【ライブレポート】LOW IQ 01、<Solo 25th Anniversary チャレンジ25>日比谷野音公演を豪華ゲストも祝福「25周年、楽しいお祭りができました」

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LOW IQ 01のソロ25周年を記念した自身初の野音ワンマンライヴ<LOW IQ 01 Solo 25th Anniversary チャレンジ25 日比谷野音>が11月9日に日比谷野外大音楽堂にて開催された。最強布陣LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS PLUSの圧倒的グルーヴとハッピーなパフォーマンスに加え、豪華盟友ゲストがアニバーサリーに華を添えた同公演のレポートをお届けしたい。

◆LOW IQ 01 画像

2024年5月から<アタック25>と題し、弾き語りによるソロライヴや、山﨑聖之(Dr)を迎えた2人編成のLOW IQ 01 & ANOTHER BEAT BREAKER、フルカワユタカ(G)とBECK(Dr)を迎えた3人編成のLOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERSという、メンバーが1人ずつ増えていく3ヶ月連続ワンマンを行うだけでなく、10月にはSHORT CIRCUITを招いて対バン形式でその番外編までも開催。完全に流れは整ったと言っていいだろう。この日のチケットは早々にソールドアウトし、立ち見席が開放された完全な満員御礼。全国各地から25周年を祝いたいんだというファンが集結し、開演前から熱気があちらこちらから立ち上っていた。





そんな中、赤い照明を受けながら渡邊忍(G)、フルカワユタカ(G)、山﨑聖之(Dr)、そしてLOW IQ 01(Vo, B)が姿を現して「野音に来ました!」と声を上げる。BRAHMANの「真善美」の歌詞を引用しながら25年前に思いを馳せ、「この曲からすべてが始まりました」とオープニングナンバーとして「Little Giant」をお馴染みの「ア、バ、レ、ロー!」との言葉と共に鳴らしていく。客席に降り注ぐのはまさに歓喜の音。キレッキレの演奏や贅沢すぎる渡邊のコーラスもそりゃ素晴らしいのだが、サウンドとしての煌きが本当に素晴らしい。一瞬で心を掴まれてしまった。

会場全体から起こったクラップにカウントを合わせて始まったのが「T・O・A・S・T」。聴き続けた名曲が連投されるだけあって、観客の口ずさみ率も激高。木々に囲まれた野音は格別な開放感があるのだが、得も言われぬムードにも包みこまれる。一体感と言うべきか、連帯感と言うべきか、とにかく気分は高揚しっぱなし。イントロからLOW IQ 01、渡邊、フルカワがゴキゲンに動き回り、いい疾走感で走り出して会場をグッと盛り上げたのが「Every Little Thing」。渡邉が抜群のギターソロを奏で、その後LOW IQ 01と向き合ってじゃれ合うように弾き倒せば大きな歓声が上がり、フルカワも軽くステップを踏みながらギターをかき鳴らし、屋台骨を支える山崎のドラミングも冴えわたる。LOW IQ 01が率いるバンドはいつ観ても同じ空間にいるだけで笑顔がこぼれてしまうのだ。

深く沈み込むようなイントロからフック満載のグッドメロディーを届けてくれた「SWEAR」、ひと呼吸おいて艶っぽいギターから心地よくトリップさせてくれる「WAY IT IS」へ。観客も待ってましたとジャストのタイミングでクラップし、手を挙げる。みんなで作り上げる素晴らしきエンターテイメントな空間が展開していき、よりヒートアップしていくところで、まず最初のゲストとして登場したのがホリエアツシ(ストレイテナー)だった。共に歌うは「Rules」。所々で踏み込みつつ、大きくゆったりと揺らしてくれるこの曲にホリエのしなやかな歌声もピタッとハマる。加えて、ホリエがステージを去ってから4人で炸裂させたアウトロも最高だった。



「ヤバいね、かかっちゃてるよ」と、ここでLOW IQ 01が自嘲しつつ、「オレなんかさ、今まで一番なんて取ったことがないのよ。デカい記録なんて残したことがないし。でも、今日はこんなにみんなが来てくれてさ。みんなの中で今日は一番になろうと思います!」と観客へ謝辞を述べていく。ここからすぐに曲へ移るのがスマートかもしれないが、そのLOW IQ 01の言葉へ対して「いっちゃん、カッコいい!」とオリエンタルラジオばりの戯けた方をする渡邉、ロックスターらしく「野音、行けますかー!」とキメるフルカワ、「やおん、いけますかぁ〜!」と山崎がイジるように重ねるのも実にらしいところ。彼らのステージはこういうところもたまらない。

また、曲へ入ればバッチリとキメるのも流石のひと言。小さな子供が浮かれて思わず走り出すぐらい小気味よく鳴らした「DIS IT」、ピンクを基調とした照明を浴びながら滑らかに色っぽく奏でた「ランデヴー」といい雰囲気を作り上げていき、二人目のゲスト大木伸夫(ACIDMAN)を迎えたのが「Distance」。ポイントでエッジを効かせつつ、ビターなソウル的なアプローチもまた魅力のひとつ。少しばかり冷え込んできた18時過ぎではあったが、それを吹き飛ばすように観客も左右に手を振り、一音一音を噛みしめる姿もまた素敵だった。



そして、「90’s BOYS TIMEになっちゃうよ!」とLOW IQ 01が叫び、中盤に差し掛かったところでさらにギアを上げるようにTGMX (SCAFULL KING / FRONTIER BACKYARD)とAKIRATT (SCAFULL KING)が加わって「Big Little Lies」を投下。激しく攻め倒し、追撃として放ったのが「F.A.Y」だ。

Takayoshi Shirakawa (BACK DROP BOMB/Noshow / AA=)も登場し、会場は沸騰状態。その編成のまま、客席で無数のスマホライトの揺れて美しい光景を作り上げた多幸感たっぷりの「NEVER SHUT UP」、LOW IQ 01の「踊れっ!」という号令でより観客も躍動した高性能なダンスチューン「MUSIC MAN」と続くのだから爆発的な盛り上がりになったのも当然だろう。






「歌いながら、“オレ野音でやってるんだ!? ”って感じがしてるんだ。まさか自分が野音に立つとは思わなかったよ。長くやってるといいこともあるね。みなさんのおかげです」と改めてLOW IQ 01が喜びを言葉にしつつ、「お酒、ふた口ぐらい飲ませて(笑)」と茶目っ気たっぷりに口にした後に放ったのが新曲「TO BE LIGHT」だった。節目となる25周年だが、もちろんここでキャリアが終わるわけでもない。いい疾走感を持ちながら、弾けすぎないバランス、見事なグッドメロディーが秀逸。中盤に掲げた01ポーズも頼もしかった。

フルカワの奏でたイントロでひと際大きな歓声が生まれたのが「Out in Bloom」。凄まじい推進力を持ち、これぞという演奏の噛み合い方にも惹きつけられた後、「みーちゃん(細美武士)が出てくるところ、みんなで合唱してくれ!」と投げかけたのが「Delusions of Granduer」。網膜剥離の緊急手術を受けた為、残念ながら出演キャンセルとなってしまった細美の分まで、と観客は大きな歌声を飛ばし、LOW IQ 01もステージ最前に立ってその気持ちを受け止める。ハイライトとして記憶の残るシーンのひとつにもなったはず。

LOW IQ 01、渡邉、フルカワの3人がドラム台の前で半円になり、息を揃えて突入したのが「SO EASY」は会場自体を持ち上げるようなパワー感が凄かった1曲。刹那的な山崎のドラムソロも鮮やかであり、曲が終わった瞬間に「みんな、最高だよ!」とLOW IQ 01が思わず口にするほどのエネルギーに満ち溢れていた。


「オレは本当に……何も考えずさ、自分の好きな音楽ばっかやってきて。上ばっか目指してたわけよ。でも、その目指し方ってやってるうちにわかってきた。“何か違うな、勘違いしてるな”って。高望みばっかしてるだけで。でも、一歩一歩踏み出すと、ちゃんと観てくれる人がいるんだよ。みんなも観てくれる人がいっぱいいると思うんだ」──LOW IQ 01

何かに踊らされることなく、自分なりの道を進べばいい。それこそがやるべきことなんだ、というメッセージ。自らの音楽を、スタイルを追求し続けているからこその重みがあり、とても胸を打つ言葉だったことをここに記しておきたい。

気持ちが通い合う4人らしいちょっとしたセッションから、ムードたっぷりな沁みるフレーズを重ねる「831」を奏で、ガツンとスイッチを切り替えて投下したのが「MAKIN' MAGIC」。色褪せるどころから輝きを増し続ける名曲だ。コーラスをかき消すぐらいのシンガロングも巻き起こり、まさしくクライマックスと表現すべき光景が眼前に広がっていく。

本編ラストは観客のとんでもない大きさのコールを浴びながらの「Snowman」だった。いつものようにTOSHI-LOW (BRAHMAN / OAU / the LOW-ATUS)もサラッと途中から加わり、ライヴの終わりを感じさせる寂しさもありつつ、それを超える嬉しさが湧き上がる。不思議だけど、とても幸せな感覚に浸って締めくくりかと思いきや、「真ん中に立って」とLOW IQ 01がTOSHI-LOWに声をかけ、始まったのは「Happy Birthday to You」だった。



「25年間、お前が横にいてくれてなかったら、今日オレはここに立ってないよ。50歳、おめでとう。これからも仲良くしてね」とこの日が誕生日だったTOSHI-LOWを祝福し、仲間たちへ感謝の言葉も続けていく。今日ぐらい、ずっと自分が主役でいいはずなのに、そこだけじゃ終われないのだろう。ずっと皆から愛されているLOW IQ 01の人間性が垣間見えたタイミングにもなった。

「逃げろっ!」とステージを去ったLOW IQ 01に対して、「LOW IQ!」「01!」と呼び戻すコールが鳴り響き、アンコールとして一瞬でバチッと盛り上げる「Thorn in my side」、タイトルコールから空、そして客席を指さして「Starting Over」をプレイ。TOSHI-LOWも加わっての大団円とも言えるだろうが、まだまだ終わりたくないのはみんな一緒。再びのアンコールでステージに呼び戻された。



「25周年、楽しいお祭りができました」「みんながオレを担いでくれてくれたから、ここまで来れました」とLOW IQ 01らしい言葉から最高潮で終わらせようと「ア、バ、レ、ロー!」と叫んで「Hangover Weekend」をセレクト。“またここから始めるんだ”という意志もみなぎってるようであり、ラストナンバーというよりオープニングナンバーじゃないかと思うような勢いで叩きつけ、最後の最後は渡邉の提案からみんなでLOW IQ 01を胴上げして最高のフィナーレを飾った。

その胴上げの直前、TOSHI-LOWから「野音を満杯にした人は、次、どこへ行くのか知ってますか?」の問いかけに、「大きな玉ねぎの下で」と「Runner」をサンプラザ中野くんのモノマネで歌いつつ、「楽しくみんなが集まってくれれば、小さいライヴハウスでもどこでもやりますんで、応援よろしくお願いします」と答えたLOW IQ 01。あのステージに立つ姿を観たい。しかしLOW IQ 01はそこだけに固執しない。そして、その後にLOW IQ 01が「年齢なんて関係ねえんだよ!」と付け加えたように、またここから何かを始めるはずだ。輝かしいキャリアをまた積み重ねていくLOW IQ 01の姿を大いなる期待感を持って追っていきたい。そう思わせてくれる夜だった。


取材・文◎ヤコウリュウジ
撮影◎上坂和也

■<LOW IQ 01 Solo 25th Anniversary チャレンジ25 日比谷野音>2024年11月9日(土)@東京・日比谷公園野外大音楽堂 セットリスト

01. Little Giant
02. T.O.A.S.T.
03. Every Little Thing
04. SWEAR
05. WAY IT IS
06. Rules
 ※ホリエアツシ
07. DIS IT
08. ランデヴー
09. DISTANCE
 ※大木伸夫
10. Big Little Lies
 ※TGMX, AKIRAT
11. F.A.Y.
 ※TGMX, AKIRAT, TAKAYOSHI SHIRAKAWA
12. Never shut up
 ※TGMX, AKIRAT, TAKAYOSHI SHIRAKAWA
13. MUSIC MAN ※TGMX, AKIRAT, TAKAYOSHI SHIRAKAWA
14. To Be Right
15. Out in Bloom
16. Delusions of Grandeur
17. SO EASY
18. 831
19. MAKIN' MAGIC
20. SNOWMAN ※TOSHI-LOW
encore
21. Thorn in My Side
22. Starting Overe
 ※TOSHI-LOW
W encore
23. Hangover Weekend

▼LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS PLUS
LOW IQ 01 (Vo, B)
渡邊忍 (G)
フルカワユタカ (G)
山﨑聖之 (Dr)
▼Guest Vocals
大木伸夫 (ACIDMAN)
​​​​​​​ホリエアツシ (ストレイテナー)
Takayoshi Shirakawa (BACK DROP BOMB / Noshow / AA=)
TOSHI-LOW (BRAHMAN / OAU / the LOW-ATUS)
▼Guest Horns
TGMX (SCAFULL KING / FRONTIER BACKYARD)
AKIRATT (SCAFULL KING)

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