【速レポ】<REDLINE>SiM、2日間の大トリに一夜限りのDREAM BANDのはなむけも「あとは俺たちに任せろ」
大将の首を取るのは悪魔と決まってい…るかは知らないけれど、<REDLINE>に限っては、KTR(REDLINE主催者)の首を取ってとどめを刺すのは“KTRが育てた最大のバンド”SiMしかいないでしょう。ということで、2日間のトリを務めるのはSiM。
◆ライブ写真
SHOW-HATE(G)のギターリフが怪しく響きわたり、GODRi(D)とSIN(B)の刻むビートに乗せた「PANDORA」で、最後のステージを始めると、間髪入れずに「Blah Blah Blah」へ。首を取るため、殺傷力つよつよのラインナップを次々と投下していく。この時間まで残っている<REDLINE>のオーディエンスにはもはや説明不要の楽曲ばかりで、MAH(Vo)が「チッチッチッ」と時計の針を逆回転させ、SHOW-HATEがタッピングすれば、それを合図にフロアのそこかしこにサークルモッシュが出来上がる。
言っておくが、現時刻は21:30ですよ? オープニングアクトのWORSTRASHが始まってからおよそ12時間が経とうとしているのだ。それでもステージもフロアもお構いなし。MAHの「踊れ!」との言葉から「JACK. B」が始まれば、MAHが花道でオーディエンスを踊らせている後ろで、SINとSHOW-HATEが向き合ってちょっかいを出し合うなど、ステージもフロアも自由に遊び倒している。
冒頭から4曲を一気に畳み掛けると、MAHが「15年間、お疲れ様でした」と労いの言葉を送る。「このイベントとKTRが何をしてきたかっていうのは、この2日間で十分に感じたでしょ? “何をしてきたか”が人の人生なんだけど、俺らは生きるじゃん。だから俺はそれよりも“これから何をするか”のほうが大事だと思うの。KTRはこれから何を見せてくれるんですかね、俺たちに。面白いことをやっていきましょうよ」と、初年度の<REDLINE 2010>から出演しているSiMだからこその激励を飛ばす。
さらに「もしもKTRがちょっと立ち止まりたいと言うのならどうぞ」と告げたあと、MAHは続ける。「ただし、SiMはその間、容赦なく、あんたをおいて先に行くぜ」。そして繰り出したのは、世界的なバンドとして飛躍を果たした2023年リリースの「Do The Dance」と「The Rumbling」。SiMが進化し続ける姿を、それこそ容赦なく見せつけた。というのも、<REDLINE>主催者であるKTRは、そもそもJMSというCD流通会社の社員。2011年リリースの『SEEDS OF HOPE』の流通から両者の関係は始まったのだ。
そしてMAHが「一緒につくったCDのことを思い出しながらやらせてもらいますよ」と言うと「Amy」、「REDLINE、死ねー!」からの「KiLLiNG ME」、手でフロアへ合図してから始まった「f.a.i.t.h」とライブでお馴染みのキラーチューンを惜しみなく続け、オーディエンスを最後まで暴れ狂わせていく。『SEEDS OF HOPE』のリリースを手がけたときから、これらの楽曲がここまでの盛り上がりを生むことを、両者は想像していたのだろうか…と考えてみたけれど、そうなるべく邁進してきたのが両者なのだ。だからこそ、すべてを終えると、MAHは「あとは俺たちに任せろ」と、頼もしい背中を見せながら花道を戻り、そのステージの幕を引いた。REDLINEはピリオドを打つけれど、両者の関係が終わるわけではない。だから感傷的なムードにはならない。ただ、首は取りましたよと。悪魔らしい、潔い幕引きだった。
SiMのメンバーがステージを去ったあと、スクリーンにとある映像が映し出される。REDLINE DREAM BANDのレコーディング風景だ。REDLINE DREAM BANDとは、ドラムにTatsuya(Crossfaith)、ベースにチヨ(SPARK!!SOUND!!SHOW!!)、ギターにKazuki(SHADOWS / FACT)とYD(Crystal Lake)とDAIDAI(Paledusk)、ボーカルにAdam Graham(FACT)、AG(NOISEMAKER)、GEN(04 Limited Sazabys)、Hiro(SHADOWS / FACT)、細美武士(MONOEYES)、庵原将平(SHANK)、Jean-Ken Johnny(MAN WITH A MISSION)、Jesse(The BONEZ / RIZE)、JOEY(EGG BRAIN)、Jose(TOTALFAT)、Kaito(Paledusk)、笠原健太郎(Northern19)、Kenta Koie(Crossfaith)、Kj(Dragon Ash / The Ravens)、MAH(SiM)、Masato(coldrain)、N∀OKI(ROTTENGRAFFTY)、NOBUYA(ROTTENGRAFFTY)、Suga(dustbox)という、書き連ねるだけでも恐れ多いほどの強者揃いのスペシャルバンドだ。
MAH主導で、この豪華メンバーによる楽曲「REDLINE」が12月6日にデジタル配信されたのだが、思えば彼らの<REDLINE ALL THE FINAL>当日のパフォーマンスについてはアナウンスされていなかった。すると、映像が流れている中、BEGINNING STAGEに足を踏み入れる人の姿が。その様子に気づいたオーディエンスがざわつき始めた頃、場内が明るくなり、REDLINE DREAM BANDのメンバー紹介と共に、メンバーが続々とステージへ。そして信じられないくらいの豪華なメンバーによる一夜限りの<REDLINE>のパフォーマンスでイベントは大団円を迎えた。
同曲のラストはシンガロングパート。ステージ上の豪華メンバーと2日間暴れ狂ったオーディエンスが共に歌ったフレーズは“see you again”と“all it the end”。正式な歌詞は“I know I'll see you again, So I won't call it the end”だ。歌い終えたスクリーンには“REDLINE THE END”の文字が映し出されていた。彼らが伝えたかったことは、この2日間で十分に伝えられていたはず。<REDLINE>にはピリオドが打たれるが、これほどまでに頼もしいアーティストが、繋いでいく未来がある。
文◎小林千絵
写真◎Kohei Suzuki / RUI HASHIMOTO [SOUND SHOOTER] / Taka"nekoze photo"
セットリスト
1. PANDORA
2. Blah Blah Blah
3. Faster Than The Clock
4. JACK. B
5. Do The Dance
6. The Rumbling
7. Amy
8. KiLLiNG ME
9. f.a.i.t.h
■JMS主催<REDLINE ALL THE FINAL>
12月8日(日) 千葉・幕張メッセ 国際展示場 9-11ホール
open9:00 / start10:30 / 終演予定22:00
▼12月7日(土)出演アーティスト
ACIDMAN、Age Factory、ALI、ASP、Awich、bacho、FAT PROP、FOMARE、go!go!vanillas、HERO COMPLEX、KOTORI、MONGOL800、MY FIRST STORY、PEDRO、RIZE、SATOH、SIX LOUNGE、THE FOREVER YOUNG、TETORA、tricot、w.o.d.、WurtS、04 Limited Sazabys、クリープハイプ、サンボマスター、ハルカミライ、東京スカパラダイスオーケストラ、優里
▼12月8日(日)出演アーティスト
AFJB、BLUE ENCOUNT、coldrain、Crossfaith、Crystal Lake、CVLTE、Dragon Ash、dustbox、EGG BRAIN、ENTH、FACT、Fear,and Loathing in LasVegas、FOR A REASON、HEY-SMITH、MAN WITH A MISSION、MONOEYES、MY FIRST STORY、NOISEMAKER、Northern19、Paledusk、ROTTENGRAFFTY、SHADOWS、SHANK、SiM、The BONEZ、SPARK!!SOUND!!SHOW!!、TOTALFAT、WORSTRASH、マキシマム ザ ホルモン
■REDLINE ALL THE FINAL PROJECT “REDLINE DREAM BAND”
※デジタルシングル
▼Vocal
Adam Graham (FACT)
AG (NOISEMAKER)
GEN (04 Limited Sazabys)
Hiro (SHADOWS / FACT)
細美武士 (MONOEYES)
庵原将平 (SHANK)
Jean-ken Jhonny (MAN WITH A MISSION)
Jesse (The BONEZ / RIZE)
JOEY (EGG BRAIN)
Jose (TOTALFAT)
Kaito (Paledusk)
笠原健太郎 (Northern19)
Kenta Koie (Crossfaith)
Kj (Dragon Ash / The Ravens)
MAH (SiM)
Masato (coldrain)
N∀OKI (ROTTENGRAFFTY)
NOBUYA (ROTTENGRAFFTY)
Suga (dustbox)
▼Guitar
Kazuki (SHADOWS / FACT)
YD (Crystal Lake)
Daidai (Paledusk)
▼Bass
チヨ (SPARK!!SOUND!!SHOW!!)
▼Drums
Tatsuya (Crossfaith)
▼Special Thanks
169 イチロー, タクマ, タナカユーキ (SPARK!!SOUND!!SHOW!!)
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