【インタビュー】KIRITO、3rdアルバム『CROSS』が描く多次元な世界線「再び交わるとはどういうことなのか」

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■今はそれぞれに分かれていた選択肢を
■どうクロスオーバーさせていくかがテーマ


──そして別の世界線という部分で、10月に開催された<ANDROGYNOS - THE FINAL WAR ->の話題も。7年前の<ANDROGYNOS>の時とは違う余韻が自分の中に生まれているんですが、実際にやる前とやった後とでは、KIRITOさんの中で気持ちの変化は生まれました?

KIRITO:どうだったかな……でも、大変なことだったというのはたしかですね。イベントをやること自体は決められるけど、実際にそれが成功するのかどうか。観た人みんなが満足するようなところまで持っていけるのかどうかは、本当に必死になってやらないと分からないことなので。そこに向けて必死だったし、俯瞰できる余裕もなかったですね。やっぱり7年間やっていないもの、PIERROTを、そのレベルまで短時間で持っていくというのは大変なことなので。

──また、ライバルと称されるDIR EN GREYに対する、リスペクトを含む友好的なコミュニケーションをオープンにしていたことも印象的で、こんな世界線があったのかって感動するものがあったんです。そういったところに至ったのは、やはり時間を重ねたことが大きいですか。

KIRITO:ええ、それもあると思いますよ。それで、時間が経過するということは、決断して生きていっているということだと思ってるので……決断するということは、量子論的に言えば観測することと同義だと思うんです。決断する、いわゆる観測する時点で、未来であり世界線というのは無限に分かれていくものだから、それをチョイスしたか/しなかったというだけで、どちらかが消えるものではなくて。だからこそ、さっき言ってた一見難解な話というものにも説明がつくし、そこでひとつストーリーとして作れるんじゃないかと。PIERROTをやることも<ANDROGYNOS>をやることも、自分が生きてきた中での世界線のひとつですよね。


──そういうことになりますね。

KIRITO:PIERROTに関して言うなら、解散した上で、そこからどうしてきたのかという時間軸の世界線を僕は現実に体現してるわけだけど、解散していない世界線だって、解散した時点で“在る”んですよね。決断することによって世界線が無限に分かれてきた。それが見えたかどうかは関係なくて、確実に在るものが、どのように、つぎはぎ的につながっていくのか…。今はそれぞれに分かれていた、現実にあり得た選択肢を、どうつなげて、どうクロスオーバーさせていくかが僕のテーマになっている。その一端を表現しているのがソロのアルバムではあるけど、同時にPIERROTをこういう形でやったことも当然意味があるし、いろんなものに意味があるんですよ。

──なるほど。

KIRITO:PIERROTとDIR EN GREYが交わることもそう。あの時に最後のMCを任されたというところで、ある程度自分なりの解釈を話したんですね。DIR EN GREYという存在がいて、なぜこれだけの時間を経てPIERROTとツーマンという形でやらせてもらえることになったのかっていうところも、いろんな解釈があると思うんです。対照的だとは思うんですよね、PIERROTはある時点で止まることを決断して、DIR EN GREYは止まらずにやってきた。対照的な世界線をチョイスしたんだけれども、そんな両者が再び交わるというのはどういうことなのかをすごく考えたんですよ。過去に僕が選んだ世界線はこっちだけど、僕が選ばなかった世界線があるなら、“こういうこと”なのかもしれない。だから……というのは、僕の勝手な解釈だけど、時代を経て2つのバンドが交わったのはそういう理由なのかなと。対照的なこの2バンドが、何で肩を並べて同じステージに立てるのか。僕の中での“世界線とは何か”、“交わる次元とは何か”ってことを考えると、妙なリンクをし始めるというかね。

──観測されなかったままになっていた可能性があったことを考えれば、DIR EN GREYとPIERROTが交わったことはやはり奇跡的ですね。

KIRITO:ええ、面白いタイミングで交わるポイントが来るんだなって思いますね。自分なりに解釈することでストーリーが生まれるし、そのストーリーをどう作品やパフォーマンスに活かしていくか、そこで感じてもらえることがあるんだろうかと考えたりするんですけど、それを楽しんでもらえたらいいなと。


──今回の<ANDROGYNOS>を経て2025年2月にはPIERROTとしてのワンマンがありますが、過去のどの時期の復活とも心持ちは違ったりしますか?

KIRITO:うーん……共通していることは、決まったからにはしっかりとやろうっていうことですね。もちろんそこにいろんな想いはあるんですよ。ただ、実際にやる前からどうこうって説明くさくしたり、自分自身もそういう腹構えで臨むと邪魔じゃないですか。観る側にも、終わった後でいろいろと感じてもらうものだと思うので。実際に<ANDROGYNOS>も、終わってから感じてもらえたことってすごく多かったと思うんですよ。

──たしかにそうでしたね。

KIRITO:<ANDROGYNOS>が開催される前に、ただ単純に、また再びバチバチやり合うというところに興奮して楽しんでもらうのはそれでいいんです。だけど僕は最後の締め括りとして、僕が考える戦争とは何なのかとか、世界線が交わるとはどういうことなのかを話したじゃないですか。そういう話の細かいところは、その後の自分のソロの作品で表現するわけですけど、そうやって点と点が全部つながった時に初めて感じてもらえるものもあるから、やる前にあれこれ言わなくていいんじゃないかなと思うんですよね。やった後にいろいろと感じてもらうことは当然あるから。ただひとつ言っておくと、ここで何も話さないからといって、淡々と“決まったからただやりますよ”ってことではないわけで。そんな適当にアリーナクラスのライヴはできないですから。

──分かりました。KIRITOさんは自身のライヴのMCで、「この先もみんなが驚くことをやっていくから」と常々言ってきてますが、そこはより加速していきそうですね。

KIRITO:そう。楽しんでもらえるレベルでいろいろなことがありますよと。そこは段階を踏んでいくからこそ、みんなの心に“ああ…”って沁みる部分だと思ってます。なので、実際にその目で見てから感じるものがたくさんありますよ、とだけ言っておきます。

取材・文◎早川洋介


■3rdアルバム『CROSS』

2024年11月13日発売
【初回限定⽣産盤(CD+DVD)】
IKCB-9589〜90 4,730円(税込)
チェキ⾵フォトカード:全3種中1種ランダム封⼊
【通常盤】
IKCB-9591 3,300円(税込)
▼CD収録曲
01. CROSS OVER THE WORLD LINE
02. Golgotha
03. VENUS
04. KINGDOM OF THE NEW SEEDS
05. Document
06. ⽉の残像
07. ⽡礫の花
08. TIME AXIS
09. COMPLETE
10. A NEW BIBLE
▼DVD収録内容
「⽡礫の花」Music Video +メイキング映像

All Songs, lyries & Produced by KIRITO


▲初回限定生産盤


▲通常盤

●購入者特典
・タワーレコード全店(オンライン含む/一部店舗除く):ポストカード(タワーレコードver.)
・HMV全店(HMV&BOOKS online含む/一部店舗除く):ポストカード(HMV ver.)
・楽天ブックス:ポストカード(楽天ブックス ver.)
・セブンネットショッピング:トート型エコバッグ
・Amazon.co.jp:メガジャケット ※初回盤ご購入で初回盤デザイン、通常盤ご購入で通常盤デザイン

●リリース記念イベント
11月30⽇(⼟)18:00〜 東京・タワーレコード新宿店
12月01⽇(⽇)17:00〜 東京・ヴィレッジヴァンガード渋谷本店
12月02⽇(⽉)19:00〜 宮城・タワーレコード仙台パルコ店
12月13⽇(⾦)19:00〜 福岡・タワーレコード福岡パルコ店
12月20⽇(⾦)19:00〜 ⼤阪・HMV&BOOKS SHINSAIBASHI店



■<KIRITO Tour 2024-2025「CROSS OVER THE TIME AXIS」>

▼2024年
11月16日(土) YOKOHAMA Bay Hall
open17:30 / start18:00
11月17日(日) YOKOHAMA Bay Hall
open16:30 / start17:00
11月24日(日) SUPERNOVA KAWASAKI
open17:00 / start17:30
11月25日(月) 恵比寿LIQUIDROOM
open18:30 / start19:00
12月03日(火) 仙台Rensa
open18:00 / start18:30
12月07日(土) 札幌PENNYLANE24
open17:00 / start17:30
12月14日(土) 福岡DRUM Be-1
open16:30 / start17:00
12月21日(土) 梅田CLUB QUATTRO
open16:45 / start17:30
12月22日(日) 名古屋ボトムライン
open16:30 / start17:00
12月25日(水) Spotify O-EAST(FC限定)
open18:15 / start19:00
▼2025年
01月05日(日) Spotify O-EAST
open17:15 / start18:00
01月06日(月) Spotify O-EAST
open18:15 / start19:00

▼ サポートメンバー
G.海(vistlip)、G.JOHN、B.Chiyu(SLAPSLY)、Dr.Hiroki(C-GATE)
▼チケット
一般料金:9,300円(ドリンク代別・税込)
ファンクラブ先行料金:8,800円(ドリンク代別・税込)
※スタンディング/指定席


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