ザ・バンドのRick Dankoを偲ぶ
シンガー、ソングライター、ベーシストのRick Dankoが生きていれば12月29日に58回目の誕生日を迎えていたはずだ。Dankoは'99年の12月10日に56歳で亡くなっている。Dankoは'60年代にThe Bandを結成したメンバーのひとり。The Bandを結成する前、Dankoとそのグループの仲間(Levon Helm、Robbie Robertson、Garth Hudson、故Richard Manuel)は、Ronnie HawkinsとBob Dylanのバックバンドをしていた。
Dankoは17歳でHawksに加わり、そのときの他のミュージシャンらがのちのThe Bandとなった。彼らはHawkinsとツアーを行ない、'60年代半ばにHawkinsが去ったあと、グループはBob Dylanと共に活動した。(数々のライヴやレコーディングは、のちに『The Basement Tapes』となる)The Bandは'68年に1stアルバム『Music From Big Pink』をリリース、一躍有名ロックグループの仲間入りを果たす。その時の曲、“Up On Cripple Creek”“The Night They Drove Ol' Dixie Down”“The Weight”はクラシックとなっている。好調な時代と非難を浴びた数枚のアルバムを経た後、The Bandは『The Last Waltz』で有名な感謝祭コンサートを開いて'76年に解散。コンサートにはEric Clapton、Ronnie Wood、Neil Young、Dr. John、Ringo Starr、Muddy Waters、Neil Diamond、Emmylou Harris、Joni Mitchell、Van Morrison、Staple Singersら大勢のアーティストがゲスト出演した。『The Last Waltz』はMartin Scorsese監督によって直接撮影され、史上最高のコンサート映画のひとつと賞賛された。Dankoは次のように語った。「こんなふうにして、終わるなんて本当に信じられないよ……。少なくとも1年に1枚はレコードをリリースしようとは思っていたのに。でも、結局しなかった」その後、Dankoはソロ活動を開始した。
最近になってDankoとHudson、Helmはさまざまな機会にBandを再結成し、'83年にはアルバム『Jericho』を収録した。'99年の9月、Dankoは数年ぶりにメジャーソロアルバム、『Live On Breeze Hill』をリリース、2000年はじめには遺作となった『Times Like These』が発売された。Dankoは死の直前までこのアルバムを制作していて、彼の死後、Dankoの友人と元バンドメンバーが協力して彼のためにアルバムを仕上げた。
'99年行なわれた生前のインタヴューで、Dankoは世界への関心を表し、今こそ人々が目覚めて改革する努力をすべきだと思う、とLAUNCHに語っていた。
「僕たちはもっと若く、みんなで世界を変えたいと思ったときがあった。それで、僕は少し年上で、知恵もあって、考えも深かった。ま、僕が世界を変えようとは思わないけど、もしかしたらそういう人たちの手助けをできるんじゃないかと思っている」
LAUNCHは先日、Dankoの未亡人、Elizabethと話をし、どのようなかたちでRick Dankoを心に残しておきたいか尋ねた。
「本当にいい人だったわ。偉大なミュージシャンで、素敵な夫。彼の人柄をそのまま残しておきたい」と彼女は答えた。
「彼は人間なのよ。そうでしょ? 見た通りのままの人なの。彼は正真正銘、人生を楽しみ、生きることを楽しんだ人。自分がしたいと思うことをしている限り、他のことに手を出したりしないわ」
Sue Falco、ニューヨーク
Dankoは17歳でHawksに加わり、そのときの他のミュージシャンらがのちのThe Bandとなった。彼らはHawkinsとツアーを行ない、'60年代半ばにHawkinsが去ったあと、グループはBob Dylanと共に活動した。(数々のライヴやレコーディングは、のちに『The Basement Tapes』となる)The Bandは'68年に1stアルバム『Music From Big Pink』をリリース、一躍有名ロックグループの仲間入りを果たす。その時の曲、“Up On Cripple Creek”“The Night They Drove Ol' Dixie Down”“The Weight”はクラシックとなっている。好調な時代と非難を浴びた数枚のアルバムを経た後、The Bandは『The Last Waltz』で有名な感謝祭コンサートを開いて'76年に解散。コンサートにはEric Clapton、Ronnie Wood、Neil Young、Dr. John、Ringo Starr、Muddy Waters、Neil Diamond、Emmylou Harris、Joni Mitchell、Van Morrison、Staple Singersら大勢のアーティストがゲスト出演した。『The Last Waltz』はMartin Scorsese監督によって直接撮影され、史上最高のコンサート映画のひとつと賞賛された。Dankoは次のように語った。「こんなふうにして、終わるなんて本当に信じられないよ……。少なくとも1年に1枚はレコードをリリースしようとは思っていたのに。でも、結局しなかった」その後、Dankoはソロ活動を開始した。
最近になってDankoとHudson、Helmはさまざまな機会にBandを再結成し、'83年にはアルバム『Jericho』を収録した。'99年の9月、Dankoは数年ぶりにメジャーソロアルバム、『Live On Breeze Hill』をリリース、2000年はじめには遺作となった『Times Like These』が発売された。Dankoは死の直前までこのアルバムを制作していて、彼の死後、Dankoの友人と元バンドメンバーが協力して彼のためにアルバムを仕上げた。
'99年行なわれた生前のインタヴューで、Dankoは世界への関心を表し、今こそ人々が目覚めて改革する努力をすべきだと思う、とLAUNCHに語っていた。
「僕たちはもっと若く、みんなで世界を変えたいと思ったときがあった。それで、僕は少し年上で、知恵もあって、考えも深かった。ま、僕が世界を変えようとは思わないけど、もしかしたらそういう人たちの手助けをできるんじゃないかと思っている」
LAUNCHは先日、Dankoの未亡人、Elizabethと話をし、どのようなかたちでRick Dankoを心に残しておきたいか尋ねた。
「本当にいい人だったわ。偉大なミュージシャンで、素敵な夫。彼の人柄をそのまま残しておきたい」と彼女は答えた。
「彼は人間なのよ。そうでしょ? 見た通りのままの人なの。彼は正真正銘、人生を楽しみ、生きることを楽しんだ人。自分がしたいと思うことをしている限り、他のことに手を出したりしないわ」
Sue Falco、ニューヨーク
この記事の関連情報
マーティン・スコセッシ監督、ロビー・ロバートソンの追悼公演を開催
マーティン・スコセッシ監督、ロビー・ロバートソンを追悼「僕の友人、アドバイザーだった」
ザ・バンドの創設メンバー、ロビー・ロバートソン、死去
ロビー・ロバートソン、8年ぶりのアルバムのリリースが決定
ロビー・ロバートソン、“ビッグ・ピンク”について語る
【D.W.ニコルズ・健太の『だからオリ盤が好き!』】第38回『レインボー・キャピトルの“ブラウン・アルバム” を追って』
【D.W.ニコルズ・健太の『だからオリ盤が好き!』】第37回『The Band “ブラウン・アルバム” 考察 ~2つのグリーン・キャピトル~』
ザ・バンド、『ロック・オブ・エイジズ』が完全版となって登場
グレッグ・オールマン、ロジャー・ウォーターズら、リヴォン・ヘルムの追悼コンサートを開催