――まずはプロフィールをお訊きしたいのです。
佐々木: 最初、僕と安島の2人でやっていたんですけど、2人じゃいかんせんライヴもできないぞと。で、石田を入れて音出してたんですけどね。でも、僕らは大した活動はしてないですよ。ただ淡々と活動していたらCD出さないかって言われて。ラッキーでした。
――かなり幅広い音楽を嗜好してますが、結成当初はどういった音楽性を目指していたのですか?
佐々木: 特に考えたことはないんですよ。演っているときにも、参考になるアーティストの名前が出てきたことはないですね。今でも。うん。
――では、曲を作るとき、メンバーに曲のイメージを伝えるときはどういった方法で進めていくのですか?
佐々木: “何となく違う”とか、“何となくよい”とはいいますけど…、それくらいですね(笑)。何となく良いのが集まって曲になってるという感じなんですよ。
――それでは、パートパートはほぼ本人たちにお任せ?
佐々木: そうですね。“もっと激しく!”とか、“もっと緩やかに…”といった会話くらいです(笑)。
安島: 僕も他の2人の音に触発されてってのは確かにありますけど、そればっかりじゃないし、意外と冷静だったりしますよね。だから、サウンドに緊張感があるって言われたりするけど、“そうかなぁ”って。そう言われるのは嬉しいけど、自分たちにとっては後付けっぽい感覚ではあるんです。
佐々木: うん。それに、僕ら、幅広い音楽趣味で聴いてるかもしれないけど、ビートルズなんかも極、最近聴いたんです。そもそも音楽は取り入れてこないまま育ってきているんで(笑)。でもジャンルにこだわらず好きなものは好きなんですよね。
――では、その多く聴く音楽の中で、CONDOR44はどこに反応するんでしょう? 楽曲ですか、サウンドですか?
佐々木: 何でしょう…。僕は、歌ではないです。サウンドも大事ですけど、でも、それが一番じゃなくって。感覚的なものかな。単純に素敵って思えるもの。……何か言葉にはできないですね。
安島: 演るにあたっては、どこってのはないです。でも僕は激しいのが好きだったんで、そんなのばっかり聴いてきました。ヘヴィメタルと’70年代ロック。外国のバンドをメインに。
――緊張感のあるライヴは演奏面でも定評がありますが、演奏する側としては一番気持ちいい瞬間ってどんなときでしょうか。
佐々木: それもまた難しいんですが……、“激しく演ったけどなんか気持ち悪い”とか、“音が1個しかないけど気持ちよい”とか(笑)。……雰囲気に混じったとき、ですかね。……言葉にできないですね。僕が言ってるのは自分を中心にしたムードなんで、周りのことは関係ないです。何となくこれが気持ちいいと思えばそれが良いのかな、と。
――その微妙な緊張感や、そのメンバー間のやりとりが絶妙なんでしょうね。やはりライヴでのご自身のテンションは気にしますか。 佐々木:そんなに意識したことはないですけど、最近はなるべく入り込むようにとはしています。
安島: CDの方がカッコいいって言われたらライヴをする意味がなくなりますからね。ライヴがカッコいいって言われるのは嬉しいです。
――さて新作ですが、今回のアルバム『00203』のレコ-ディングはどのように進められたのでしょうか。
佐々木: リハーサルスタジオへメンバーとエンジニアさんが一緒に入って、ハードディスクレコーダーで録りました! すごくシンプルだなぁなんて思ったんだけど、最初の録り音を聴いて大丈夫だなって。
――スタジオに入る前に、エンジニアに要望を伝えたり、メンバー間でディスカッションしたのですか?
佐々木: “綺麗にとって欲しいんですけど、小ぎれいにしないでくれ”って。それくらいですね。後は音を聴いてみたら、もうエンジニアさんにお任せしようと。エンジニアさんの力が大きいですね。あと、大きな流れとしては、長い曲から短い曲、激しいのから静かなの、男の声から女の声、少ない音から多い音、いろいろやろうとするといろんな曲が必要だろうと。結果、よい流れになった思います。結果的に、運良く流れが繋がったというか、繋がるなだろうな、と思っていたら、やっぱり繋がってた、と言う感じです(笑)。昔はもっとバラけていて本当感覚だけで演っていたんだけど、ベースの石田が入ったのがまとまる大きな要因となりましたね。この人が入って“これは嫌”とか言って淘汰され残ったのがこれだから(笑)。
――ところで、アルバムタイトルが変わってますね。これはどのような意味があるんですか?
佐々木: これはあんまりお知らせするに足らないんですけど(笑)、これを作ったとき僕と安島が23才で、石田が20才だったんです。それで、その数字使うかって。タイトルはこんなのばっかりです。全然意味がないんです。
――意味深に受け取る人、多いでしょうね。
佐々木: うん、でも、そうやって広まってくれればいいですね。
安島: それに、こうやってCDにして、初めて自分たちのバンドを外側から見たじゃない? 発見したものがあって良かったよね。CDを出したことが印になってよかったなあと思いました。
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