【速レポ】<REDLINE>CVLTE、ここから前進するための決意「Fujiとの最後の時間を」

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「私はあまり人前で喋るのが好きではないんですが、今日は喋らないといけない」

ライブのおよそ半分を終えたところで、CVLTEのフロントマン、aviel kaei(Vo)はそうフロアに語りかけた。

◆ライブ写真

決して饒舌ではないステージでの彼だが、この日は集まってくれた人々に伝えるべきことがあった。なぜかといえば、それはこの日のライブがCVLTEにとってとても重要な意味をもっていたからだ。

その意味とは、メンバーのひとりであるFuji(B)の脱退。先月アナウンスされたとおり、本日12月8日をもって彼はバンドから離れることになるのだ。つまりこの<REDLINE>がこの4人でのラストライブ。もちろん駆けつけたファンもそのことは承知していたことだろう。それだけに、この時間、SOUL STAGEには最初から最後までどこか感傷的なムードが常に流れているように思えた。

HAL(Dr)、Takuya(G)、Fujiに続き、最後にステージに現れたavielがお立ち台に立ち、「scorpion.」からスタートしたこの日のライブ。ヘヴィでダークな音像のなかにこだまするエフェクトボイスがオーディエンスを突き動かし、不穏な高揚感とでもいうようなムードがフロアに蔓延し、SOUL STAGEはあっという間にCVLTE色に染め上げられる。この求心力、世界観の強烈さはさすがだ。


「<REDLINE>、どんな感じですか?」とavielがフロアに声をかけ、「tokyo insomnia.」へ。複雑に展開するサウンドをバックにオーディエンスを見渡すavielに歓声が飛ぶ。HALがスティックを振り回しながら叩き出すリズムに、Fujiがその体躯を折り曲げるようにして鳴らす低音、そしてTakuyaの空気を切り裂くようなギターサウンド……ソリッドな質感とずっしりとした質量をもったサウンドに、フロアは徐々に熱を帯びていく。さらに「digital paranoia.」を畳み掛けると、ドラマティックなメロディとavielの透き通るようなハイトーンにオーディエンスは手を挙げて応えてみせた。

その後「greedY.」を経て「eepY.EXE」へ。彼らにしか生み出せない独特のグルーヴでオーディエンスを酔わせると、avielが口を開く。「今日、私は、みなさんを楽しませるというよりも、Fujiとの最後の時間を楽しみたいと思っています」──そういうと、まさに音でのコミュニケーションを楽しむように「happy.」を始めていく4人。avielの言葉を受けて、Fujiのベースプレイにもさらに力が入っていくようだ。「Fujiに大きな拍手を!」と言うavielの言葉にフロアからは惜しみない拍手が送られた。


そしてそんなavielの思いを象徴するように披露されたのが、続いての初期曲「falling apart.」だった。「しばらくやらないと言いましたが、今日しかないので」と前置きがあったとおり、この選曲もFujiに捧げるという意味があってこそのものなのだろう。“No please don't leave me”と繰り返す歌詞が今のファンの今と心情とリンクするようでとても切ない。今と比べてもストレートなサウンドデザインやメロディラインは、彼らの原点を思わせるようで、その純粋さもまた感情を揺さぶる。ときおりavielはFujiに近づいて、彼に向かって歌いかけている。その光景はとてもエモーショナルで美しく、同時にとても切なかった。とはいえ、感傷に浸ってばかりでは前へ進めない。この曲は次への出発の歌でもあるのだ。

最後に「wasted times.」を密度の高い演奏とともに届けると、avielとともにステージに残ったFujiが大声で「ありがとうございました!」と挨拶。フロアでは涙を流すファンもいた。そんなファンの想いも受け止めるようにして最後まで前を向いていたavielの姿に、ここからさらに前進していくCVLTEの決意を見た気がした。

文◎小川智宏
写真◎Leo Kosaka

セットリスト

[SOUL STAGE]
1.scorpion.
2.tokyo insomnia.
3.digital paranoia.
4.greedY.
5.smileY:)
6.eepY.EXE
7.happy.
8.falling apart.
9.wasted times.

■JMS主催<REDLINE ALL THE FINAL>

12月7日(土) 千葉・幕張メッセ 国際展示場 9-11ホール
12月8日(日) 千葉・幕張メッセ 国際展示場 9-11ホール
open9:00 / start10:30 / 終演予定22:00

▼12月7日(土)出演アーティスト
ACIDMAN、Age Factory、ALI、ASP、Awich、bacho、FAT PROP、FOMARE、go!go!vanillas、HERO COMPLEX、KOTORI、MONGOL800、MY FIRST STORY、PEDRO、RIZE、SATOH、SIX LOUNGE、THE FOREVER YOUNG、TETORA、tricot、w.o.d.、WurtS、04 Limited Sazabys、クリープハイプ、サンボマスター、ハルカミライ、東京スカパラダイスオーケストラ、優里
▼12月8日(日)出演アーティスト
AFJB、BLUE ENCOUNT、coldrain、Crossfaith、Crystal Lake、CVLTE、Dragon Ash、dustbox、EGG BRAIN、ENTH、FACT、Fear,and Loathing in LasVegas、FOR A REASON、HEY-SMITH、MAN WITH A MISSION、MONOEYES、MY FIRST STORY、NOISEMAKER、Northern19、Paledusk、ROTTENGRAFFTY、SHADOWS、SHANK、SiM、The BONEZ、SPARK!!SOUND!!SHOW!!、TOTALFAT、WORSTRASH、マキシマム ザ ホルモン

■REDLINE ALL THE FINAL PROJECT “REDLINE DREAM BAND”

2024年12月6日(金)配信開始
※デジタルシングル
▼Vocal
Adam Graham (FACT)
AG (NOISEMAKER)
GEN (04 Limited Sazabys)
Hiro (SHADOWS / FACT)
細美武士 (MONOEYES)
庵原将平 (SHANK)
Jean-ken Jhonny (MAN WITH A MISSION)
Jesse (The BONEZ / RIZE)
JOEY (EGG BRAIN)
Jose (TOTALFAT)
Kaito (Paledusk)
笠原健太郎 (Northern19)
Kenta Koie (Crossfaith)
Kj (Dragon Ash / The Ravens)
MAH (SiM)
Masato (coldrain)
N∀OKI (ROTTENGRAFFTY)
NOBUYA (ROTTENGRAFFTY)
Suga (dustbox)
▼Guitar
Kazuki (SHADOWS / FACT)
YD (Crystal Lake)
Daidai (Paledusk)
▼Bass
チヨ (SPARK!!SOUND!!SHOW!!)
▼Drums
Tatsuya (Crossfaith)
▼Special Thanks
169 イチロー, タクマ, タナカユーキ (SPARK!!SOUND!!SHOW!!)



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