【ライヴレポート】KIRITO、ツアー＜ALPHA-CODE＞完遂「ソロ名義であるとともに“概念／GAI-NEN”というバンド」

2023年11月18日にスタートした全13公演にわたるKIRITOの全国ツアー＜KIRITO Tour 2023-2024「ALPHA-CODE」＞が、2024年1月6日および7日の東京・渋谷Spotify O-EASTにてファイナルを迎えた。同公演のオフィシャルレポートをお届けしたい。

◆KIRITO 画像

軍帽とロンググローブという最新ビジュアルに沿った装いに白のマントを翻し、ステッキを手に登場したKIRITO。幕開けを飾った「THE ULTIMATE BEGINNING「ALPHA」」で、アタック感の強いバンドサウンドとともに見せた力強いパフォーマンスは、先頭に立ち、自ら道を切り開いていく剣士のようで、凄まじい気迫に満ちたものだった。


今ツアーは2023年11月15日にリリースされたアルバム『ALPHA』を引っ提げ行われたもの。本編前半ではアルバム収録順通りに『ALPHA』の全11曲が繰り広げられた。あらゆる場面で楽曲の進化を感じさせてくれたことはもちろん、眩い光に包まれながらKIRITOが一人ひとりに語りかけるようにフロアを指しながら歌った「DEAR PLUS ALPHA」のあまりにも美しい光景の後、間髪入れずに「RAID」「I BLESS YOU」と前アルバム『NEOSPIRAL』(2022年11月発売）の収録曲が続いた流れは印象深いものだった。

というのも、「DEAR PLUS ALPHA」は『ALPHA』のラストナンバーであり、ステージの構成上、そこでブロックが切り替わっても不思議ではない。だが、愛する人たちへ向けたその楽曲の後に、揺るがない思いを綴った温かな2曲が続いたことで、その全てがより強く確かなメッセージとして響き、まるで「I BLESS YOU」までの13曲が一つの作品のように感じられたのだ。


また、サポートを務めた海(G / vistlip)、JOHN(G)、Masa(B / NOCTURNAL BLOODLUST)、Hiroki (Dr / C-GATE)について、KIRITOはこう語った。

「KIRITOというソロ名義であるとともに、“概念／GAI-NEN”というバンドでもあります。俺にとってかけがえのない大切なメンバーです。ソロという感じが全然しない」──KIRITO

との発言はあまりにも感慨深い。そもそも『ALPHA』は『NEOSPIRAL』のさらに上をいく、現時点でのKIRITOのバンドサウンドの究極体だが、それを5人がステージ上で具現化するとともに、バンド然としたパフォーマンスも展開してみせたのだった。


さらに、『NEOSPIRAL』のタイトル曲「NEOSPIRAL」とリード曲「Discord」という、現在のKIRITOサウンドに通じる攻撃性を象徴する2曲。言わばKIRITO名義の始まりの曲と捉えてもいい楽曲が、それぞれ本編とアンコールのラストを担ったことは重要なポイントの一つと言えよう。しかも、「Discord」をプレイする直前に告げたのがこの言葉だった。

「素晴らしいツアーだったからこそ、ここでぶち壊しましょう。そして、またゼロから作りましょう」──KIRITO

その言葉から、ステージ、フロアともに暴れ倒して終演を迎えるという流れは、実にKIRITOらしい締め括り方だったと感じる。今ツアーは、究極の始まりを示す『ALPHA』を軸にしたものでありながら、二部作のような関係性にある『NEOSPIRAL』と『ALPHA』がステージ上で大きな相乗効果を発揮する結果となった。


2023年の終わりと2024年の始まりを駆け抜けたKIRITOだが、自身の誕生日2月24日には豊洲PIT公演が決定している。曰くバースデーライブの意味合いよりも、＜THE MISSION OF BETA＞という冠の通り“ALPHAの先”に重きを置いたものになるとのことだ。

なお、KIRITOは本日1月8日から各サイトにて音楽ストリーミングサービスを順次配信スタートしている。