2001年に伝える、偉大なるクリムゾン・サウンド

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新作/最新音源リリース、そして再発全10タイトルリリース!
2001年に伝える、偉大なるクリムゾン・サウンド


偉大なるクリムゾンの足跡

最新ALBUM

『The Collector's King Crimson Volume Five』

2001年9月19日発売 ポニーキャニオン
PCCY-01539 6,825(tax in)
CD3枚組

CD1 『ライヴ・アット・プリマス1971』
1 Cirkus
2 Pictures Of A City
3 Sailor's Tale
4 The Letters
5 Lady Of The Dancing Water
6 Cadence And Cascade
7 Get Thy Bearings
8 In The Court of the Crimson King
9 Ladies Of The Road
10 21st Century Schizoid Man

CD2 『ライヴ・イン・マインツ1974』 
1 Improv:The Savage
2 Dr Diamond
3 Improv:Arabica
4 Exiles
5 Improv:Atria
6 The Night Watch
7 Starless
8 Lament
9 Improv:Trio
10 Easy Money

CD3 『ライヴ・イン・バークレー1982』
1 Waiting Man
2 Thela Hun Ginjeet
3 Red
4 The Hawler
5 Frame By Frame
6 Matte Kudasai
7 The Sheltering Sky
8 Discipline
9 Nei and Jack and Me
10 Neurotica
11 Elephant Talk
12 Indiscipline



最新single

「21世紀のスキッツォイド・マン

ポニーキャニオン PCCY-01540
2001年8月22日発売 1,890(tax in)

1 21st Century Schizoid Man(EDIT)
2 21st Century Schizoid Man(ORIGINAL VERSION)
3 21st Century Schizoid Man(LIVE 1969)
4 21st Century Schizoid Man(LIVE 1972)
5 21st Century Schizoid Man(LIVE 1974)



音楽ファンなら絶対に聴いておきたいアーティストの一つとして、キング・クリムゾンを挙げることに異論を唱える人はいないだろう。'69年に発表されたデビュー・アルバム『クリムゾン・キングの宮殿/In The Court Of The Crimson King』は、あのビートルズの『アビー・ロード』を抑えて、全英チャートの1位を獲得するといった話題もあったほどで、彼らの存在は音楽シーンの中で歴史的な意味を持っている。

洋楽を熱心に聴いているリスナーでなくとも、その名前ぐらいは聞いたことがあるはずだ。プログレッシヴ・ロックの最高峰とも言われる彼らのサウンドについては、日本のリスナーは意外と耳にしているケースは多い。同作品に限っても、最近ではトヨタ自動車のTVCFで「21世紀のスキッツォイド・マン」が使用されていたり、数年前なら「ムーン・チャイルド」もアパレル関係企業のCMを彩っていた。日本のアーティストが楽曲をカヴァーしている例も少なくない。

ロック、ジャズ、フュージョン、クラシック、民族音楽など、キング・クリムゾンが表現する楽曲は幅広い要素を複合させた個性的なスタイルが魅力だ。弦楽器、管楽器、鍵盤楽器、打楽器等々、用いられる楽器も様々。ただし、その色合いはアルバムごとに微妙に変化を見せており、これもファンが彼らの世界に引き込まれる理由の一つとなっている。

ロバート・フリップ(G)を中心にクリムゾンがスタートしたのは、前身バンドが結成されてから2年後の'69年。イギリスのボーンマスでの出来事だ。そこで先述したデビュー・アルバムの制作へと突入していくのだが、彼らの場合、作品ごとにメンバーが入れ替わることも特徴だった。それが音楽性の変化を生み出す背景でもある。たとえばスタート時からのメンバーだった、かのグレッグ・レイク(Vo、B)もエマーソン・レイク&パーマー(EL&P)を結成するために、翌年5月にリリースされた『ポセイドンのめざめ』で脱退している。こういったラインナップの変化については、あまりに複雑多岐に亘るため、彼らの作品に触れるごとに一つずつ振り返っていけばいいだろう。まずは初期の段階から、キング・クリムゾンはフリップを軸とした敏腕ミュージシャンの偶発的集合体として機能していったことを押さえておきたい。

『リザード』('70年12月)、『アイランド』('71年12月)とその後のツアーをもって、オリジナル・メンバーのピート・シンフィールドもバンドを脱退。新たな活動を模索する中でフリップが招き入れたのは元イエスのビル・ブラッフォード(Dr)、後にエイジアを結成するジョン・ウェットン(Vo、B)など。この超強力な体制は当然のごとく評判を呼び、'73年3月に発表された『太陽と戦慄/Lark's Tongues In Aspic』は大いに絶賛された。ここに収められた「太陽と戦慄パートI~II」は後の作品に続編が収録されるほどの重要な楽曲だ。『暗黒の世界/Starless And Bible Black』('74年3月)のリリースを経て、フリップ、ブラッフォード、ウェットンの3人となった彼らは、'70年代クリムゾン最後の傑作と呼ばれる『レッド/Red』('74年11月)をレコーディング。これまでに繰り返されてきた音楽的実験を、インプロヴィゼーションの醍醐味と構築美によって完成させ、バンドの第一幕を閉じたのだった。

ところが'81年には、ソロ活動を中心としていたフリップは7年ぶりに、再びキング・クリムゾンとして始動することを決意。このときの編成はブラッフォードの他、フランク・ザッパデヴィッド・ボウイとの活動で知られるエイドリアン・ブリュー(G、Vo)、ピーター・ゲイブリエル・バンドなどに在籍していたトニー・レヴィン(B)。10月に発表された『ディシプリン/Discipline』は、従来の彼らが提示していた路線を期待していたファンの予想とは異なり、特に日本では賛否両論であった。ただ、その後の彼らの音楽を俯瞰するうえではキー・ポイントとなる作品であることも見逃せない。ミニマル・ミュージックの上で躍動するインストゥルメンタルと言えばいいだろうか。二層構造で絡み合うギターをはじめ、各楽器が繰り出す音の一つ一つに新鮮な発見がある。ちなみに同年には初来日公演も行なっている。

この'80年代クリムゾンは『ビート/Beat』('82年6月)、「太陽と戦慄パートIII」が収められた『スリー・オブ・ア・パーフェクト・ペアー/Three Of A Perfect Pair』('84年4月)の三部作リリースを経て、二度目の解散をする。この時期のインテリジェンスで高度なアプローチは、もっと評価されていいだろう。

'90年代に入ると、再びキング・クリムゾンの復活が噂されるようになり、それは'94年に現実化。'80年代の4人をベースに6人で構成されたバンドは、まず10月にミニ・アルバム『ヴルーム/Vroom』を発表する。翌年2月には同作品収録の楽曲をも含んだ『スラック/Thrak』をリリースした後は、作品としてはライヴ・アルバムを中心として、より即興度合いの強い活動を見せていくようになる。そして通称“プロジェクト・シリーズ”なるメンバーをザッピングするという摩訶不思議な試みを経て、2000年には『コンストラクション・オブ・ライト/The Construkction Of Light』を発表。ここでも、その片鱗は窺えるだろう。今やこのグループをライフワークとして大らかに捉えたかのような、自由さと多様性を飲み込んでいる。

もちろんすべての作品に触れたいところだが、キング・クリムゾン入門として適当なのは、まず1stアルバム『クリムゾン・キングの宮殿』だろう。マニアも多く、解説に当たっても多様な論が展開されるバンドではあるものの、その他に『太陽と戦慄』『レッド』『ディシプリン』辺りが、彼らの歴史を音楽的変遷とともに振り返るポイントとなるアルバムであることは確かだ。ロバート・フリップという常人を超えた精神性を持つアーティストが、脈々と紡いできた理念は、時代の流れとは無縁の崇高さを感じさせる。ぜひ、その音世界を堪能してみて欲しい。

文●土屋京輔


30周年記念オリジナル・アルバム
24ビット・リマスター盤/全10タイトル【再発】

クリムゾン・キングの宮殿

『IN THE COURT OF THE CRIMSON KING/クリムゾン・キングの宮殿』

2001年8月10日発売
PCCY-01523 2,310(tax in)
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ポセイドンのめざめ

『IN THE WAKE OF POSEIDON/ポセイドンのめざめ』

2001年8月10日発売
PCCY-01524 2,310(tax in)
リザード

『LIZARD/リザード』

2001年8月10日発売
PCCY-01525 2,310(tax in)
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アイランド

『ISLANDS/アイランド』

2001年8月10日発売
PCCY-01526 2,310(tax in)
太陽と戦慄

『LARKS TONGUES IN ASPIC/太陽と戦慄』

2001年8月10日発売
PCCY-01527 2,310(tax in)
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暗黒の世界

『STARLESS AND BIBLE BLACK/暗黒の世界』

2001年8月10日発売
PCCY-01528 2,310(tax in)
レッド

『RED/レッド』

2001年8月10日発売
PCCY-01529 2,310(tax in)
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ディシプリン

『DISCIPLINE/ディシプリン』

2001年8月10日発売
PCCY-01530 2,310(tax in)
ビート

『BEAT/ビート』

2001年8月10日発売
PCCY-01531 2,310(tax in)
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スリー・オブ・パーフェクト・ペアー

『THREE OF PERFECT PAIR/スリー・オブ・パーフェクト・ペアー』

2001年8月10日発売
PCCY-01532 2,310(tax in)
オフィシャルサイト:http://www.disciplineglobalmobile.com/

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