクラブツアー<FC TOUR “ACCESS ALL AREA”>の7本目となる東京公演を開催した。同公演のレポートをお届けしたい。

「盛り上がってるところ申し訳ありませんが、今日は、追いかけて届きません! 鳴らない言葉も鳴りません! 彷徨っても彷徨いません! すべてマイナーな曲ばかりです!」──川上洋平(Vo, G)

<FC TOUR “ACCESS ALL AREA”>と題したファンクラブ会員限定のライブツアーの7公演目となる5月24日(日)の東京・Zepp Shinjukuで川上洋平(Vo, G)はスタンディングのフロアをぎっしり埋めた観客を前にして、早速、「ワタリドリ」「閃光」「Starrrrrrr」の歌詞をもじって、そう宣言した。ちなみに[Alexandros]がファンクラブ会員限定のツアーを開催するのは実に7年ぶり。しかも、前回の東名阪の3ヵ所から今回は全国9ヵ所にスケールアップしている。

シングルのカップリングやアルバム収録曲から選曲した、ライブであまり演奏したことがない曲を中心にセットリストを作った今回のツアー。さすがにファンクラブの会員とは言え、川上曰く「マイナーな曲ばかり」のセットリストに対して、どんな反応を見せるのか、そこも楽しんでみたいと臨んだところ、1公演目の横浜から観客の反応は上々で、この日まであまりセットリストに手を加えることなく、各地を回ってきたのだそうだ。中には、「Yeah Yeah Yeah」のように今回、久々に演奏してみたところ、観客の反応が良すぎたため、ツアーと並行して出演していたフェスのセットリストに加えられた曲もあったという。

この後、まだ新潟と京都が残っているため、できるだけネタバレは避けたいと思うが、Zepp Shinjuku公演もまた、言ってみれば、「ワタリドリ」もない、「閃光」もない、「Starrrrrrr」もない、普段は演らない楽曲満載の全23曲をたっぷり2時間にわたって披露。「でも、楽しんだ者勝ちじゃないですか!?」と言った川上に応え、序盤からいつもと変わらない、いや、いつも以上に熱い反応を見せるファンとともに熱狂という言葉がふさわしい盛り上がりを作っていった。

「(マイナーな曲ばかりなのに)みんな、よく盛り上がれますね(笑)」と川上もちょっとびっくりしていたが、まるでライブの定番曲のようにイントロを聴いただけでフロアが沸いたり、まるでいつもそうしているかのようにシンガロングを返したりするファンの姿が物語っていたのは、レア曲の浸透度の高さだ。

そんなファンをさらに熱狂させたのが、「この新宿で我々のデビューが決まりました。その時の曲をやってもいいですか!?」と川上が曲を紹介した「For Freedom」。まだ[Champagne]と名乗っていた2010年にリリースした1stアルバム『Where’s My Potato?』のリード曲だ。MVも作ったから、決してマイナーな曲とは言えないものの、最近、ライブで演奏する機会が徐々に減ってきているということで、今回の選曲なのかもしれない。つんのめるような独特のリズムとともにハングリー精神を剥き出しにしていたあの頃に一瞬で戻れるようなエネルギーが、当時を知らない若いファンも含め、観客の気持ちを突き動かし、拳を振らせ、シンガロングの声を上げさせたのだろう。「行くぞ、新宿!」と磯部寛之(B, Cho)が声を上げ、白井眞輝(G)がヒリヒリとしたソロをキメる。

ところで、レアでコアな名曲だからこそ、色濃く滲むバンドのルーツや、「普通に終わる曲がない」と磯部がいみじくも指摘したマニアックというか、エキセントリックなアレンジも聴きどころだったことも忘れずに書いておきたい。そういうアレンジが多い初期の曲を、今回のツアーで演奏するにあたって、メンバー達はかなりリハーサルを重ねたそうだ。ファンキーなアレンジの曲が意外に多いと改めて感じたのは筆者だけだろうか。

中盤では、5月29日に配信する新曲「ENDROLL」も披露した。川上とSennaRinがデュエットした映画『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』挿入歌をバンドでアレンジした[Alexandros]バージョンは、叩くと言うよりはフレーズを奏でるようなリアド偉武(Dr)のドラムプレイも聴きどころ。オリジナル曲を聴き込んでいるのか、川上のリクエストに応え、シンガロングできてしまうファンの熱意には改めて脱帽だった。

今回のツアーで味を占めたのか、6月14日から始まる<YOU ARE WELCOME TOUR>では、「最近、[Alexandros]のことを知ったファンも楽しめる曲に加え、マイナーな曲もやる」と予告してからの後半戦は「Beast」からラウドなロックナンバーをたたみかけるように繋げ、不穏な空気とともにフロアを揺らしながら凄みを見せつけていく。和気藹々とした曲間のファンとのやり取りから一転という持って行き方が心憎い。

「こうしたら、みんなが歓ぶんじゃないか?みたいなのはわかってるんです。コード進行とかビートとか、意外と(笑)。でも、そこにいきたくないと思う。それを裏切った時の新しいところへ、聴く人を連れていきたい。それをずっとやり続けているから、ドーンといきそうでいかないこともある(笑)。それが俺達のやり方。だって(と「For Freedom」のイントロを弾いて)このリズム、ズタズタズタってやってたメロコアバンドの中でやったら、みんなポカーンとしてたんですよ。それでもついてきてくれた人がいて、“あ、間違ってないんだ”っていい意味で勘違いできた。それで16年間突き進んできた。だから、これからも“え、何この曲!?”って思うかもしれないけど、愛を作っていることにウソはないので10回は聴いてください。そうしたら好きになってもらえるかもしれない。これからもマイナーな曲達も愛してください!」──川上洋平(Vo, G)

結果としてレア曲になってしまう独自性の高い曲が生まれる背景と、そういう曲に対する愛着を語ってから、「こんなに盛り上がってもらえると、“名曲なんじゃないか?”って勘違いしてしまう。こういう場所は大事にしていきたい。やってないマイナーな曲は、まだいっぱいある。次にとっておこう」と語った川上が「何がやりたい?」とメンバーに尋ねると、「今まで君が泣いた分取り戻そう」(磯部)、「Come Closer」(リアド)、「awkward」(白井)という答えが返ってきた。川上はファンからインスタを通してリクエストされた「Follow Me」をやりたいと思っているそうだが、果たして、我々はそのうち何曲を聴けるのだろうか。レア曲に対する手応えを大いに感じている様子からは、今後、レア曲をライブで披露する機会が増えていきそうな予感も。

エモーショナルでストレートなロック感覚をアップデイトしたことを思わせる「Hallelujah」(アニメ『北斗の拳 -FIST OF THE NORTH STAR-』のオープニングテーマ)も披露したアンコールは、「ワタリドリ」や「Starrrrrrr」に勝るとも劣らないアンセムであることを改めて印象づけた「Forever Young」に加え、とことんぶちあがりたかったのだろう、演奏する予定になかったっぽいライブのキラーチューン「city」も披露して、最後の最後までファンにシンガロングの声を上げさせたのだった。

数々のレア曲の魅力と、セットリストの可能性の広がりを知った今、新旧、マイナーメジャーごちゃ混ぜにして、いい感じのセットリストになるという次のツアー<YOU ARE WELCOME TOUR>が楽しみでしかない。なるほど、このレポートにはそれを伝えるための布石という役目もあったようだ。

取材・文◎山口智男
撮影◎河本悠貴

 

■<FC TOUR “ACCESS ALL AREA”>
4月10日(金) 神奈川・横浜ベイホール
open18:00 / start19:00
4月23日(木) 大阪・GORILLA HALL OSAKA
open18:00 / start19:00
4月30日(木) 愛知・名古屋ダイアモンドホール
open18:00 / start19:00
5月08日(金) 香川・高松festhalle
open18:00 / start19:00
5月09日(土) 広島・BLUE LIVE HIROSHIMA
open17:00 / start18:00
5月21日(木) 群馬・高崎スタジオシアター
open18:00 / start19:00
5月24日(日) 東京・Zepp Shinjuku(TOKYO)
open17:00 / start18:00
5月28日(木) 新潟・新潟LOTS
open18:00 / start19:00
6月05日(金) 京都・KBSホール
open18:00 / start19:00
※全公演ソールドアウト

 

■Digital Single「ENDROLL feat. SennaRin, Hiroyuki SAWANO」
2026年5月29日(金)配信スタート
Pre-add/Pre-save:https://lnk.to/Alexandros_ENDROLL
※川上洋平[Alexandros] × SennaRin「ENDROLL」の[Alexandros] によるカバー

 

■<YOU ARE WELCOME TOUR>
6月14日(日) 愛知・COMTEC PORT BASE
open17:00 / start18:00
6月22日(月) 東京・Zepp DiverCity(TOKYO)
open18:00 / start19:00
6月28日(日) 宮城・SENDAI GIGS
open17:00 / start18:00
7月03日(金) 北海道・Zepp Sapporo
open18:00 / start19:00
7月09日(木) 神奈川・KT Zepp Yokohama
open18:00 / start19:00
7月22日(水) 大阪・Zepp Osaka Bayside
open18:00 / start19:00
7月30日(木) 愛知・Zepp Nagoya
open18:00 / start19:00
8月06日(木) 大阪・なんばHatch
open18:00 / start19:00
8月20日(木) 福岡・Zepp Fukuoka
open18:00 / start19:00
8月26日(水) 東京・Zepp Haneda(TOKYO)
open18:00 / start19:00
▼チケット
スタンディング 8,800円(税込 / 別途ドリンク代必要)
2F指定 11,000円(税込 / 別途ドリンク代必要)
※未就学児童のご入場はできません/小学生以上はチケットが必要になります

 

■<[Alexandros] presents THIS FES ’26 in Sagamihara>
日程:2026年10月31日(土)、11月1日(日)
会場:相模原ギオンフィールド、及びその周辺
※出演者は後日発表