【速レポ】<REDLINE>優里「今日、俺はロックバンドとしてここに立っている」

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「今日、俺はロックバンドとしてここに立っている。ここにいるおまえらと暴れるために来たんだ! かかってこいよ、<REDLINE>!」

◆ライブ写真

辛辣な言葉選びで持ち前の反骨精神を歌った2曲目の「ピーターパン」で観客にシンガロングの声を上げさせた直後に優里が言ったこの言葉が、数あるレパートリーの中からロックナンバーを中心に選んだこの日のセットリストを物語っていた。その意味でも、見どころの連続だった。


優里自らとことん歪ませた音色でエレキギターをかき鳴らした「カーテンコール」。たたみかけるようにテンポアップするサビを含め、パートごとにリズムが変わるアレンジは、バンドと演奏することでよりスリリングなものになったと思う。そして「ブレーメン」からドラムで繋げ、ノンストップでなだれこんだ「告白直前酸欠状態」。ピアノバラード風に始まった「ブレーメン」も、広いステージを左右にエネルギッシュに走りながら歌い上げ、「告白直前酸欠状態」の盛り上がりに繋がる助走に変えてみせる。ギタリストとベーシストが花道に躍り出る演出も、優里が言った“ロックバンド”という一言を今一度、観客に思い出させたことだろう。

そんなふうに数ある見どころの中で一番盛り上がったのが「ドライフラワー」。誰もが知っている(という表現は決して大袈裟ではないだろう)このバラードを、この日、優里は「Punk rock ver.」で披露した。たぶん、彼のことをこの曲の印象からバラードシンガーだと思っていた人はきっと面食らったはず。しかし、「もっと声をくれないか!?」という優里に応え、シンガロングの声を上げながら、熱狂なんて言葉も思い浮かぶくらい盛り上がっている観客の様子を見るかぎり、ここには彼のことをバラードシンガーだなんて思っている観客はほとんどいなかったようだ。この「Punk rock ver.」、ライブではしばしば披露しているから、もしかしたらみんな期待していたのかもしれない。


「<REDLINE>、最高だ。ありがとう!」と観客の反応に満足したように優里が快哉を叫ぶ。そこから前述した「告白直前酸欠状態」からの終盤の盛り上がりに繋がっていくのだが、最後の曲を演奏する前に優里は<REDLINE>と自分の関係を語る。

「まだ1曲も曲を発表していなかった2019年の<REDLINE>で物販ブースの前に小さなステージを作ってもらって、そこで1日中、弾き語りしてました。物販にはすげえ列ができてたけど、(自分の前で)立ち止まってくれる人はいなかった。SiMとかMY FIRST STORYとか、いろいろなバンドのライブを見て、すごく差があると思いながら、いつかあのステージに立ってやると心に決めました。あれから5年、心が折れそうになったこともあったけど、毎日歌った。そして、今日は<REDLINE>のメインステージで歌ってます!」

そんな物語を紡ぎ出して、30分という決して長くない尺のステージをドラマチックなものにしてしまうんだから、さすが稀代のシンガーソングライター。


「あきらめずに進み続ければ、夢は叶うと信じています。みんなの背中を押せるように歌います」

そんなふうに語ってから最後に歌ったのは、エモいロックナンバーの「飛行船」。ダメ押しするように盛り上げ、5年越しで実現したライブはエンディングを迎えた……とここまで書いてきていまさらだが、シビアでタフな言葉と聴く者の胸に迫る歌声の凄みを際立たせるように曲の大半をアカペラで歌った1曲目の「かごめ」がぴーんと張り詰めた空気を作ったからこそ、「ピーターパン」以降のロックバンドサウンドがより一層ハジけ、鮮烈に聴こえたのだということを最後に付け加えておきたい。

文◎山口智男
写真◎小杉歩

セットリスト

[BEGINNING STAGE]
1.かごめ(Hall ver)
2.ピーターパン
3.カーテンコール
4.ドライフラワー(Punk rock ver.)
5.ブレーメン
6.告白直前酸欠状態
7.飛行船

■JMS主催<REDLINE ALL THE FINAL>

12月7日(土) 千葉・幕張メッセ 国際展示場 9-11ホール
12月8日(日) 千葉・幕張メッセ 国際展示場 9-11ホール
open9:00 / start10:30 / 終演予定22:00

▼12月7日(土)出演アーティスト
ACIDMAN、Age Factory、ALI、ASP、Awich、bacho、FAT PROP、FOMARE、go!go!vanillas、HERO COMPLEX、KOTORI、MONGOL800、MY FIRST STORY、PEDRO、RIZE、SATOH、SIX LOUNGE、THE FOREVER YOUNG、TETORA、tricot、w.o.d.、WurtS、04 Limited Sazabys、クリープハイプ、サンボマスター、ハルカミライ、東京スカパラダイスオーケストラ、優里
▼12月8日(日)出演アーティスト
AFJB、BLUE ENCOUNT、coldrain、Crossfaith、Crystal Lake、CVLTE、Dragon Ash、dustbox、EGG BRAIN、ENTH、FACT、Fear,and Loathing in LasVegas、FOR A REASON、HEY-SMITH、MAN WITH A MISSION、MONOEYES、MY FIRST STORY、NOISEMAKER、Northern19、Paledusk、ROTTENGRAFFTY、SHADOWS、SHANK、SiM、The BONEZ、SPARK!!SOUND!!SHOW!!、TOTALFAT、WORSTRASH、マキシマム ザ ホルモン

■REDLINE ALL THE FINAL PROJECT “REDLINE DREAM BAND”

2024年12月6日(金)配信開始
※デジタルシングル
▼Vocal
Adam Graham (FACT)
AG (NOISEMAKER)
GEN (04 Limited Sazabys)
Hiro (SHADOWS / FACT)
細美武士 (MONOEYES)
庵原将平 (SHANK)
Jean-ken Jhonny (MAN WITH A MISSION)
Jesse (The BONEZ / RIZE)
JOEY (EGG BRAIN)
Jose (TOTALFAT)
Kaito (Paledusk)
笠原健太郎 (Northern19)
Kenta Koie (Crossfaith)
Kj (Dragon Ash / The Ravens)
MAH (SiM)
Masato (coldrain)
N∀OKI (ROTTENGRAFFTY)
NOBUYA (ROTTENGRAFFTY)
Suga (dustbox)
▼Guitar
Kazuki (SHADOWS / FACT)
YD (Crystal Lake)
Daidai (Paledusk)
▼Bass
チヨ (SPARK!!SOUND!!SHOW!!)
▼Drums
Tatsuya (Crossfaith)
▼Special Thanks
169 イチロー, タクマ, タナカユーキ (SPARK!!SOUND!!SHOW!!)



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