歌唱力とソングライティング力の結実
Hey Ladies ! 男性R&Bシンガーの典型的なヒット曲ときいて思い浮かぶものねえ。 ラブソングなのは確かだよね。 そうか、彼女はちっともかまってくれないのに自分には彼女だけって歌ってる曲とか。 「そして彼は“自分が心機一転するため、または新しい生活をスタートするには、彼女のことを自分の人生から締め出す必要がある”って言いたいんだ。きっぱりと俺達はこう言っているだけ」とPZ、J-Dub、Swabがこの時点で割り込み、みんなそろって「さっさと忘れろ!」とアドバイスする(そして一斉に笑う)。 「世の中には真剣な男もいっぱいいるんだから俺達の主張も伝えなきゃならない」とMaverickは付け足す。 「恋に落ちることから始まり、彼女の浮気を知って恋に破れ、自分の力で立ち直り、気を紛らわすため男友達と遊びに行くことまでね」 ある日の午後、高校の合唱隊のメンバーであったMaverickとJ-Danteが中庭で歌っていると、当時はアメフトとバンドに興味があったPZとSwabが加わった。そこをたまたま通りかかった女子生徒が軽い気持ちで4人でグループを作ったらとアドバイスした。そして4人はそれを聞き入れてグループを結成し、直後にその年の卒業生の前で歌うことになった。 Boyz II Men、Jodeci、Take 6の影響を受けたこのグループの結成は自然発生的なものであったが、まったく予期しない出来事ではなかった。MaverickとSwabとPZは5才のときにはもう教会で歌い始めていたし、J-Danteは子供のときから教会の聖歌隊の指揮をつとめていた叔母とよく一緒に行動して歌の才能に磨きをかけていた(J-Danteは将来ゴスペル曲の制作をすると約束している)。 一方、Maverickの歌への情熱はオペラを歌い始めた小学生のときに本格化し、Southwest Texas State大学では最初の1年間ずっとオペラを勉強していた。 いまオペラの話をすると、SwabとJ-DanteとPZはMaverickの歌唱力を大袈裟に誉めちぎるため、Maverickにとっては迷惑な話のようだ。Maverickは自由自在に操れるボーカルをいまは必要最低限しか使っていないが、実際には最長2分も息継ぎなしで発声し続けることができる。 2分間も発声し続けるというのは具体的にどんな感じなのか。「なっげー!」と3人は声を揃えて言う。「2分間水中にもぐることを想像してみろよ」とJ-Danteが補足する。 歌唱力だけではなく、Idealは自分たちの名前のついたデビューアルバムでソングライティングの才能をも披露している。 「このアルバムでは3曲を自分達でプロデュースした」とバウンシーなミディアムテンポの曲「All About You」をプロデュースしたPZは言う。Maverickが清らかな「Never Let You Go」をプロデュースし、このアルバムのTake 6風のインターリュード「Ideally Yours」はグループメンバー全員によるコラボレーションで、このアルバムのボーカルアレンジはすべて自分達の手でおこなった。 現在の心境はと言うと、彼らはレコードのヒットにただただご満悦である。「Get Gone」はつい最近BillboardのR&Bエアプレイ・リストでNo.1に輝いた。Idealのアルバムにはヒップホップの味付けがされたソウル音楽やロマンティックで少々みだらな内容のバラードなど多様なR&B音楽が収録されているため、次のシングルリリースはファンに選んでもらうことにした。 「インターネット上でアルバムが聴けるようにする予定だ。そしてシングルを選びたい人には次はどの曲が良いかを言ってもらうことにしている」とMaverick。 興味のあるファンはIdealのホームページwww.ideal4you.comで投票することができる。 by Billy Johnson Jr. |