【舞台裏インタビュー】<山人音楽祭2024>LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS PLUS、「このメンツで最低でももう10年はやっていきたい」

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「3回目にしてやっとこの(赤城)ステージに来られました」

LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS PLUSということで、渡邊忍(G)、フルカワユタカ(G)、山崎聖之(Dr)とともに赤城ステージに立ったLOQ IQ 01(Vo, B)。観客の手拍子に歓迎されながら、タイトかつソリッドなバンドサウンドに甘せつないメロディを落とし込んだ「LITTLE GIANT」から新旧の代表曲を次々に披露していった。2曲目の「SNOWMAN」では、TOSHI-LOWがふらっと現れ、ハーモニーを重ね、そして8曲目の「BIG LITTLE LIES」ではSCAFULL KINGのTGMXとAKIRATTがホーンを加えるという<山人音楽祭>ならではの景色も作り出す。

中には果敢にダイブに挑んでいる観客もいるが、どちらかと言うと、曲が持つキャッチーな閃きを楽しんでいるという印象だ。ハードコアにもメタルにもなるバンドの演奏は確かなテクニックに裏付けられたものながら、センスオブユーモアも忘れない。その意味では時折見せるコミカルなステージングも見どころと言えるだろう。

演奏中、「最高だ!」とLOW IQ 01は言ったが、そんなメンツが揃ったのは、彼の才能か、それとも人柄か。ラストを飾ったのは、SUPER STUPID時代の代表曲「WHAT’S BORDERLESS」。最後に観客に感謝を述べたLOW IQ 01は前夜から降っていた雨が止んだことについて、一言付け加えた。

「そして俺は晴れ男!(笑)」
それがG-FREAK FACTORYの茂木洋晃に対するメッセージであることは言うまでもないだろう。

そんな彼は現在、ソロデビュー25周年記念イヤーの真っ最中。本番直後のインタビューでも彼を中心に4人はステージと変わらないグルーブを感じさせてくれた。

   ◆   ◆   ◆

──ライブを終えた手応えをまず聞かせてください。

LOW IQ 01(以下01):<山人>でこの4人が揃ったの今回初めてで。今までは(ギター)忍さんだけだったり、ユタカだけだったりしたんですけど、今回、オファーが来た時に「4人で行きます」と言ったら、ちゃんとステージを用意してくれたみたいで。

──あー、大きいほうの赤城ステージを。

01:だから、G-FREAK FACTORYとの関係性もあるし、けっこう一緒にやることも多いし、今回は4人でびしっとちゃんとしたところってわけじゃないけど、4人のパワーを見せたいと思いました。

──ライブを見ながら、最高のバンドだと思いました。

01:お、ありがとうございます。

──この最高のメンツが揃うのは、イチさんの才能なのか、人柄なのか。みなさんはイチさんのどこに惹かれて、このバンドに集まっているんですか?

フルカワ:才能と人柄の両方ですよ。

01:でも、僕だけじゃないと言うか、僕もこの人たちからいろいろエネルギーをもらってるから、すごくフェアな感じがして。ワンマンな感じがしないっていうところが、僕もやりながらすごく気持ちいいと言うか。基本的には僕のソロユニットなんですけど、寄せ集めじゃねえぞっていう気持ちがあって。このメンツで、最低でももう10年はやっていきたいって思うし、関係性もね、みんなちゃんと大人だし。何だろうな。ユタカも全然違うジャンルだし、忍さんもまた違うところだし、山崎もそうだし、おのおのやっているものは違うんだけど、集まると力をめちゃめちゃ貸してくれるんですよ。だから、ほんとにのびのびやらせてもらってますね。


──のびのびやっているという意味では、忍さん、演奏中にフルカワさんにめちゃめちゃ絡むじゃないですか。絡んでいると言っていいのかわからないですけど。

フルカワ:邪魔してるだけですよ。

渡邊:ミスさせようと思って邪魔をしてます(笑)。

──ああいうコミカルなステージングは自然に生れたものなんですか?

01:最初はそこまでやってなくて、変な踊りをしてただけなんですけど、(ライブの)持ち時間が長くなってきたら、ちょっかい出しはじめたんですよ。そっから始まったと思うんですけど。

渡邊:いや、そもそもはクビになりたくてやってたんですけど、そしたらイチ君が喜んじゃって(笑)。

01:普通ね、イヤじゃないですか。ちゃんと演奏しろよって思うんだけど、なんか喜んじゃうんですよね。そういった意味では稀な人ですね(笑)。

──僕も見ていて楽しかったです。でも、フルカワさんはイヤなんじゃないですか?

フルカワ:いや、全然。俺の才能に嫉妬してんだ。俺の足を引っ張ることで何とかしようとしてんだって思ってます。


──なるほど。ところで、さっきG-FREAKとの関係性があるとおっしゃっていたんですけど、関係性があるにもかかわらず、イチさん、<山人>の出演回数がちょっと少なくないですか⁉

01:いや、ここから追い上げます(笑)。<山人>は4回目だけど、そもそもG-FREAKとは濃い付き合いをしてきたんだから盛り上げますよ。それこそね、もうやめちゃったけど、PONとユタカはDOPING PANDA時代からPxOxN(G-FREAKの前ドラマー・渡部『PxOxN』寛之)が昔やってたバンドと一緒にやっているし、なんなら僕もPxOxNにドラムを叩いてもらったことがあるし。やめちゃった人の話で申し訳ないけど、茂木に言われたことがあるんですよ、「あいつがあんな楽しそうな顔してるの初めて見た」って。そういうところから関係がぐっと深まって、グルーヴが生まれていったんだけど、その中にはTOSHI-LOWもいて。そういうところから始まって、濃い付き合いをさせてもらってるから単純に回数では語れないんですよ

──今日のTOSHI-LOWさんの飛び入りも極々自然でしたね。

01:TOSHI-LOWが何時来るか知らなかったですからね。もちろん、予定調和でがっつりやるのもいいと思うんだけど、たとえば、俺たちのステージに出るために家を早く出なきゃいけないんだったら、俺は申し訳ないって考えなんですよ。SCAFULL KINGのメンバーもそう。彼らが飛び入りするの知らなかったの俺だけで、実はみんな知ってたっていう。だから、「BIG LITTLE LIES」ほんとやってよかった。たまたま今日、セットリストに入れたんですよ。そういうドッキリはすごくうれしいですね。

──じゃあ、<山人>はとても居心地がいいわけですね?

01:いや、ほんとに。年齢層が広いから僕はやりやすいです。バランスがすごくいいですよ。俺が最年長ぐらいになっちゃうんで。でも、「昔から知ってる」って言ってもらえたりすると、めちゃくちゃ居心地がいいです。どうですか、居心地は? 忍さん。忍さんは2回目だもんね。

渡邊:この裏のね、ごはんもおいしいし、ステージもめちゃくちゃ広いんだけど、変な圧迫感もないから、いつもの気持ちでやれるのがいいですね。

01:ライブハウスぐらいの感じでできるよね。大きいんだけど、変な気負いがなくできるんですよ。それはやっぱりG-FREAKの人柄なのか、そういう雰囲気が出てますよね。

渡邊:等身大でライブができる感じがいいんですよ。今日もそうでしたよね。それこそちょっかい出す感じもそうですけど、いつもの感じでやれるんで。やっぱりフェスになると、変な緊張感が出ちゃったりするけど、それがなくできるっていうのは意外に<山人>だけなのかもしれない。

──山崎さんはいかがですか?

山崎:いろいろな世代のバンド出てるじゃないですか。いろいろなバンドで叩かせてもらってる中で、今日も知り合いがけっこういて、ちょっと同窓会っぽい雰囲気もあるし、毎回、いろいろな人がいて楽しいです。毎年、ここで会う人がけっこういるんですよ。前回一緒だったハルカミライと久しぶりに会いましたよ(笑)。

フルカワ:そういうフェスを群馬でやっているのがいいですね。


──最後に今後の活動予定を聞かせてほしいんですけど、大きなところでは11月9日の日比谷野外大音楽堂公演が決まっているので、その意気込みを聞かせてください。

01:お世話になった人たちをゲストに迎え、この4人で野音のステージに立ちます。やってやるぞって気持ちは常にどこでもあるんで、逆に空回りしないように楽しくできればすごくいいなと思ってます。

取材・文◎山口智男
写真◎野村雄治
ライブ写真◎HayachiN

<山人音楽祭2024>

日程:2023年9月21日(土) 、9月22日(日・祝)
開場・開演:開場 9:30 / 開演 11:00 (終演 20:00予定)
会場:日本トーターグリーンドーム前橋(群馬県前橋市岩神町1丁目2-1)

出演者
【9月21日(土)】
アイカワヒトミ / 打首獄門同好会 / Age Factory / ENTH / おとぼけビ〜バ〜 / ザ・クロマニヨンズ / 佐藤タイジ / サンボマスター / G-FREAK FACTORY / SIX LOUNGE / 上州弾語組合 / Dragon Ash / HAWAIIAN6 / FOMARE / プッシュプルポット / The BONEZ / MAN WITH A MISSION / MOROHA / ゆってぃ&バリ3TV (※五十音順)

【9月22日(日祝)】
KUZIRA / G-FREAK FACTORY / SHADOWS / SHANK / 上州弾語組合 / 四星球 / SCAFULL KING / 高木ブー / DJダイノジ / TETORA / 10-FEET / NakamuraEmi / HUSKING BEE / バックドロップシンデレラ / ハルカミライ / THE FOREVER YOUNG / ザ・ボヤキングス / ライブゾーン(TOSHI-LOW&茂木洋晃) / LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS PLUS / ROTTENGRAFFTY (※五十音順)

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